すべての人に統計リテラシーを

 新年のお慶びを申し上げます。

 株式会社スタージェンは遺伝統計学のパイオニアである鎌谷直之先生(弊社会長、痛風財団理事長)の指導の下、研究所や製薬企業の統計解析を支援して参りました。近年は国内製薬6社からなる日本PGxデータサイエンスコンソーシアムの事務局を務め、健常日本人約3000人のGWASデータの活用をサポートして参りました。また医療以外の分野にも興味があり、家畜データやスポーツデータの解析などにも力を入れております。

 昨年は、日本人のノーベル物理学賞受賞など喜ばしい出来事もあった一方で、データの改竄問題がクローズアップされた日本の科学界でした。データの改竄は科学研究において常に潜む問題です。その中には意図的でない改竄も多く含まれています。期待する結果になるようにサンプルを選ぶことがデータの改竄にあたることをどれだけの研究者が理解しているでしょうか。誤った統計的評価に誰も気づくことなく論文が掲載されることはデータの改竄と云わないのでしょうか。研究する人、研究成果を評価する人、それを世の中に伝える人、そしてその研究成果を利用する人、誰かが「この結果はおかしい」と気づけばいいのではないでしょうか。そのためには研究に携わる全員が最低限の統計リテラシーを持つことが大切です。最近のプロジェクトには統計の専門家が加わっている場合が多いですから、プロジェクト参加者みんなでサンプルの選び方、誤解のない視覚化の方法などを学ぶ機会を増やしてはいかがでしょうか。実際の業務に携わる人が統計リテラシーを身につけると、統計の専門家には見えないことが見えてくるものです。

 科学界はより一層の誠実さと正確さで社会の信用を取り戻す一年となるでしょう。ゲノム分野では正確なデータが取得できるGWASに再び注目が集まると考えています。GWASの商用サービスの1つであるDTC遺伝子検査は、23andMeの英国での業務再開も追い風となり市場を拡大できるでしょうか。DTC遺伝子検査は事業者だけでなく消費者にも統計リテラシーが必要です。スタージェンは遺伝統計学のエキスパートとして社会の統計リテラシー向上に少しでも貢献できるように努力して参ります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。