隔週でメルマガを担当しています副編集長の久保田です。今日は所用で沖縄におり、このメールを書いているのですが、気温は28℃、湿度も80%近く、続々と海開きがされているようです。

 さて、米国立衛生研究所(NIH)が2015年3月30日、オバマ大統領が今年1月に発表した精密医療イニシアチブ(Precision Medicine Initiative)に向け、専門委員会を組織しました。同イニシアチブの一環として、2016年の予算で1億3000万ドルをつぎ込んで、100万人以上の参加者を対象とした、超大規模臨床研究を立ち上げる予定です。
http://www.nih.gov/news/health/mar2015/od-30.htm
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150204/182160/

 臨床研究では、参加者がゲノム情報などの生物学的情報、環境情報、ライフスタイルや行動様式の情報、自身の組織サンプルなどを任意に提供。解析結果を、個々の患者ごとに異なる予防や治療の戦略立案に役立ててもらうという取り組みがなされる予定です。専門委員会では、臨床研究のデザインや手法について検討するとともに、その成果をいかに社会実装するかなどについても議論する予定です。

 興味深いのは、専門委員会の委員に大学の研究者やNIHなど研究機関の研究者、研究財団のトップなどに交じって、「Google X」のライフサイエンスチームのトップであるAndrew Conrad氏が含まれている点です。「Google X」は、メガネ型情報端末「Google Glass」や無人自動車などの開発を手掛けている米Google社の研究組織。ライフサイエンスチームでは、血糖値を測定できるコンタクトレンズやリキッドバイオプシーで癌細胞をモニタリングする技術などの開発を行っていると言われています。

 Conrad氏は、社会実装の方策を考えるという観点から、専門委員会に召集されたのだと推測されますが、このあたりの人選を見ても、米国の精密医療に対する本気度が伝わってきます。ちなみにGoogle社について言えば、既に米Calico社(California Life Sciences Companyの略らしい)というバイオベンチャーを立ち上げており、米Genentech社の会長兼最高経営責任者などを引っ張ってきて、創薬にも本気で取り組んでいます。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140905/178835/

 記者としては一度、Google XやCalico社の取材をしてみたいところです。