アグリバイオ最新情報【2014年12月31日】のハイライト
ISAAA日本バイオテクノロジー情報センター(NBIC)の冨田房男代表

11月のハイライト

2015年もよろしくお付き合いいただくようにお願い申し上げます。

 今月は、米国連邦判事Barry Kurren氏がGM作物を禁止したハワイ郡の条例を無効としたことに拍手を送りたい。先のマウイ郡の条例の無効化に続くものである。北海道の条例も同様のものと思えてならない。日本国政府が承認を与えているものを禁止しているのだから憲法に違反するものと確信している。訴訟を考えることも2015年度の方策に入れてもよいかなと思っている。

 新規のワタゲノムが解析されたのも大きなニュースだと思う。今後の育種がうまく行くことは間違いないと思う。またヒヨコマメの遺伝子解析も進み、鉄や亜鉛の微量元素の多いものを育種できそうなのはよいニュースだ。塩耐性のサツマイモの育種が進んでいるのもよいニュースである。

 フィリピンは、相変わらず活発に組換え作物の栽培拡大と正しい理解のための広報活動を進めている。これがトウモロコシの輸入をしないで済むようになった国の力である。このままでは、日本は全くアジアでも取り残されることになるのは間違いない。科学技術立国を標榜するなら、もっと組換え作物・食品の正しい理解に向けて産官学協力して一般大衆への広報に傾注すべきである。最近の米国の調査では、18%が組換え技術やナノテクを使った食品を買わないとしているようであるが、私が札幌の地下歩行空間で行ったアンケート調査では、28%もの人々が、どんなに値段が高くても非遺伝子組換えを選ぶとしている。しかし、米国との大きな違いは、全く内容を理解しない感情的な反対が圧倒的であることである。こんなことを続けるなら、日本の農業が世界から取り残された最後進国になるのは、間近である。

 農業バイオテクノロジーを拒絶することによる世界的なリスと題する記事も出ているが、全く同感である。政策立案者は、GM作物の過剰規制が正当なものかを十分に考えるべきであるし、消費者も賢くなる必要があると考える。

世界

遺伝子組換え生物(GMOS)についてのIQディベート(iq2)において遺伝子組換え科学者が勝利した
グリーンピースが、ペルーの世界遺産に損傷を与えた

アフリカ

研究者は、アグリ技術をいかに拡大するかの戦略を立てた
マメシンクイガ耐性ササゲは、生物多様性を脅かすことはない
ケニアのトップ科学者は、遺伝子組換えを支持し、GMの解禁を求めている

南北アメリカ

改良ソルガムがサトウキビアブラムシによりよい耐性を示した
GM食品の消費者の受け入れに関する栄養および安全上の鍵は何か
連邦判事は、ハワイ郡のGM作物の禁止条例を無効とした
新規ワタゲノムが一般に公開された

アジア・太平洋

フィリピン大学前学長がASEANにおけるバイオテックの役割を述べた
東南アジア(SEASIAN)の規制当局や研究者が遺伝子組換え作物の安全性評価をより改善した
フィリピンの映画製作者が短いビデオで遺伝子組換え作物に関する意見を表明
インドの環境大臣は、GM作物圃場試験にゴーサインを出した
組換え作物に関するベトナムの農業生産者フォーラムが行われた
中国は、GMトウモロコシの輸入決定を発表予定

研究

鉄および亜鉛高レベル含有ヒヨコマメへの改善
BT作物が昆虫補食者に対して毒性がない(殺捕食者ではない)ことが三相研究で明らかになった
ヒ素の蓄積を制限する遺伝子が明らかになった
遺伝子組換え耐塩性改善サツマイモ

文献備忘録

農業バイオテクノロジーを拒絶することによる世界的なリスク
発展途上国における遺伝子組換え作物
Alan McHughen 氏によるGMO安全と規制

バイオテクノロジー情報センター(BIC )から

バングラデシュにおけるバイオテクノロジーに関するワークショップでは、BTナスに焦点を当てた

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)アグリバイオ最新情報【2014年12月31日】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150109/181592/