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  【日経バイオテク/機能性食品メール】
    【2014.12.19 Vol.168】
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 原則として毎週金曜日に「日経バイオテク/機能性食品メール」をお届けしております日経バイオテクの河田孝雄です。

 今日金曜日(2014年12月19日)は昼過ぎまで、東京の品川で、理化学研究所が「STAP現象の検証結果」に関して説明する会見を開きました。

http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20141219_1/

 集まった報道関係者は名刺を提出したものが170人ほどいた他、撮影などの技術者も多数集まりました。

 がっかりしたのは、2014年1月のSTAP細胞のNature論文(7月に撤回しましたが)の責任著者だった山梨大学教授の若山照彦さんが、多忙を理由に、検証実験に参加しなかったことです。

 そのため、理研CDB(2014年11月から多細胞システム形成研究センターに改組したが略称は変わらず)の所員だった清成寛研究員が、キメラ形成能の実験を担当しました。清成さんは、2014年11月からは理研ライフサイエンス技術基盤研究センター(CLST)生体モデル開発ユニットのユニットリーダーをつとめています。

 「切り刻むのは(今回の検証実験が)初めてだったが、ある程度やっているうちに解消された」と清成さんはお話しでした。

 科学的に検証する、という意味では、残念でした。論文は、撤回してしまえば、責任著者の“責任”は無くなるとでもいうのでしょうか。

 理研という組織の責任と、サイエンスとしての検証とは別のことのはずです。

 ともかくも、論文の記事をまとめるときには、責任著者が誰か、筆頭著者が誰
かを、できるだけ明確に分かるように心がけています。

 CDBの予算は半減といわれています。11月のCDBの改組で、CDBに所属していた9チ
ームが理研の別の組織に移ったとのこと。内訳はCLSTに5チーム、生命システム研
究センター(QBiC)に3チーム、主任研究員研究室に1チームのようです。

 11月からCDBのセンター長代行は、QBiCセンター長の柳田敏雄さんが務めていま
す。柳田さんにうかがったのではないのですが、QBiCの2015年度の予算は2014年
度に比べ30%ほど減る、という情報もあります。

 さて、一昨日の水曜日(12月17日)の夕方には、科学技術振興機構(JST)のメ
ディア懇談会に参加しました。メディア関係者は50人ほど集まっていたようです。

 ノーベル物理学賞を受賞した青色LEDの話題提供が4人からありましたが、懇談
会の冒頭であいさつしたJST理事長の中村道治さんは、2014年度の主要な成果・ト
ピックを15件紹介しました。

 バイオテクノロジーのうちのライフサイエンス系では、理研の高橋プロジェクト
リーダーの「iPS細胞を使った世界初の移植手術を実施(再生医療実現化ハイウェ
イからの研究費を利用)」と、理研の上田コア長の「マウスを丸ごと透明化し1細
胞解像度で観察する新技術を開発」を挙げました。

 なお、上田泰己コア長は、2013年10月から東京大学大学院医学研究科教授が本
務です。

[2014-11-7]
理研QBiCと東大医、マウスを丸ごと透明化して1細胞解像度で観察、Cell誌で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141106/180184/?ST=ffood

 水曜日の午前中には、食品安全委員会の「高濃度にジアシルグリセロールを含む
食品に関するワーキンググループ(第7回)」が開催され、評価書が取りまとめら
れました。ワーキンググループ開催後の記者会見には、10人ほどのメディア関係者
が集まりました。なお公開で開催されたこのワーキンググループの傍聴席は満席で
業界関係者らがおそらく100人くらいは集まったいたのではと思います。

 STAP現象は今年1年の出来事でしたが、こちらは05年9月に厚生労働大臣が食品健
康影響評価を食品安全性委員会に要請してから、9年余りの歳月が経ちました。

[2014-12-17]
食安委が花王「エコナ」の安全性評価取りまとめ、厚労省の要請から9年余り
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141217/181193/?ST=ffood

 国際的に標準の安全性試験をクリアしていたにもかかわらず、何故か“念のた
め”ということで、まだ国際的に評価されていなかった、そして今も世界に広ま
っていない遺伝子組換えラットの実験系が使われました。

 その後、新たなグリシドール脂肪酸エステル問題などがあったために、評価が長
引いたのですが、評価結果を改めて見ると、当時は世界に誇れる日本の先進成果と
いう話もあった「遺伝子組換えラット」の実験は、いったい何だったのか、と思い
ます。

 特にレギュラトリーサイエンスになると、アカデミアの研究者の取り組みも、社
会に大きな影響を与えます。

 メール原稿の締め切り時間になりました。「日経バイオテク/機能性食品メール」
は年内はこれが最後です。

 来年もよろしくお願いします。よい年をお迎えください。

 今週の記事では、腸内細菌や乳酸菌、不二製油の新研究施設もおすすめです。
 ぜひご覧ください。

東北大と慶大、Sucampo社の便秘症治療薬が腸内環境を改善して
腎臓の障害進行を抑制
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141219/181251/?ST=ffood

ポーラが初の乳酸菌飲料を1月発売、丸善製薬の2素材を採用
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141217/181176/?ST=ffood

不二製油がグローバル研究体制を始動、
50億円で日本とシンガポールに新研究施設
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141219/181226/?ST=ffood

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