1カ月ぶりにGreenInnovationメールでお目にかかります、日経バイオテク編集の河田孝雄です。

 GreenInnovationメールでは、環境や農業のバイオ関連の話題をお届けしております。今回は生物の多様性の話題を紹介します。

 東京大学と京都大学の研究グループが、クロレラとワムシで構成する人工的な生態系では、クロレラのわずかな遺伝的性質の違いが生態系に大きな影響を及ぼすことを見いだした成果を論文発表しました。アレル特異的定量PCRで解析した成果です。

 大分昔のことになりますが、学生時代に似た生態系の研究をしていました(修士論文)。解析手法が、当時と比べ格段に進歩しました。

※日経バイオテクONLINE記事
[2014-10-22]
東大と京大、種内の遺伝的多様性の小さな違いが生態系に甚大影響、
アレル特異的定量PCRで解析
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141022/179709/

 このような最先端の研究が進歩していくことで、生物の多様性の理解が増すのだと思います。

 先週金曜日(10月17日)まで、生物多様性条約の第12回締約国会議(COP12)が開催されました。少し前にメタゲノムの取り扱いが話題になりましたが、今回は合成生物学が改めて取り上げられました。

※環境省ウェブサイト
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=18740

 ただいまゲノム編集の取材を進めており、最近では水産や醸造の記事をまとめました。

[2014-10-10]
京大と近畿大、水研センター、メダカやマダイ、トラフグで簡便ゲノム編集
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141010/179494/

[2014-10-20]
酒総研と明大、広島大、プラチナTALENで麹菌をゲノム編集
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141020/179654/

 新しい技術で生まれる生物を、生物の多様性を保つためのカルタヘナ法で、どう扱うべきか、議論を深める必要があるかと思います。

 カルタヘナ議定書(生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書)を批准して国内法を整備している国々の中でも、運用上で厳しさの違いが大きいことが分かってきました。

 最先端の分野で、国際競争力に直結した規制といえます。

 批准していない米国は賢いという見方も成立するかと思いますが、批准している日本では、国内法の運用などにより一層の工夫が必要ではないでしょうか。

 ご意見、ご批判は以下のフォームよりお願いします。
https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/