2015年4月から新事業運営体制を開始

 昨年は、研究開発部門として実りの多い年であったと考えています。当社の次の主力品として期待する自社創製の抗凝固薬エドキサバンにおいて、6大陸46カ国3万人を越える患者に対する2つのグローバル試験により、「心房細動による虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の予防」および「静脈血栓塞栓症の治療と予防」のそれぞれの適応症で欧米アジアの各国で承認申請を行い、最初に国内の承認を取得いたしました。

 また、当社の第3期中期経営計画では「毎年、主たる適応症での2つの上市・4つの後期開発移行、9プロジェクトのフェーズI開始」という従来の実績からはチャレンジングな目標を掲げましたが、昨年3月までの初年度は、この数値目標を達成することが出来ました。

 更には、米国Ambit社の買収により、急性骨髄性白血病を適応症とするキザルチニブをパイプラインに加えることが出来ました。またオープンイノベーションとして、TaNeDSによる公募型の共同研究や、アステラス製薬との化合物ライブラリーの相互利用を開始、カリフォルニア大学サンフランシスコ校やSanford-Burnham医学研究所との研究提携等、自社の強みを活かしながら様々な形で外部の力を取り入れる取組みも加速してまいりました。

 本年は、早々に、エドキサバンの米国における新薬承認の正念場を迎えます。国内に続き米国と欧州での承認・上市により、日米欧での大型グローバル製品の誕生を期待しています。しかしながら、新薬メーカーは新薬を出し続けていかなければ企業として存続できませんし、ステイクホルダーの期待にも応えることができません。エドキサバンに続く新薬を継続的に上市するために、研究開発費の増加を抑えつつ、現在のパイプラインをより充実させていく必要があります。

 当社は本年4月、意思決定の迅速化と低コストな体質への転換を図るために、新事業運営体制を開始します。研究開発本部においても事業運営の最適な形を徹底して追及し、本部員一人ひとりの担う役割と業務をゼロベースで見直すとともに、俊敏でクリエイティブな企業風土醸成に取り組みます。

 また当社は、ベンチャーサイエンスラボラトリー、アスビオ、RDノバーレ、U3ファーマ、プレキシコンといった各々強味を持った多様な組織が創薬を追求しています。本年は、各組織が独自性を保ちつつ研究現場同士の連携を深め、より早く、より確実に成果を出すように進めたいと考えています。そして本年も目標達成を目指し、革新的医薬品の迅速かつ継続的な創出を進めたいと思います。