1カ月ぶりにGreenInnovationメールでお目にかかります、日経バイオテク編集の 河田孝雄です。

 GreenInnovationメールでは、環境や農業のバイオ関連の話題をお届けしております。今回は花の話題です。

 つくば市にあります国立科学博物館筑波実験植物園で、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)花き研究所とサントリーグローバルイノベーションセンターが共同開発した遺伝子組換え「青いキク」が、2014年11月15日から11月24日まで世界で初めて一般公開されました。

 そして先週土曜日(11月22日)には当地で、特別セミナーが開催され、国立科学博物館筑波実験植物園の岩科司園長が「青い花の発現の仕組み」、農研機構花き研究所花き研究領域の野田尚信主任研究員が「青いキクの開発」と題した講演を行いました。

 青いキクは、アクリル製でしょうか、透明なプラスチック的な板のショーケースの中にありました。色が青くなるというのにはおよそ3種類くらいのタイプがあるとのことで、例えばツユクサの青のような明るい青、というのとはちょっと違うのでした。

 市販されている紫のキクがとなりに展示されていましたが、その色は赤紫で、青いキクの色は、青紫といった印象です。

[2014-10-30]
花き研究所とサントリーの青いキク、11月15日から筑波で公開展示、
11月22日にセミナー
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141030/179873/

 こちらの青いキクの一般公開は終わってしまいましたが、緑黄色の蛍光を発するようにした花トレニア「光る花」の展示は、東京の上野公園にある国立科学博物館で2014年10月28日から2015年2月22日まで行われています。

[2014-9-12]
農研機構とNAIST、NEC、理研発VBが開発した「光る花」、
国立科学博物館で10月28日から4カ月展示
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140912/178964/

 富山県で開発が進んでいる青いチューリップや、赤果肉リンゴなどは、もともとその生物が持っている機能を別の場所で、発揮させるので、いま爆発的に技術が発展しているゲノム編集技術を使ったピンポイントの遺伝子編集により、セルフクローニングやナチュラルオカレンスに該当する範囲で、実現できるのでは、と思います。

[2014-11-14]
弘前と信州が赤果肉リンゴで競演、農水省のアグリフェアに3万人超
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141114/180473/

[2014-11-20]
広島大と生物研、MMEJ修復機構で簡便・正確・高効率な遺伝子挿入、
ゲノム編集の成果をNature姉妹誌で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141119/180576/

[2014-11-27]
広島大がゲノム編集技術を用いた新規遺伝子ノックイン法PITChシステム、
10月末に国際特許出願
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141127/180698/

 農研機構花き研究所は、園芸試験場の花き部が独立して01年に発足した研究所です。日本の花きの産出額は3761億円で、日本の農業産出額の4%を占めます(2012年)。2014年6月20日の第186回通常国会で、「花きの振興に関する法律」が議員立法で成立し、6月27日に公布されました。この法律の目的は「花きの生産者の経営の安定、花きの加工及び流通の高度化、花きの輸出の促進、公共施設及びまちづくりにおける花きの活用等の措置を講じ、もって花き産業の健全な発展と心豊かな国民生活の実現に寄与すること」です。

 ゲノム編集で育種された花を栽培しやすいようなカルタヘナ法の運用を期待しております。

 このゲノム編集やカルタヘナ法に関する記事を、日経バイオテク2014年11月10日号でまとめました。ご覧いただければ幸いです。

[2014-11-11]
日経バイオテク11月10日号「特集」、「カルタヘナ法」カタルシス
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141111/180333/

 なお、ゲノム編集の日本の拠点である広島大学は、2014年度予算500億円で内閣府が2014年度に開始した戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の10課題の1つである「次世代農林水産業創造技術」(プログラムディレクター:西尾健・法政大学生命科学部教授)への参画も決まっています。

[2014-11-4]
内閣府SIPの次世代農林水産業、代表研究者はNBTが生物研廣瀬氏、
ゲノム編集が筑波大江面氏、戦略コーディネータはタキイ種苗
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141104/180068/

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