アグリバイオ最新情報【2014年10月31日】のハイライト
ISAAA日本バイオテクノロジー情報センター(NBIC)の冨田房男代表

10月のハイライト

 今年の世界食糧デーは「家族農業生産者:世界に食糧を、そして地球への思いやりをもって」をテーマに行われた。世界5.7億の農業生産者の10中9が、家族によって運営されており、彼らが世界の食糧の約80%を生産している。このように、家族生産、農業の大勢であり、同時に将来的に飢餓を軽減し、食糧安全保障を達成するために大きな変化を必要としていると報告した。また、現在家族農業生産者は、3つの主要な課題に直面している。すなわち、食品や栄養改善に関する世界的要請に対応する収量増加、持続可能な地球環境保護、貧困と飢餓から抜け出すための生産性の向上と生活の活性化である。

 先月10月6日に札幌の地下街で組換え作物およびその製品のアンケートを行ったことを紹介し、遺伝子組換え反対者のかなりの部分が何も知らないで答えていると報告したが、米国でも同様であることが判明した。米国のテレビ番組が、遺伝子組換え生物(GMOs)に対する対応とその理解をみるために消費者にインタビューした。インタビューに応じた大半は、遺伝子組換え生物(GMOs)は健康に影響する可能性があるので買いたくないと言った。しかしながらGMOが何を意味しているのかと問われると、正しく答えられなかった。つまり、問題を全く理解していないことを示した。また同様にカナダでの調査によると、回答者は農業バイオテクノロジーのイメージに懸念を表明した。一般大衆の認識は、過半数(61%)は負または悪化のどちらかであり、35%は中立的だった。そして4%が、認識が改善されたと言っていることが示された。農業バイオテクノロジーにおける誤報の多くは、特にソーシャルメディアネットワークを介していることも示した。

 これらからみられる課題として、積極的な情報交換戦略の欠如があったことである。情報源の信頼度、予算と時間の制約および業界全体の調和の取れた努力の欠如だと言えよう。すなわち、行政および教育界、科学界、業界の正しい調和のとれた努力が欠けていたと言えよう。また、前政権の極めて的はずれな農林水産政策のためとも言える。

 これらを是正するのは大変ではあるが、我が国の農業・食料についての大きな課題である。これには、今回紹介されている「科学者からの直言:一般大衆への情報提供に関する遺伝子組換え専門家の視点と経験」が参考になる。フィリピン、マレーシア、インドネシアの例が紹介されている。是非とも詳細をみていただきたい。

世界

遺伝子組換え生物(Living Modified Organisms, LMOs)の安全な使用に関する国連会議が韓国で開催
国連食糧農業機関(UN-FAO)事務局長は、世界は持続可能な農業に向けて「パラダイムシフトが必要と述べた
政府は、遺伝子組換え生物(Living Modified Organisms, LMOs)の安全な使用に関する決定に同意
ABIC2014講演者が世界の食料安全保障、農業改革戦略、リーダーシップについて議論
Borlaug国際シンポジウムで2050年に90億人をいかにして養うかを議論
世界食料デーは、家族農業生産者に焦点を当てた
コムギ科学者Sanjaya Rajaram博士が2014年度世界食糧賞を受賞

アフリカ

農業革新がアフリカの農業生産者の競争力を高める

南北アメリカ

より効率的な根粒を作り、窒素固定を効率化するダイズを開発
MAUI市長は、GM作物のモラトリアム提案は現実的ではないとした
GMO反対消費者は、GMOsが何であるかを理解していないことが分かった
専門家が、アグリバイオの情報交換における課題を明らかにした
USDAは、害虫耐性(IR)ダイズMON87751の規制外の決定を延長

アジア・太平洋

中国は、遺伝子組換え作物のメディアキャンペーンを開始
来年からオーストラリアで除草剤耐性(RT)キャノーラが商業栽培される

研究

様々の害虫制御下でのBTイネの収量増の評価

文献備忘録

科学者からの直言:一般大衆への情報提供に関する遺伝子組換え専門家の視点と経験

各地のバイオ情報センター(BICS)から

科学者と政策決定者が学生に農業研究に進むように勧めた
タイバイオ情報センター(THAI BIC)は、2つのバイオテック情報交換ワークショップを開催
Pangasinan AGRI役員および農業生産者がBTナスを支援発言

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)アグリバイオ最新情報【2014年10月31日】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141111/180350/