臨床研究の信頼回復に向けて

 明けましておめでとうございます。厚生労働省医政局研究開発振興課への異動を命じられたのが、昨年の9月1日でしたので、その後の4か月間を振り返りつつ、本年の抱負を記したいと思います。

 昨年は「再生医療元年」ともいわれるように、再生医療にとって大きな節目の年となりました。11月25日に「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」及び「医薬品、 医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が施行され、国民に再生医療を迅速かつ安全に届けるための法的な環境整備がなされました。再生医療は、安倍政権が掲げる成長戦略にも位置付けられ、政府をあげて取組が進められてきましたが、9月に世界初のiPS細胞を用いた移植手術が実施されるなど、着実に成果をあげています。本年も引き続き、新たな法制度の下での再生医療の円滑な提供を通じ、iPS細胞をはじめとする再生医療の実用化の促進に努めていきたいと思います。

 昨年は、過去の臨床研究不正への対応が求められた1年でもありました。「臨床研究に関する倫理指針」を見直し、12月22日に、データ改ざん防止のためのモニタリング・監査の規定や、資料の保存に関する規定、利益相反に関する規定などを盛り込んだ「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」が、文部科学省・厚生労働省の共同告示として公布されました。また、同じく12月に「臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会」の報告書により、「一定の範囲の臨床研究については法規制が必要である」との提言が示されました。本年は、新たな倫理指針の周知に努めるとともに、臨床研究の法制化に向けた作業を進め、我が国の臨床研究の信頼回復に努めていきたいと思います。

 昨年9月以降、医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件について検討を進めてきましたが、本年4月の施行に向けて申請の準備を進めている病院もあるので、承認要件の取りまとめを急ぎたいと考えています。順調にいけば、本年中には、審議会での審査を経て、臨床研究中核病院の承認を得る病院が誕生することが見込まれます。臨床研究中核病院の整備は、前述の臨床研究の信頼回復や、再生医療の実用化促進にも寄与するものと考えています。

 終わりになりますが、新しい年が、革新的な医薬品・医療機器・再生医療製品の開発に向けて御尽力いただいている関係の皆様方にとって、飛躍の年となることをお祈りいたします。