再生医療等製品の薬価の考え方が示されることが最重要イベント
 2015年の日本バイオの注目点は、再生医療等製品の薬価の考え方が具体的に示されることと考えている。再生医療に関しては、2014年11月に早期承認された再生医療等製品についても原則、保険適用になるという強力な支援策が決まっている。薬価の考え方がより明確に示されることになれば、事業としての再生医療に対し、採算のシミュレーションの確度が高まることになり、異業種を含めて日本の再生医療分野へ参入ラッシュが起きる可能性がある。2015年は再生医療が日本の成長をけん引する新産業としてダイナミックに動き出す年になる可能性があると予想している。

 そこで注目されるのが、2014年に再生医療等製品として製造販売承認申請を行った2製品である。1つ目はJCRファーマが9月26日に申請したヒト間葉系幹細胞(MSC)を利用した細胞性医薬品であり、2つ目はテルモが10月30日に申請した骨格筋芽細胞シートである。審査が順調に進めば2015年中に承認され、薬価が提示される可能性がある。一方は他家由来細胞を用いたものであり、もう一方は自家由来細胞を用いたものである。これらは再生医療等製品の薬価を予測する際に貴重な情報となる。どのような考え方で評価されたかが示されることから、薬価予測モデルの設定が可能となる。早期承認の再生医療等製品を含めて、さまざまなタイプの再生医療等製品の開発が計画されているが、これまで以上の確度で薬価および事業としての収益性を予測できることになろう。

 2014年12月の総選挙は自公連立与党が勝利した。今回の選挙で各党が公表している重点政策集を調べたところ、再生医療の推進を明記しているのは自民党と公明党のみであった。自民党は「iPS細胞を活用した再生医療・創薬や疾患の克服に向けた研究を強力に推進し、画期的な基礎研究成果を医療現場に届けます」と記載している。公明党は長すぎてすべてを紹介できないが、「世界に先駆けて、国民がiPS細胞等による再生医療を迅速かつ安全に受けられるようにするため」という書き出しで始まり、「iPS細胞ストック構想」の体制整備を公約としている。iPS細胞ストックは、iPS細胞由来の再生医療等製品の事業化のカギを握っており、本質をついた内容となっている。

 安倍首相は、消費税の引き上げを2015年10月から2017年4月に延期した。延期決定に際し、17年4月については景気判断条項を削除したことから再延期の選択肢はなくなっている。安倍首相は国民から信任されたこの1年半の時間的猶予の間に、成長戦略(アベノミクス)により、国民の生活の質が着実によくなっていると感じる状況をつくり出すことが必要になる。再生医療は国民の認知度も高く、成果が目に見えやすいことや根治治療であるため患者満足度が大幅に向上すると予想される医療である。再生医療の推進に対する国策の追い風は2015年も続くと予想している。