隔週でメルマガを担当しています日経バイオテク副編集長の久保田です。

 先ほど、東芝と東北大学による「ジャポニカアレイ」の記者会見に行ってきました。ジャポニカアレイは、日本人に特徴的なSNPだけを集めたSNP解析用のDNAマイクロアレイ。ジャポニカアレイは販売されませんが、東芝が年内にも同アレイを使った受託解析サービスを開始する予定です。

 日本人に特徴的なSNPだけを集めたアレイは、これまでありませんでした。これはまさに、東北大学の東北メディカル・メガバンク計画による成果。加えて、ジャポニカアレイを使った研究が広がることによって、日本人に特徴的な、疾患関連や薬物代謝関連のSNPが見つかるのではないかと期待されています。

 現在、国内の病院では、急速にゲノム医療が日常臨床へと浸透しつつあります。中でも進んでいるのは、小児科において診断が付かない患者を対象に、多発性奇形や自閉症などを診断するゲノム医療。次世代シーケンサーによる全ゲノム解析やエクソーム解析を実施しているところもあれば、専用のパネルでSNP解析をしているところもあり、その後のアノテーションやバリアントの絞り込みも、独自のプログラムを開発したり、ソフトを活用したりと、手法はさまざまです。

 ただ、こうしたゲノム医療のうち、ベースになっているSNPは、欧米におけるコケイジャンを対象とした研究で同定されたものというケースも少なくありません。SNPによっては、それぞれの人種で意味(機能)の異なるものもあるのかもしれませんが、そこは医師の判断でバリアントの取捨選択を行っているのが実情です。ジャポニカアレイによって、日本人に特徴的なSNPの機能やアレル頻度の理解が進めば、こうした状況が改善されることが期待されます。

 東芝は、ジャポニカアレイを使った研究結果に基づいて、疾患の診断や薬物代謝の予測のためのアレイを開発する方針とのこと。会見の詳細については、来週月曜日に公開予定の記事をお読みください。