(編集部注)この記事は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によるアグリバイオ最新情報【2014年12月31日】の日本語訳を掲載したものです。

世界

遺伝子組換え生物(GMOS)についてのIQディベート(iq2)において遺伝子組換え科学者が勝利した

 Fora.tvでの生放送IQディベート(iq2)で、遺伝子組換え食品について熱のこもったディベートを展開した。世界食糧賞2013の受賞者Robert Fraley氏とカリフォルニア大学Davis校の科学者Alison Van Eenennaam氏は、GM食品作物の栽培が許可されるべきと主張した。一方、憂慮する科学者同盟のMargaret Mellon女史およびワシントン州立大学のCharles Benbrook氏が反対の立場の主張をした。遺伝子組換え科学者の主張が聴衆の賛成を、非常に大きな差、つまり最初は32%だったのを、60%にまで大きく伸ばした。

このビデオは、以下のサイトにある。
http://fora.tv/2014/12/03/Genetically_Modify_Food

グリーンピースがペルーの世界遺産に損傷を与えた

 環境保護団体グリーンピースの12人は、12月1-14日にリマ、ペルーでグリーンピースが主催する気候変動に関する会議を表明して、ペルーの砂漠で派手なパフォーマンスを行った。彼らは巨大な黄色の文字で「変化の時を!未来は再生可能です。グリーンピース」と、ナスカラインの一部であるハチドリのような地上絵の横に書いた。ナスカラインは、4世紀から9世紀にかけて古代ナスカの人々によって構築されたペルーの南海岸のナスカの砂漠にある神秘的な幾何学的な図形である。ハチドリのような地上絵は、Colibriと呼ばれており、砂漠にあるもっともはっきり見える像である。

 彼らのこのパフォーマンスが注目を集めたのは、グリーンピースの声明のせいではなく、このことにより1994年以来国連教育科学文化機関(UNESCO)から世界遺産として認められているナスカラインを痛めつけたことによるものである。この絵があるところは非常に壊れやすいとされており、ペルーの政府は許可なしに、大統領や政府高官を含め誰も歩くことを禁止している。この地を研究する者は特別な靴をはき痕跡を残さないようにしているが、グリーンピースのメンバーは通常の靴を身に着けていたので、数百年、数千年その足跡が残ると考えられる。

 ペルー文化副大臣Luis Jaime Castillo氏によると、ペルーは、アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、チリ、ドイツ、イタリア、スペインからの活動家に対する「古代遺跡損傷」の告発を考えているとのことである。

 グリーンピースは、農薬の使いすぎや失明を防ぐように設計された作物であるBtナスやビタミンAが豊富な米の試験圃場を破壊するような人の気持ちを理解しない行動をとった過去の歴史を持っている。

詳細については、以下のサイトをご覧ください。
http://news.nationalgeographic.com/news/2014/12/141212-nazca-lines-greenpeace-archaeology-science/
http://www.bbc.com/news/world-latin-america-30412336
http://gizmodo.com/how-greenpeace-wrecked-one-of-the-most-sacred-places-in-1669873583.

アフリカ

研究者は、アグリ技術をいかに拡大するかの戦略を立てた

 国際熱帯農業研究所(IITA)とHarvestPlusの研究者らは、南アフリカのヨハネスブルグで農業の技術革新を拡大し、農業者レベルでのインパクトをどう創造するかについての戦略を立てるための事業を実施した。革新的な情報流通や解析システム:例えば、その領域での指導者の育成、新しい情報とその流通の手段(ICT)の使用を可能にするなどが上げられた。そのほかに上げられたものは以下の通りである。

・パートナーが産物を購入することや関心をもって継続的取引を維持するためにカウンターパートに対して資金調達の支援。
・継続性と持続可能性のためのプロジェクトの開始時に出口戦略を持つこと
・農業の技術革新は、受益者の要求と地元の知識や状況に基づいている必要があるので受益者が本当に望んでいるものを理解すること。

 会議はまた、アフリカ農業研究フォーラム(FARA)の15周年を記念したものである。

詳細は、以下のサイトにある。
http://www.africasciencenews.org/en/index.php?option=com_content&view=article&id=1403:researchers-proffer-recipe-on-how-to-scale-out-agricultural-technologies&catid=49:food&Itemid=113

マメシンクイガ耐性ササゲは、生物多様性を脅かすことはない

 アフリカの科学者は、マメシンクイガ(Maruca)耐性ササゲは、生物多様性を脅かすことはないと述べた。 Marucaは、ササゲ生産に損害を与えるシンクイガの典型である。Ahmadu Bello 大学のMohammed Ishyaku教授とマメシンクイガ(Maruca)耐性ササゲの研究者の1人によると、Maruca耐性ササゲを商業栽培しても周りに非耐性ササゲを植えてこれを退避作物とするのでMarucaを完全に除去する事はないとしている。

 別のインタビューで、アフリカの農業技術振興財団(AATF)のPrince Addae教授もMarucaが存在し続けると述べた。 Addae教授は、どのように技術が適用されようが完全にこの生物群を駆除することは不可能だと述べた。「これは生態系の特徴であり、どんな技術によってもある1グループ生物全体を完全になくすることはできない。我々が答えようとしている疑問は、ササゲを栽培しなくなったら、Marucaはどこに行くのか?であり、また、この害虫がどんな植物に隠れるのか、つまりどんな宿主かを見つけそこでなにが起こるかを見据えることである」とも言っている。

詳細は、以下のサイトをご覧ください。
http://www.aatf-africa.org/userfiles/CowpeaFAQ.pdf
http://www.nannewsnigeria.com/podborer-resistant-beans-poses-no-threat-biodiversity-%E2%80%93-scientists

ケニアのトップ科学者は、遺伝子組換えを支持し、GMの解禁を求めている

 ケニア医学協会(KMA)の傘下にあるケニア医療従事者は、農業バイオテクノロジーを支持すると声を上げた。ケニア大学バイオテックコンソーシアム(KUBICO)主催のナイロビでの最近の関係者会議の中で、KMA会長Elly Nyaim博士は、2012年に制定したGM食品の輸入禁止を解禁するようにとのKUBICOの呼びかけを支持すると政府に呼びかけた。これは科学者が心から待っていた、農業生産者に現在のGM作物研究の成果を届けられるようにする事である。

 科学者たちは、GM食品の安全性、遺伝子組換え作物について広く流布している誤報について国民に正しい教育を進めることについて、学界及び関係者とともに喜んで協力すると表明した。Simon Mwangi博士によると、一般の医師で医学者、生物工学者は、国民の生活水準を向上させるために一緒に働くべきである。また彼は、患者に与えられている食品の栄養ギャップがもたらしている現在の健康問題を解決するために医師が生物工学者からの知識導入が必要なことに加えて、医師と生物工学者がもっと協力して働くことを呼びかけた。「医学的見地からみるとGM食品は、ヒトが消費するのに全く安全である」とMwangi博士が述べている。

 KUBICO会長は、「Richard Odour博士は、サツマイモやソルガムなどの食品は、人間の体内で免疫システムを強化することの予防プログラムに重要なものであるとフォーラムで提言した。彼は、バイオテクノロジーがそれらをさらに栄養価の高いものにできるし、ケニアの科学者は、これらの作物を変換するために必要な技術知識を持っている」と追加して言った。

KUBICOについては、ケニヤッタ大学のRichard Odour博士と以下のサイトで連絡を取ってください。
oduor.richard@ku.ac.ke
rooduor2000@yahoo.co.uk

南北アメリカ

改良ソルガムがサトウキビアブラムシによりよい耐性を示した

 サトウキビにのみ食害を及ぼしていたアブラムシが、米国の主要なソルガム栽培地で食害を起こした。その結果、ソルガムの栽培者は、これからの害虫被害を制御するためにさらなる方策が必要になってきている。

 米国農務省は、オクラホマ州StillwaterでDekalb社のソルガムについて第三者評価を実施し、同社の製品であるDKS37-07とPULSARは、サトウキビアブラムシに対して高い耐性を示すことを確認した。ここでは変色の減少、草丈の改善、品質が、対象であるTX2783と比較して害虫に対してより良い成績を上げたことを確認した。

詳しくは、以下のサイトにある。
http://news.monsanto.com/press-release/products/dekalb-sorghum-provides-tolerance-against-sugarcane-aphids

GM食品の消費者の受け入れに関する栄養および安全上の鍵は何か

 ノースカロライナ州立大学(NCSU)とミネソタ大学(UM)が行った新しい研究によると、栄養が強化されたり、安全性を向上させた場合に消費者の大半は、ナノテクノロジーや遺伝子改変(GM)を受け入れることを示している。

 研究は、1117人の米国の全国代表的な消費者の調査を行った。参加者は、GMとナノテクを使った食品を購入する意欲を調べた。質問はまた、様々な食品の価格と、参加者が食品の栄養強化、改善された味、食品の安全性、食品の生産が環境上の利点があるナノテクまたはGM技術を使ったものを購入するかを調査した。

 参加者を以下の4つのグループに分けることができることを見出した。
・18%は「新技術拒否グループ」で、GMやナノテク食品をいかなる条件でも購入しないグループ
・19%は「技術嫌悪グループ」で、安全性の利点がある時のみに購入するグループ
・23%は、「価格指向グループ」で、GMやナノテクの使用に関わらず食品のコストが購入意欲の決定要素となっているグループ
・40%は「利益志向グループ」で、食品が栄養や安全性を強化していた場合、GMやナノテクの使用に関わらず購入するグループ

詳細情報は、以下のサイトにあるNCSUニュースリリースをご覧ください。
http://news.ncsu.edu/2014/12/kuzma-tech-food-2014/

連邦判事は、ハワイ郡のGM作物の禁止条例を無効とした

 米国連邦判事Barry Kurren氏により、GM作物を禁止したハワイ郡の条例は無効となった。同氏は、GM作物の栽培を禁止するマウイの郡の法律に対する訴訟を処理した判事でもある。ハワイ花卉・育苗協会、ハワイパパイヤ産業協会、ハワイ島バナナ生産者協会、ハワイ肉牛評議会、太平洋花卉取引所、バイオテクノロジー産業機構、および数人の事業者がGM作物の圃場試験を禁止する条例を無効にする訴訟を起こしていた。

詳細は、以下のサイトにある。
http://www.court.us/idar33791806/federal_judge_rules_against_big_island_gmo_law.htm

新規ワタゲノムが一般に公開された

 Texas Tech University、 Bayer CropScienceおよびゲノム資源国立センター(NGCR)の科学者たちは、A-ゲノム系統のワタの代表種であるアフリカ/アジアワタ(Gossypium arboreum)の注釈付きのゲノム配列を解明した。A-ゲノム系統は、最終的に、今日の繊維産業に至る紡糸可能な繊維を生じた種である。高解像度のゲノム配列の決定で商業的なワタの改善研究を促進できるA-ゲノムの非常に優れた構造図を得たことになる。

 ゲノム配列は、Genbankに公開され、誰もが自由にヌクレオチド配列およびそれらのタンパク質の翻訳データが入手可能である。

詳細は、以下のサイトにある。
http://today.ttu.edu/2014/12/sequencing-of-cotton-a-genome-could-revolutionize-industry/

アジア・太平洋

フィリピン大学前学長がASEANにおけるバイオテックの役割を述べた

 フィリピン大学前学長Emil Q. Javier博士は、飼料トウモロコシ世界市場でフィリピンは競合できると述べた。彼は、「イエローコーンの飼料部門での新たなる活力と競争力」はASEAN統合市場での激しい競争の中での国の希望であることを強調した。Javier博士は、フィリピン農業生産者が遺伝子組換えトウモロコシを大規模に導入したことで飼料用イエローコーンの自給を達成できたと説明した。

詳細は、以下のサイトにある。
http://biotech.einnews.com/article/236876080/Sxppza50FwZPvwWl

東南アジア(SEASIAN)の規制当局や研究者が遺伝子組換え作物の安全性評価をより改善した

 フィリピン、インドネシア、ベトナムの規制当局や公的研究機関や民間企業からの研究者が、科学に基づいた遺伝子組換え作物の安全性評価、特に環境リスク評価(ERA)および飼料および食品の安全性評価(FFSA)を、2014年12月1-3日にフィリピン大学Diliman校生物学研究所で行われたGM作物のリスク評価に関する地域研修ワークショップで更新した。

 ISAAAのグローバル・コーディネータ兼SEAsiaCenterディレクターであるRandy A. Hautea博士は、遺伝子組換え作物の世界およびアジアでの生産現状を提示した。Ghent University とFree University of BrusselsのPiet van der Meer氏およびEstel Consult Ltd.の部長であるMonica Garcia-Alonso女史がERA と FFSAに関する背景を説明し、関連する国際協定、原則、および概念を議論した。ILSI-CERA (食品及び飼料の安全性評価センター)の上級科学プログラムマネージャー(とフィード)Michael Wach氏は、ERAと飼料および食糧の安全性評価ための有用な資料の入手方法と規制評価の適用に向けての広報のやり方について話をした。フィリピン、インドネシア、ベトナムのERA指針をFlerida Carino博士、Muhammad Herman博士(ICABIOGRAD)とKhuat Lang Dong博士(ベトナム科学技術アカデミー)がそれそれ発表した。また、ワークショップでは、ERA、飼料および食糧の安全性評価に関する演習やケーススタディも実施した。

 研修・ワークショップは、農務省、フィリピン大学Diliman校生物学研究所、フィリピンバイオテクノロジー連合(BCP)、米国国際支援庁(USAID)およびCornell Universityが主催した。

東南アジア(SEASIAN)におけるバイオテクノロジーに関する新展開や更新については、SEARCAバイオテクノロジー情報センターの以下のウェブサイトをご覧いただくか、電子メールを送ってください。
http://www.bic.searca.org/ と bic@searca.org

フィリピンの映画製作者が短いビデオで遺伝子組換え作物に関する意見を表明

 ISAAAとSEARCAバイオテクノロジー情報センターでは、映画製作者に農業における遺伝子組換え作物の有益性についての短編ビデオコンテストを行って制作を依頼した。コンテストの受賞者は、Quezon Cityにあるフィリピンの高等教育委員会の本部(CHED)で開催された第10回全国バイオテクノロジー・ウィークの閉会式で発表された。

 フィリピン工科大学Marielle C. Cruz女史がアマチュア部門のグランプリ受賞者に選ばれた。「Mang LuisさんのBt物語」と題する「日常における遺伝子組換え」の分野のものである。また、フィリピン大学ロスバニョス校のMichaella Louise Candelario女史は、「Btナスの有用性」と題するアマチュア部門のグランプリに選ばれた。

 プロのカテゴリの1等賞は、University of Sto. TomasのAnna Cherylle Ramos女史の「通常な生活にある驚き」と題する作品に与えられ、同じカテゴリの2等賞は、Calamba, LagunaのAlvin Quiel Sabanal女史が獲得した。

 遺伝子組換え物語は、ISAAAとSEARCAのBICの共同プロジェクトであり、農業バイオテクノロジー支援プロジェクトII(ABSP II)の支援を得たものであった。

ビデオは、以下のサイトで見ることができます。
http://www.isaaa.org/resources/videos/biotechshorties/default.asp
また詳しい情報は、以下のサイトに連絡してください。
knowledgecenter@isaaa.org

インドの環境大臣は、GM作物圃場試験にゴー信号を出した

 インドの環境大臣Prakash Javadekar氏は、遺伝子組換え(GM)作物が健康や環境に悪いとの科学的な証拠はないと述べた。インドの国会の上院Rajya Sabhaでの応答では、圃場試験への承認を付与するGEACの最近の決定に当たっての質疑に対して、大臣は「GM作物は、害虫耐性、除草剤耐性、ストレス耐性、真菌耐性、耐病性、耐塩性、耐乾性、高い収量と栄養強化、などの有益な特徴を持っており、食糧安全保障に役立つ可能性がある」と述べた。大臣は特にGMトウモロコシ、キャノーラ、ダイズ、ワタが栽培され、ヒトや家畜が多くの国々で食品、飼料および加工品として消費されていると述べた。

 「GM作物が土壌、ヒトの健康と環境を害することを示す科学的証拠はありません」。そして「安全性、有効性および遺伝子組換え種子の農業特性、およびGM作物の商業栽培が承認される前の規制当局の承認プロセスでの広範な評価が行われている」と述べた。

 遺伝子工学評価承認委員会(GEAC)は、最近12 GM作物-ワタ、イネ、ヒマシ油、コムギ、トウモロコシ、落花生、ジャガイモ、ソルガム、ナス、マスタード、サトウキビ、およびヒヨコマメについて、バイオセーフティーデータをとるための実験圃場試験を行うことを承認したと述べた。

詳細については以下のサイトをご覧ください。
http://www.ptinews.com/news/5423713_No-scientific-evidence-to-prove-GM-crops-harmful--Govt-.html

組換え作物に関するベトナムの農業生産者フォーラムが行われた

 国が組換え作物の商業化に向けて準備を進めている中で、「ベトナムでの遺伝子組換え作物利用の最前線にある農業生産者」と題するワークショップが、ハノイにあるベトナム農業生産者連合の本部で2014年12月3日に開催された。ベトナムで100人を越える研究者や専門家、様々の地域の企業や産業の代表、省や都市の農業生産者連合の代表のほか、トウモロコシ生産者の代表が参加した。

 ベトナム中部農業者協会の副会長のNguyen Duy Luong博士は、開会の挨拶の中で、農業者連合の様々のレベルで組換え作物の公式商業化の準備のためにGM作物とその利点についてより多くの情報を得ようとの期待を表明した。Rural Today新聞の編集長であるジャーナリストLuu Quang Dinh氏は、今や遺伝子組換え作物の正しい科学ベースの情報を知らしめ、多くの根拠のない問題に照らして広報するときであると述べた。

 アジアの農業生産者ネットワーク地域議長のEdwin Paraluman氏とフィリピンの議長であるReynaldo Cabanao氏が、フィリピンでの遺伝子組換えトウモロコシ生産と消費および畜産業界への寄与に関する経験を共有した。

ワークショップに関する詳細は以下のサイトでAgBiotechVN のLe Duc Linh 氏と連絡を取って下さい。
ldlinh@gmail.com

中国は、GMトウモロコシの輸入決定を発表予定

 中国政府はすぐに米国Syngenta社の Agrisure Viptera トウモロコシ(MIR162)の輸入を決定する予定。この承認は、きわめて重要である。その理由は、中国と米国のトウモロコシの取引において2013年11月に北京がMIR162トウモロコシの貨物船を停止したためである。国立穀物飼料協会によるとMIR162トウモロコシの輸入を拒否したことで約US $10億の損失があった。

詳細は、以下のサイトにある。
http://www.geneticliteracyproject.org/2014/12/16/syngenta-expects-chinese-to-ok-gm-corn-embroiled-in-lawsuits/

研究

鉄および亜鉛高レベル含有ヒヨコマメへの改善

 ヒヨコマメは、特に発展途上国で消費されている、世界で最も多く消費されている豆科作物の1つである。この作物には、多様なタンパク質、炭水化物、および微量栄養素が入っている。このようなことからヒヨコマメの収量を増加させ、生物的および非生物的ストレスに対する耐性を改善することに焦点を当てた研究が必要とされている。微量栄養素に関するヒヨコマメの品種の開発は、まだ着手されていない。この見地から、University of Saskatchewanの作物開発センターの研究者がこの視点の研究を行っている。

 研究者は、所属機関にある94種の様々の遺伝系統を使って研究し、種子中の鉄と亜鉛の濃度に関係する1塩基違いの(SNP)対立遺伝子を見いだした。

 彼らの発見によると、ヒヨコマメ種子の鉄および亜鉛の濃度は大きく変動し、全体で8 SNP対立遺伝子がその変動に関与することが明らかになった。これらの結果は、より良い鉄と亜鉛のレベルにヒヨコマメ種子を改善する分子育種の可能性を提供するものである。

研究の詳細は、以下のサイトにある。
http://www.nrcresearchpress.com/doi/full/10.1139/gen-2014-0108?src=recsys#.VH0hlTGUdZ8

BT作物が昆虫補食者に対して毒性がない(殺捕食者ではない)ことが3相研究で明らかになった

 トウモロコシやワタなどのBt作物の害虫の集団を抑制する天敵を含む非対象捕食者への環境リスク評価を行った。Cornell Universityの科学者H.H. Suらは、Bt耐性のヨトウガ(Spodoptera frugiperda)とキャベツルキンウワバ (Trichoplusia ni)を使い、トウモロコシとワタ栽培地に共通の捕食者(Zelus renardii)を使って研究した。Bt耐性ワタとBt耐性トウモロコシを食したヨトウガとキンウワバを捕食者に食べさせ、捕食者の様々の因子を解析した。

 結果は、生存率、幼虫期間、成虫の体重、成虫の寿命、およびBtのまたは非Bt作物で飼育した幼虫を与えた捕食者の雌の繁殖力に差がなかった。抗体検査によると、Btタンパク質がBt植物では最も高いレベルであったが、餌になる虫及び捕食者で最も低いレベルしか存在しなかった。調査結果によるとBtタンパク質は、捕食者の適応性に全く影響を与えなかった。

この研究の要旨は、以下のサイトにある。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jen.12184/abstract

ヒ素の蓄積を制限する遺伝子が明らかになった

 ヒ素は、ヒトの健康に危険な発がん性元素である。植物は、その生育するところの土壌や水に起因するヒ素の蓄積を行う。当然のことながら、植物が根の化学的還元を介してヒ酸を亜ヒ酸に変換して蓄積ヒ素レベルを制御する能力を有している。亜ヒ酸は、リン酸輸送システムを通して芽に輸送される。この変換は、ヒ素の解毒プロセスの鍵である。University of Aberdeen、中国科学アカデミー、 Nanjing Agricultural UniversityとRothamsted 研究所からなる国際グループが、このプロセスに関与する遺伝子を見つけるための研究を行った。

 シロイヌナズナのゲノム全体の関連マッピングを使用することによって、変換処理に必要な遺伝子を明らかにすることができた。科学者は化学還元プロセスにおいて主に関与する遺伝子を高ヒ素含有量1(HAC1)と命名した。この遺伝子は、ヒ酸を亜ヒ酸に変換する酵素、ヒ酸還元酵素、をコードする。植物からこの遺伝子を除去すると芽のヒ素の濃度を上げ、蓄積が起こる。さらに、変換プロセスでこの遺伝子は、重要な働きをしている。また、この遺伝子の同定によって、より少ないヒ素蓄積に作物の新品種の育種ができるようになる。

詳細は、以下のサイトにある。
http://www.plosbiology.org/article/info:doi/10.1371/journal.pbio.1002009

遺伝子組換え耐塩性改善サツマイモ

 中国農業大学の研究者らは、サツマイモの耐塩性を向上させるために遺伝子maspardin(IbMas)を研究した。 IbMasは、耐塩性サツマイモ系統から単離されたα/βスーパーファミリーのメンバーである。研究は、塩ストレスとABA処理条件下でサツマイモにIbMasを高発現させるように行われた。

 結果はサツマイモでのIbMasの過剰発現がその耐塩性を向上させ、スーパーオキシドジスムターゼと光合成活動やプロリン含量を高めることが示された。塩ストレス下で塩ストレス応答遺伝子過剰発現も観察された。これらの知見は、遺伝子組換えサツマイモで耐塩性を高めるIbMasの能力があることを示したことになる。

研究の詳細は、以下のサイトにある。
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0115128#authcontrib

文献備忘録

農業バイオテクノロジーを拒絶することによる世界的なリスク

 Harvard Kennedy SchoolのCalestous Juma教授が、農業バイオテクノロジーを拒絶することによる世界的なリスクと題する記事を発表した。記事によると、いくつかのアフリカの国でGM食品に対してそれを止める厳しい規制が施工されることで過酷な政治的な雰囲気を醸成する事になっている。政策立案者は、GM作物の過剰規制が正当なものかを十分に考えるべきだと述べている。

全文は、以下のサイトにある。
http://www.geneticliteracyproject.org/wp/wp-content/uploads/2014/11/GM-Dialogue-Brief-Juma.pdf

発展途上国における遺伝子組換え作物

 発展途上国における遺伝子組換え(GM)作物に関する新しい著作が出版された。これは国際チームが編集・執筆したものである。インドAndhra Pradesh 政府の首席秘書官A. Kallam氏によって著書はHyderabadで発行された。これは発展途上国のGE作物の開発に関連するさまざまな科学的問題と相互に関連し、社会的、政治的問題に関する現在の世界的な位置についての13報のレビューから構成されている。また、これは作物のウイルス病の制御にも焦点を当て、かつGM作物の安全性と利点について事実に基づく現況と広範なレビューが含まれている。この新刊は、GM作物に反対の政策や大衆の意見を形成させている誤報に対抗するため、政治家、政策立案者、官僚、若手研究者、学生、教師、一般の人々、そしてより重要な司法やメディアを対象として出版されたものである。

詳細については、pbtkrao@gmail.comまたはinfo@studiumpress.inのアドレスでC. Kameswara Rao教授にお問い合わせください

Alan McHughen 氏によるGMOの安全性と規制

 カリフォルニア大学の科学者Alan McHughen 氏が、科学の向こうにあるGMOの安全性と規制という記事を書いた。彼は、GM作物と食品は、研究企画から圃場試験、食品や環境安全性評価、そして商業的利用後まであらゆる段階で規制を受けていると述べている。このように、規制強化を推進することは既に実施されている遺伝子組換え作物の強固な見直しを無視するものである。

この記事は、以下のサイトからダウンロードできる。
http://www.geneticliteracyproject.org/wp/wp-content/uploads/2014/11/GM-Dialogue-Brief-Safety-McHughen.pdf

バイオテクノロジー情報センター(BIC)から

バングラデシュにおけるバイオテクノロジーに関するワークショップでは、BTナスに焦点を当てた

 4日間にわたるバイオテクノロジーとBtナスに関するワークショップシリーズがバングラデシュ農業大学(BAU)の主催で2014年11月22-25日に行われた。Btナスの商業栽培をモニターしているさまざまな地区から220人ほどの農業普及員が参加した。大学や研究機関の専門家がBtナスの栽培に関する知識や経験を話した。ワークショップ中、参加者はGM作物とBtナスの栽培、取り扱い、マーケティング、および消費に関する質問をした。

 ワークショップのチーフゲストはBAU副学長Md Rafiqul Hoque教授だった。特別ゲストは、Md Rafiqul Islam Mondal博士 (総長、Bangladesh Agricultural Research Institute and Executive Chairman of Bangladesh Agricultural Research Council)、 GP Das 博士(Country Coordinator, Agricultural Biotechnology Support Project II)、PC Modak教授 (Dean, Faculty of Agricultural Economics and Rural Sociology)とLutful Hassan 教授(Director BAURES)だった。Md Ziaul Haque教授、農業普及員教育部の長がセッションの議長を務めた。

 ワークショップは、USAIDの資金援助の下でABSP II、Sathguru、とCornell Universityによって行われた。

バングラデシュの農業バイオテクノロジーについては、以下のサイトでバングラデシュバイオテクノロジー情報センターと連絡を取って下さい。
nasirbiotech@yahoo.com