(編集部注)この記事は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によるアグリバイオ最新情報【2015年2月28日】の日本語訳を掲載したものです。

世界

ISAAAが遺伝子組換え/GM作物の商業化の世界動向:2014を発表

 遺伝子組換え/GM作物の商業化の世界動向:2014(ISAAA Brief49)が報道関係者34名の出席のもとに中国、北京、のChina World Hotelで2015年1月28日に発表された。翌1月29日には、中国農業科学アカデミーで中国バイオテクノロジー学会、中国植物生理学・分子生物学会、中国の作物科学会、中国植物防疫学会と中国農業バイオテクノロジー学会および国際アグリバイオ事業団(ISAAA)の共催でセミナーが開催された。これには、政府、学界、研究機関、メディア機関、民間企業からの200人の関係者が出席した。

 報告書は、ISAAAの創設者兼名誉理事長のClive James博士の著作である。James博士によると2014年には、28カ国で1800万人の農業生産者が遺伝子組換え作物を栽培し、その総面積は、1.815億haだった。最新の参入国は、害虫抵抗性ナス(Btナス)を導入したバングラデシュである。遺伝子組換え作物栽培のトップ5カ国は、米国、ブラジル、アルゼンチン、インド、カナダだった。

 セミナーで、中国科学技術会議(CAST)の副会長Dr. Chen Zhangliang 博士は、中国の農業経済構造改革とGM技術開発を紹介し、GM科学教育の積極的な拡大を奨励した。シンガポールNanyang Technological University大学院および職業教育の長・ISAAA理事長のPaul Teng博士は、相互関連の深い世界食料システム野中での食料安全保障の課題にどう対処するかを提示した。ISAAAグローバル・コーディネータ・SEAsiaディレクターのRandy Hautea博士は、フィリピンにおける遺伝子組換えトウモロコシの導入とその影響を紹介した。

 Brief49は、ブラジル、韓国、日本、ベトナム、タイでも公開された。

報告全文は、以下のサイトから得られる。
http://goo.gl/Xl59hB.
また、概要、10大トピックス、プレスリリース、PPT スライド及び ビデオ は、以下のサイトにある。
www.isaaa.org.

科学に対する一般大衆と科学者の見解

 Pew Research Centerは、アメリカ科学振興協会(AAAS)に参加している科学者と一般大衆に対して、科学関連の課題についての見解の調査を実施した。結果によると、生物医科学について一般大衆と科学者の間に大きなギャップがあることが示された。

 一般大衆の半分以上(57%)は、GM食品は、食するには不安全であると言っている。一方、AAAS科学者の大多数(88%)がGM食品は、安全であると言っている。この項目が、今回の調査で見いだされた最大の見解ギャップ(51%)であった。

調査の詳細は、以下のサイトにある。
http://www.pewinternet.org/2015/01/29/public-and-scientists-views-on-science-and-society/

GM作物の安全性研究に対する利益相反と証拠付け

 GM作物の安全性について発表された研究は、一貫して安全性を証拠付けている。しかし、利益相反(COIs)による偏向に影響されたその他の結果を引用して遺伝子組換え作物(GMOs)への疑いを投げかける批判がある。ChileBioの会長のMiguel Angel Sanchez博士は、安全性に関連する文献の範囲を調べるためにGMの安全性に関する査読付き論文を検討した。彼はまた、COIsについても論文を分析した。COIsは、研究が、GM作物の開発会社によって資金支援されているか、また、一方、論文の著者がGM作物の開発会社関係があるときに専門性のCOIsが出ているかを検討した。

 論文を研究の目的に応じてグループ分けした。動物の健康に関するものが204件だった。アレルゲン性の可能性については、46件であった、マイコトキシンと食品加工については、それぞれ18件だった。また、58.3%の論文は、利益相反(COIs)と関係がなかった。一方、25.8%が、著者所属また資金源の面でCOIsを有していた。

 彼はGMの安全性の問題に関するオリジナルな報告は年々増加していると結論した。またGM食品/飼料について様々の側面から検討されており、動物飼料に関するものが最も頻繁に出されている。報告書の大半が著者の所属と資金源との利益相反がないことを確認した。また極めて重要なことは、否定的な論文はすべての報告の5%未満であったことだ。

詳細については、Nature Biotechnology.をご覧ください。

アフリカ

アフリカの将来に賭ける

 Bill と Melinda Gates氏は、その毎年恒例の書簡の中で、アフリカは15年後に食料自給を達成できる。そしてこれは、将来に向けての大きな賭の1つであると考えていると述べた。これは、健康、モバイル技術、教育におけるブレークスルーを介して達成することができる。アフリカの農業では、この賭けは、アフリカの農業生産者、男性も女性も――が適切な作物生産と農業管理のシステムのための技術的専門知識を手にすることで達成できるものである。

 新旱魃耐性トウモロコシ品種の使用がこの中に取り上げられており、これが農業生産者に大きな未来を約束するものであるとしている。しかし、これらの作物の使用には、適切な栽培技術が必須である。地理空間マッピング、予測モデリングおよびリモートセンシングやその他のモバイル技術などの農具立てが農学者、普及員や農業生産者に必要である。このような道具立てが、遺伝学的進歩と農業管理が社会的、経済的な側面にリンクすることで生まれてくるのである。更には、土壌保全や持続可能性もまた、前記の賭けに勝つために必要であり、さらには、アフリカの女性によって主に栽培されている十分に活用されていない作物の開発を達成することが賭に勝つために必要である。

この論文は、以下のサイトで読むことができる。
http://allafrica.com/stories/201501231748.html
または
http://theconversation.com/yes-africa-will-feed-itself-within-the-next-15-years-36564

エジプトの指導者が遺伝子組換え技術開発を議論

 農作物を改善するためのバイオテクノロジーと題したワークショップが、エジプトの農業遺伝子工学研究所(AGERI)で2015年1月5日に開催された。農業干拓大臣Adel ElBeltagy 氏の支援の下にバイオテクノロジーに関連するさまざまな問題を取り上げて行われた。

 大臣に代わって、農業研究センター理事長(ARC)Abdelmoneim Elbana教授がエジプトの経済・食糧自給の問題を解決する上での農業の重要性を話した。彼はまた、国が食品の安全性と気候変動に対応することができるように作物の品質と生産性を改善するために、今日の近代農業に近代的な技術を導入することを強調した。講演者は、現代のバイオテクノロジー技術を使用した作物を改善に関する最近の研究について議論した。議論された作物は、コムギ、デュラムコムギ、ジャガイモ、イネ、トウモロコシであった。また、バイオセーフティ法の重要性と状況についても議論された。

 ワークショップでは、政策決定者に対して現在進行中の遺伝子組換え作物の圃場試験とその重要性の勧告が行われた。また、メディアを対象とするワークショップや一般大衆への働きかけの重要性も述べられた。

 エジプトにおける遺伝子組換え技術については、以下のサイトからエジプトバイオテクノロジー情報センターのNaglaa Abdulla 博士と連絡を取って下さい。
 naglaa.abdallah@agr.cu.edu.eg

ケニアのワタ農業生産者がGM輸入禁止解禁を請願

 ケニア東・中部にあるEmbu,、Kirinyaga、 Kitui、 Machakos、 Makueni、 Meru、 Murang'a と Tharaka Nithi郡の農業生産者が、ケニア大統領に対してBtワタの種子とケニアへのGM食品輸入禁止の解禁を要求する公式文書を出した。

 大統領宛の公式請願文書では、農業生産者は、国のかつての活気のあるワタ部門の崩壊の要因として、病虫害を含むワタバリューチェーンシステム障害を指摘している。また、農業生産者にケニア農畜産研究機構(KALRO)でのBtワタプロジェクトでの害虫抵抗性ワタの研究成果を引き渡すべきであると指摘した。

 公式請願文書はEmbu郡のEmbu大学で開催されたアフリカ農業バイオテクノロジーに関するオープンフォーラム(OFAB)のケニア支部の東部ケニア郡の1日イベントの最後に、農業生産者の代表者によって読み上げられた。

 郡のイベントは、OFAB-ケニアがICOSEED (中央ケニアに拠点を置くワタ農業生産者の地元NGO )とEmbu大学の共催で開催された。このイベントに30人以上のワタ農業生産者、ワタ採取者、郡の幹部、大学職員、メディア、規制当局や科学者が参加した。

詳細は、 Brigitte Bitta史と以下のサイトで連絡を取って下さい。
bbitta@isaaa.org.

研究報告:マラウイ農業生産者が旱魃耐性(DT)トウモロコシ品種を導入

 Norwegian University of Life Sciencesの土地保有研究センターが、マラウイにおける旱魃耐性(DT)トウモロコシ品種の広範な導入に関する研究結果を発表した。彼らのデータは350のマラウイ農業生産者のこの品種導入とその栽培に関するものである。

 試験したDTトウモロコシ品種;Chitedze4、CAP9001、MH27、MH28、PAN53、SC719、ZM309、ZM523、MH26、PHB30G19、SC403、SC627、ZM421、ZM521、ZM621およびZM623は、国際トウモロコシ・コムギ改良センター(CIMMYT)、CIMMYTにより推進されている公私試験研究機関、旱魃耐性(DT)トウモロコシアフリカプロジェクトの下にある国際熱帯農業研究所(IITA)が共同で開発したものである。

 回帰分析の結果は、マラウイファーム助成機構の大規模な推進で2006年から2012年にかけてDTトウモロコシ栽培が増加したことをはっきり示した。導入に影響を与えるその他の主な要因は、農業生産者の旱魃経験とリスク回避力である。収量性の点で、改善されたトウモロコシの品種は2011年から2012年の旱魃の際に地域在来種トウモロコシよりも有意に良好な成果を上げた。

Eldisから報告を入手下さい。

Paterson氏が国際アグリバイオ事業団(ISAAA)報告を南アフリカのPretoria で公表

 元英国環境長官Owen Paterson氏が2015年2月24日に南アフリカ、プレトリアのメディア会議で、遺伝子組換え/GM作物の商業化の世界動向:2014(ISAAA Brief49)を公表した。

 彼は、スピーチの中で遺伝子組換えに反対する人道主義者と環境保護者を総称して「緑色のブロブ」と称した。この言葉は、SF映画のキャラクターで周りのすべてを飲み込む宇宙からの怪物を指している。Paterson氏によると、これらのグループは、地球とそのもとにある田舎に関心を持っていると主張するが、間違った問題に焦点を当て、自分は利益を得ながら、本当は害になっていることをやっていることがますます明らかになってきているのであるとしている。

 「緑色のブロブは、‘GMインドの農業生産者の自殺 ’話が途上国の新しい科学の導入を遅らせている神話のようなものである。しかし、アフリカは、ヨーロッパのとるべき道を示している」と彼は強調した。Paterson氏は、またISAAA報告に基づいて、遺伝子組換えについての良いニュースを述べた。すなわち、「遺伝子組換え技術は、歴史の中で最も急速に導入されている農業技術であり続けている。GMO作物が商業化されてから19年の間に、作付面積で100倍以上の増加を見てきました」と述べた。

詳細は、Owen Paterson's speech?on UK2020 websiteをお読み下さい。

南北アメリカ

旱魃耐性に向けての植物の再プログラミング

 旱魃に耐えている植物におけるアブシジン酸(ABA)の重要性は、以前からよく知られているところである。ABAは旱魃状態の間に植物によって産生されるストレスホルモンである。 ABAは、成長を阻害し、気孔を閉じることにより、水の消費量を減少させる。旱魃に苦しんで植物は、さらに、その生き残りを図るためにABAを噴霧してきた。しかし、この噴霧は、高価で、感光性であり、一旦植物細胞の内部入ると急速に低下するので、非効率的である。そこでカリフォルニア大学RiversideのSean Cutler率いる研究グループは、ABAの非存在下で旱魃下での植物の生残を助ける方策を開発した。これは、Arabidopsis thalianaと tomatoにABAの代わりにmandipropamidよって活性化される受容体をタンパク質工学で構築して挿入することにより、植物遺伝子を再プログラミングすることによって行った。mandipropamidは、果物や野菜で疫病を制御するために使用する農薬である。

 彼らの研究の結果によるとmandipropamidを噴霧すると旱魃条件に曝された再プログラム植物が生き残ることが示された。 タンパク質工学で構築された新規ABA受容体は、mandipropamidに効果的に応答し、水の消費量を低減するために葉に気孔を閉じることによってABAの作用を模倣することができた。

全文は、以下のサイトにある。
http://ucrtoday.ucr.edu/26996

米国ダイズ協会(American Soybean Association 、ASA)は、13種の遺伝子組換えダイズの輸入許可承認の発行をEUに要請

 アメリカ大豆協会(ASA)とその会員農業生産者は、13種の遺伝子組換えダイズの輸入許可承認が遅滞なく発行するようにとの書簡をEUの健康と食品安全委員長Vytenis Andriukaitis氏に送った。ダイズ、トウモロコシ、キャノーラやワタの輸入承認が1年以上も保留されている。ASAと他のグループは、新たな遺伝子組換え品種の承認プロセスが、近年鈍化していたが、それが今になって完全停止になってきたことに留意してのことである。

 「これらの製品はすべて欧州食品安全機関(EFSA)でのポジティブな科学的評価を受けており、食物連鎖および動物の健康委員会で検討が終わっている」と、このグループは記述している。このグループは、欧州委員会によるタイムリーな決定がEUの家畜、家禽および飼料産業で必要とされる原料の70%以上を輸入に依存しており、その供給の中断のリスクを回避することが必須と付け加えた。新しい遺伝子組換え作物の最後の輸入承認は2013年11月に欧州委員会によって発行されたものである。

書簡の全文は、以下のサイトにある。
ASA website

米国農務省(USDA)は、褐変しないARCTIC? リンゴを承認

 米国農務省(USDA)動植物健康検査サービス(APHIS)は、遺伝的に改変した褐変抵抗性のリンゴ2種に初めて承認を与えたと公表した。褐変抵抗性の品種、ARCTIC Golden とARCTIC Grannyは、カナダを拠点とする小規模の栽培者主導の企業Okanagan Specialty Fruits Inc. (OSF社)によって開発された。

 OSFの創業者兼社長のNeal Carter氏は、この発表は彼のチームの記念碑的なことであると述べた。「ARCTICリンゴの商業承認は、当社の記念すべき旗艦製品であり、我々の会社の最大の一里塚でもある。我々は、これが消費者に届くのが待ち遠しいと思っている。」と述べた。

 Carter氏は、この褐変抵抗性ARCTICリンゴは、厳格な審査を経て10年以上の実証実験で増殖させたものであり、地球上でおそらく最も厳しい試験を受けたリンゴであると強調している。 USDAの公表されたリスク評価文書では、ARCTICリンゴは、他のどのリンゴとも同じく安全で健康的であり、植物の病害虫リスクをもたらす可能性は考えられず、規制緩和が人間環境に重大な影響を与える可能性はあり得ないと結論付けた。

 APHISの最終的環境アセスメント(EA)と植物の病害虫リスク評価(PPRA)は、近く連邦官報に掲載される。

ARCTICリンゴについてのリスク評価書と広報は、以下のサイトにある。
USDA website
また、ニュースリリースは、以下のサイトにある。
OSF website

アジア・太平洋

オーストラリアが、近くGMカーネーションの輸入を開始

 オーストラリア遺伝子技術規制局(OGTR)は、International Flower Developments Pty. Ltdからの遺伝的組換え(GM)カーネーション、即ちMoonaqua、Moonberry、およびMoonvelvetの3品種を輸入し、商業流通することの承認要請を受理した。これらGMカーネーション品種は、花色を変化させており、また、実験室で改変された植物を選択するために使用される除草剤耐性マーカー遺伝子を含んでいる。ライセンスが発行されると、切花GMカーネーションが輸入され、非GMカーネーションの切花と同様に流通する。許可申請には、オーストラリアでのGMカーネーションの栽培のための要請は、含まれていない。

詳細は、以下のサイトにある。
http://news.agropages.com/News/NewsDetail---14079.htm

New York University (NYU)教授がゲノムおよび進化学の重要性を語った

 New York University (NYU) 理学部部長、生物学教授のMichael Purugganan博士が行った「植物のゲノムの進化」というタイトルのセミナーのハイライトは、生物多様性の理解、生物の進化、地球上の生命の多様性の基本となる遺伝的基盤の重要なポイントがゲノムにあると言うことであった。セミナーは、農業開発セミナーシリーズ(ADSS)の一環としてフィリピン、ラグナにある東南アジア地域農業における大学院研究と研究センター(SEARCA)で2015年1月28日に開催された。セミナーは、フィリピンゲノムセンター・農業プログラム(PGC-Agriculture)とフィリピン大学ロスバニョス校の植物育種研究所の共同で開催された。

 Purugganan博士によると、「分子データは、作物種がどのように進化してきたかを再考するための始めにすぎない」。彼は、その進化の歴史の記録を持っている生物種のゲノムは、適切に読めば、その種がどのように進化してきたかを理解するのに役立つと説明した。彼はまた、ゲノム科学の進歩は、作物の保全と育種を理解しようとする際の助けになるとも述べた。彼は、ゲノム多様性に関する自分の研究室の栽培種のイネ、フィリピンの伝統的なイネ品種、ナツメヤシ、フィリピンのラフレシアの最新研究成果などを紹介した。

 PGCの国際的な科学諮問委員会のメンバーであるPurugganan博士は、バイオテクノロジー企業、特に農業分野での推進の必要性を述べた。 「GMO作物、技術は、本質的に、何の問題もありません。製品については、それが大丈夫であることを確認する必要がある。技術自体は問題ない。我々は、飢えた世界の要望を満たすためにあらゆる道具立てを試験する必要がある」とも述べた。

フィリピン及び東南アジアのバイオテクノロジーの現状を知るには、東南アジア地域農業における大学院研究と研究センター(SEARCA)の以下のサイトをご覧ください。
www.bic.searca.org
または以下のアドレスにメールして下さい。
bic@searca.org

ヴェトナム、ハノイでの遺伝子組換え/GM作物の商業化の世界動向:2014(ISAAA Brief49)の公表

 ヴェトナム、ハノイで2月3日に遺伝子組換え/ GM作物の商業化の世界動向:2014(ISAAA Brief49)の公表を、農業・農村開発省、農業科学のベトナムアカデミーとISAAAの共同開催で行った。ISAAAの創設者兼名誉理事長、Brief49の著者であるClive James博士がハイライトを述べた。即ち、2014年に、遺伝子組換え作物の栽培面積は1.815億haであり、28カ国で1800万農業生産者が栽培したものである。また、バングラデシュは、遺伝子組換え作物、特にBtナス(Bt brinjal)を導入した最新の国であることが報告された。

 ISAAAのグローバル・コーディネータRandy Hautea博士は、フィリピンでの遺伝子組換えトウモロコシの利用と利点について議論した。マレーシアのバイオテクノロジー情報センター(MABIC)の代表Mahaletchumy Arujanan博士は、正しいしかも客観的な情報を提供するメディアの役割とこの技術の誤解を招くメディアについてハイライトを述べた。

 農業農村開発省科学技術局長 Nguyen Thi Thanh Thuy博士、ヴェトナム農業科学アカデミーの長であるTrinh Khac Quang教授を始め、省庁の長、科学、環境、農業省から100人以上の規制当局者、科学者、学界、研究機関のメンバー、企業、団体、メディア機関の代表が参加した。 Q&Aでの議論は、商業栽培開始後の遺伝子組換え種子の管理や一般大衆への遺伝子組換えに関する効果的な広報に関する手法を中心に展開した。

プログラムの詳細は、Agbiotech VN のHien Le と以下のアドレスで連絡を取って下さい。
htttm@yahoo.com

中国は、GM技術の国民の意識の向上を図っている

 2015年2月2日に中国の共産党と政府が発表した主要な政策文書によると、2015年に農業の遺伝的改変(GM)技術に関する国民の意識の向上に努力するとしている。

 1号中央文書で述べられているように、中国は、GM技術について技術研究、安全管理、およびGM技術のより良い国民の意識の強化を行うとしている。 1号中央文書は、今年の最初の主要な政策文書を意味し、中国の農業の近代化に焦点を当てている。これは、中国共産党中央委員会と国務院が発表した。

 昨年の中央農村工作会議の講演で、中国国家主席習近平は、遺伝子組換え作物が最終的に中国で受容され、この技術は、必要な注意が行使される限り、中国で許可されるべきものであると述べた。

 今年の文書では、「改革と革新を強化する」ことに重点を置いている。それは生産コスト上昇、農業資源の不足、過度の搾取、そして環境汚染悪化などを含む中国の農業部門での課題にハイライトを当てている。

詳細は、以下のサイトにある。
http://english.agri.gov.cn/news/dqnf/201502/t20150203_24951.htm

韓国の科学者たちが砂漠で飼育する遺伝子組換えサツマイモを開発

 韓国生命工学研究所の科学者たちは、遺伝子組換え作物を使用して砂漠化を防ぐことを目的に新技術を開発した。研究リーダーKwak Sang-soo博士によると砂漠化の約90%が貧困に起因している。 「過放牧、森林の破壊、水と土壌の不適切な管理が砂漠化の中核原因である。そこで作物を栽培することが最も効果的な予防策である」と彼は説明している。

 チームは、北東アジア最大の2つの半乾燥地域である中国のKubichi砂漠とカザフスタン、で遺伝子組換えサツマイモを栽培した。彼らはまた、中国と日本の研究者と共同でサツマイモのゲノムを解読した。サツマイモのゲノムは、ヒトゲノムより解読することが困難だが、016年に完成すると見込んでいる。

 Kwak博士は、「私たちの究極の目標は、サツマイモのゲノムの解読情報に基づいて育種した遺伝子組換えサツマイモを中国、カザフスタン、中東、アフリカの砂漠化の影響を受ける地域で大量に生育させることである」と述べた。

詳細は、以下のサイトでご覧下さい。
Genetic Literary Project と Business Korea

インドネシアで遺伝子組換え/GM作物の商業化の世界動向:2014を公表

 ISAAAの創設者兼名誉理事長Clive James博士がインドネシア、ジャカルタで2015年2月11日に最新のバイオテクノロジーの進展について遺伝子組換え/GM作物の商業化の世界動向:2014に関するセミナーの中で発表した。これは、インドネシアバイオテクノロジー情報センター(IndoBIC)、ISAAA、農業省、国立優秀農民協会(NOFA)が共同で開催したものである。

 Clive James博士は、2014年に、遺伝子組換え作物の栽培面積は、新記録となる1.815億haであり、2013年から600万haの増加があったと述べた。最新参加のバングラデシュを加え、2014年には28カ国で遺伝子組換え作物が栽培された。James博士は、またアジアでの遺伝子組換えにおける重要な開発を強調した。開発途上国であるヴェトナム、インドネシアが遺伝子組換え作物の商業化に近づいており、2015年には開始されると期待されている。この中には、数種のハイブリッド遺伝子組換えトウモロコシがヴェトナムでの輸入および栽培、そしてインドネシアでの食用作物として旱魃耐性サトウキビが含まれている。

 セミナーは、インドネシア農業バイオテクノロジー(PBPI)、CropLifeインドネシアおよび、SEAMEO BIOTROPからの支援を受けて開催された。科学者、学界、政策立案者、農業生産者、ジャーナリスト、起業家からなる150人の関係者が出席した。

詳細については、インドネシアバイオテクノロジー情報センターのDewi Suryani (catleyavanda@gmail.com)に連絡して下さい。

オーストラリアの研究者が耐塩性コムギを開発

 オーストラリアのUniversity of Adelaideの研究者らは、農業生産者が高塩土壌で栽培できる耐塩性コムギを開発した。

 Nature Biotechnologyに発表され彼らの研究では、古代種と現代種を交配して、現代種がほとんど生育できない土壌でも生き残る新しいコムギを作成した。研究チームは、これは、耐塩農作物の開発を証明する最初であると言っている。

 「塩分濃度はすでに世界の農業土壌の20%以上に影響を与え、塩分濃度が気候変動による食糧生産での脅威の増加をもたらしているので、この研究は極めて意義が高い」とプロジェクト内の研究者の1人であるRana Munns博士が語っている。

研究者は現在、パン用コムギの耐塩性種を開発するために育種を進めている。

研究の詳細については、全文を以下のサイトから得て下さい。
Genetic Literacy Project

ヨーロッパ

研究によると、健康上の利点があるGM作物は大きな市場規模の可能性を秘めている

 ビタミンが多いおよび/またはミネラル含有量の高い遺伝子組換え作物は、一般大衆の健康改善の可能性を秘めているが、消費者が入手するにはまだまだ妨げが多い。最近、Nature Biotechnologyに発表されたGhent Universityの研究によると、このような作物には、有望な市場規模の可能性があることが示された。

 報告書によると消費者が20パーセントから70パーセントの範囲のプレミアを健康上の利点を持つ遺伝子組換え作物に喜んで支払うことが明らかになった。これは、農業生産者の利点とは大きく異なる点であり、この場合は、割引で提供されている場合のみ、消費者に受け入れられている。健康上の利点を持つさまざまなGM作物がこれまでに開発されてきた。著名な例は、ゲント大学で開発されたプロビタミンAの富化米(ゴールデンライスとして知られている)と葉酸の富化米である。

詳細については、以下のサイトをご覧ください。
https://www.ugent.be/en/news/bulletin/gmos-with-health-benefits-have-large-market-potential
報告論文は、doi:10.1038/nbt.3110 (2015)にある。

GMカメリナ;サケ用の安全な飼料

 オメガ-3脂肪酸は、ヒトの食物栄養素として必須のものである。魚や他の魚介類は、オメガ3脂肪酸の主な供給源である。しかし、魚油のオメガ3の含有量は、ヒトの栄養には十分でない。University of Sterling のRohamsted研究所とBiomar社の研究者は、遺伝子組換え(GM)カメリナ(Camelina sativa)をサケの代替飼料として用いた。 GMのカメリナは藻類の遺伝子で脂肪酸の多い油を生産し、サケのオメガ3含有量を増加させる。

 彼らの発見は、代替サケの飼料としてのGMカメリナを使ってもサケの生育と代謝応答に悪影響を示さないことを明らかにした。また、サケの栄養価も影響を受けなかった。DNA断片もまたサケのどの器官において検出されなかった。これらの知見は、GMのカメリナが安全なサケの代替飼料となり得ることを示唆している。

研究の詳細は、以下のサイトにある。
http://www.nature.com/srep/2015/150129/srep08104/full/srep08104.html#affil-auth

文献備忘録

2014年版ISAAA報告書

 ISAAAは、2014年度報告書を発行した。報告書には、農業の持続可能性と発展に向けた社会を推進することを目的とした2014年ISAAAの主な活動、プロジェクト、成果を記載している。

報告書は、以下のサイトからダウンロードできます。
http://www.isaaa.org/resources/publications/annualreport/2014/default.asp

遺伝子組換え作物の広報に関するポケットKシリーズが更新された

ISAAAポケットKシリーズ No.33の遺伝子組換え作物の広報の更新版がISAAAのWebサイトからダウンロード可能になった。

 ポケットKsは、遺伝子組換え作物に関する知識をパッケージ化した知識のポケット版である。遺伝子組換え製品および関連する問題についてパッケージ化された情報源である。これは、キー情報を配信している作物バイオテクノロジーのグローバルナレッジセンターによって開発された分かりやすいスタイルにして簡単に共有および配布用のPDFとしてダウンロードできるものである。