製薬企業の試験研究費の一定割合を法人税額から控除できる「研究開発税制」の、来年度からの枠組みが固まったようです。大きいのは「オープンイノベーション型」を別枠にし、控除の上限を「総額型」25%に「オープンイノベーション型」5%を加えてこれまで通りの30%を維持したこと、見方を変えれば「総額型」30%から「オープンイノベーション型」5%を切り出し新たな評価基準を加えたということでしょうか。
http://www.meti.go.jp/policy/tech_promotion/27FYRDzeisei.pdf

 資料では、「イノベーション・ナショナルシステムにおいて、企業(大・中堅・中小・ベンチャー企業)・橋渡し研究機関・大学等の連携は、イノベーション創出の要諦」「オープンイノベーション型の抜本的拡充によってそれらの連携を促進することにより、イノベーション・ナショナルシステムを強化」とうたっています。

 ここで言う研究開発費とは、「製品の製造」または「技術の改良、考案若しくは発明」にかかる試験研究のために要する費用で、その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専門的知識をもってその試験研究の業務に専ら従事するものに係るものに限る)および経費、他の者に試験研究を委託する場合の委託研究費、技術研究組合に賦課される費用とされています。

 そしてオープンイノベーション型の対象となる特別試験研究費として、具体的には、国の試験研究機関・国立研究開発法人、大学等、その他の者(企業・民間研究所等)、技術研究組合との共同研究、そして国の試験研究機関・国立研究開発法人、大学等、中小企業、公益法人・地方公共団体の機関、地方独法等との委託研究が挙げられています。また今回、中小企業への知的財産権の使用料が加えられました。

 例えば、研究開発にあたって中小・ベンチャー企業が持つ知的財産権を使用料500万円で利用した場合、これまでは50万円が最大の控除額だったのに対して、今後は最大100万円まで法人税が免除されることになり、大企業等と中小ベンチャー企業との連携も促進されるとしています。また国の研究機関や大学などに5000万円の委託研究費を支払った場合には、これまでの最大600万円の控除額が、最大1500万円まで免除されるようになります。これらの連携先は、国内の機関であることが前提となっています。

 オープンイノベーションというかけ声が聞かれるようになってから大分時間が経ちましたが、研究開発予算の一元化を担う日本医療研究開発機構(AMED)の発足とも相まって、今年こそその流れが加速するのでしょうか。

                       日経バイオテク編集長 関本克宏

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