水痘ワクチンの壮大なストーリー【日経バイオテクONLINE Vol.2147】

(2014.10.31 19:00)
久保田文

 こんにちは。隔週でメルマガを担当しています日経バイオテク副編集長の久保田です。

 先週、香川県観音寺市にある、阪大微生物病研究会の観音寺研究所に取材に伺いました。メディア向けに水痘ワクチンの工場見学会が開催されたためです。水痘ワクチンといえば、この10月1日から予防接種法に基づく定期接種になったばかり。加えて、微研会は現在、水痘ワクチンを高齢者向けの帯状疱疹ワクチンへ適応拡大しようと考えていることなどから、需要増に備えるために製造設備を増強する方針です。

微研会、水痘ワクチンの増産体制を整備へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141023/179738/

微研会、近く高齢者向け帯状疱疹ワクチンを承認申請へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141020/179661/

 工場見学会では、世界で唯一世界保健機構(WHO)から有効性と安全性が認められている、水痘ワクチンウイルス(岡株)についてのビデオも鑑賞しました。

 ビデオというのは、大阪大学名誉教授の高橋理明博士が、水痘ワクチンの開発を始めることになったきっかけや、水痘を発症した岡くんという小児患者(岡株の由来)からウイルス株を採取し弱毒化する過程、臨床評価のため大阪府内で小児にワクチンが接種され、関係者が効果を確信するまでの物語をまとめたものです。さらに、さまざまな議論を経て、同水痘ワクチンは米国で使われるに至るのですが、短時間のビデオとは思えないほど、ストーリーが壮大でした。

 先日、微研会の山西弘一理事長にも取材する機会をいただきましたが、有効性という点でも安全性という点でも世界を席巻した水痘ワクチンのようなワクチンを、また作り出せれば、と話されていました。

 再び日本から水痘ワクチンのような成功例が出るのかどうか――。日本の製薬企業は今、ワクチンの研究開発に本格的に乗り出しています。特に、組換え技術を用いたウイルス様粒子(VLP)の開発などが活発化しています。10月27日号の日経バイオテクでは、そうした動きを取り上げました。ぜひ、お読みください。

日経バイオテク10月27日号「特集」、国内製薬企業のワクチン開発
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141029/179866/

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