アグリバイオ最新情報【2014年9月30日】のハイライト
ISAAA日本バイオテクノロジー情報センター(NBIC)の冨田房男代表

9月のハイライト

 ノーベル物理学賞を日本の3人の学者が受賞し、日本の科学レベルが評価されているのは素晴らしいことである。反面、一般の人々が科学に信頼を置いているのかよくわからない。むしろ科学への理解度は低いように思われてならない。その理由だが、10月6日に札幌の地下街で組換え作物及びその製品のアンケートを行ったところ、まだまとめはできていないが、驚くべきことに「遺伝子組換え作物・食品が輸入されていることを知らない」や「遺伝子組換え表示は、安全性の説明のためある。即ち遺伝子組換え原料を使っていないとの表示は、全く遺伝子組換え原料或いは製品が入っていないと誤認していた」とのコメントが少なからずあったことによる。

 このようなことは、今回のニュースにあるように、科学者や学者は科学コミュニケーションの重要性を認識しているが、自分の時間のほんの一部だけを一般国民との関与に充てているに過ぎないこと理由である。この傾向は世界のあちこちで明らかになっている。この様な流れは、Cornell大学が農業バイオテクノロジーに関する対話で科学者の声を強めることを目的とし、新しい先導計画を立ち上げるとの報道からも察せられる。

 またさらに、「アイルランド食品安全庁(FSAI)の最高経営責任者は遺伝子組換え技術の危険視をやめるべきと述べた」とした報道も同様に重要と評価している。遺伝子組換え作物に関与する日本の科学者、また政策策定者にも正しい情報を出すことを期待したい。

 米国農務省(USDA)がDow AgroSciencesの Enlistトウモロコシとダイズ品種の米国における商業的作付けの許可を出したこと、ベトナムは4種の遺伝子組換え(GM)トウモロコシ品種を承認したことなどは、組換え作物への科学的に正しい理解がより進展しているこことの証左であり、喜ばしいと感じている。また、フィリピンの農業生産者と他の関係者がBTナスの商業化の推進を図っていることは、我が国も学ぶところが多いと感じている。

世界

Cornell大学はアグリバイオに関する科学に基づいた対話活動の世界的先導計画を発表
米国科学アカデミーは、遺伝子操作(GE)研究に関する最初の公開会議を実施
より効率的な光合成のために遺伝子操作(GE)たばこを開発

アフリカ

アフリカのCOMESA地域でのバイオテクノロジー-バイオセーフティ応用による利益を共有する方向性を指向
アフリカ農業関係者は、持続可能性を達成することに注力
ガーナのビタミンA不足を改善するための世界視覚プロジェクト

南北アメリカ

米国農務省(USDA)はDow AgroSciencesの Enlist™のトウモロコシとダイズ品種の米国での商業的作付けを許可

アジア・太平洋

ベトナムは4種の遺伝子組換え(GM)トウモロコシ品種を承認
オーストラリアでの機関の信頼とメディアサイクルがどのようにGMの支持に働くかの予測に関する研究
フィリピンの農業生産者と他の関係者がBTナスの商業化を推進
非生物的ストレス耐性のGM作物の安全
韓国におけるCOP-MOP会議
フィリピン科学技術会議(NAST)がミンダナオ島地域政策立案者や関係者にバイオテクノロジーについて話をした
フィリピンが地域アグリバイオ研究の先導者であると米国農務省が発表
科学者は、科学コミュニケーション(SCICOM)重要視しているが一般への遺伝子組換えについてのコミュニケーションには、ほとんど時間を割いていない

ヨーロッパ

アイルランド食品安全庁(FSAI )の最高経営責任者は遺伝子組換え技術の危険視をやめるべきと述べた
Rothamstedの研究者は、健康によい油の多いカメリナ(偽亜麻)を開発

研究

エボラ流行防止にタバコ植物を使う
旱魃耐性遺伝子組換えイネと対応非遺伝子組換えイネの比較研究を実施

新刊書

新刊:BTナスについてのPOCKET K

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)アグリバイオ最新情報【2014年9月30日】

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https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141010/179498/