産学連携による植物バイオマス新産業の創出

 新春のお慶びを申し上げます。

 産学連携:大阪大学の産学連携は「Industry on Campus」という名称を掲げ、共同研究講座(37講座)・協働研究所(6研究所)を有する(1/1現在)。国内産学連携の本丸として2006年より独自制度を運用し、他大学も同様の制度導入を進めている。その領域はバイオ、機械、化学、電子などの工学領域、医療総合分野と多技に渡り、研究者の数も300名を越える規模である。大学力を計る目安はある時間軸でみた研究者数であるとも考えられており、確実に大学力を蓄積し成長を続けている。そして、10年の節眼(2016年)には共同研究講座・協働研究所の数は50を越えると予想され、キャンパス内に学生、教員、企業研究者の輪が広がり教育と産業創成の場になりつつある。

 新産業創出(ものづくり):43の数を有す共同研究講座・協働研究所は、大学力の向上には確実に貢献している。しかし、産業界の期待する新産業創出は未だになく、産学連携制度の質や数が次ステージに飛躍するための起爆剤は新産業の創出である。2015年は、産学連携にて新産業を創出することが、「Industry on Campus」を成就させることであり、ひいては大学に眠るシーズを目覚めさせ、日本の成長戦略に繋がる布石であると言える。そして、この恩恵を中小企業産業界へ反映されるために、産・産学連携などの新たな取り組みが欠かせない状況にある。産学官の柔軟な取り組みは、技術立国日本の死中に活路を求める鍵と考えられ、政府も十分な支援策を整備しつつある。

 植物科学の発展:TheScientist.(Alan M. Jones/Oct.1, 2014)の記事に、成長産業のライフサイエンス、バイオメディカル分野への研究者増加は著しいが、植物科学の研究者は過去15年横ばい状況であると紹介されている。まさに失われた15年であり、この結果を意味するところは植物科学領域が基礎科学に留まり、産業界に貢献出来ていないと推察される。

 そして、植物バイオマスの産業化として、代替エネルギーなどのブームもあったが、社会情勢の変化を受けて遅々として進まない状況にある。バイオマスを用いた産業化に必要な研究開発は「安定供給と増産」に関するテーマであるが、どの種の植物バイオマスにおいても長期間の時間と多額の資金を有すことから産業化に至らない状況にある。

 産学連携はこの様な植物バイオマスの産業の課題を解決する手段として、大きな功を奏す場所だと考えられる。すなわち、大学という地の利を生かし、一気通貫による産業形成こそが植物科学の産業化を進める手段だと私は考える。

 2015年は、植物バイオマスを用いた産業化が私の大きな抱負である。