9月30日に、協和発酵キリンと米Pfizer社が、癌の免疫療法に関して開発提携を発表しました。協和発酵キリンの抗CCR4抗体モガムリズマブとPfizer社の抗4-1BB(CD137)アゴニスト抗体PF-05082566(PF-2566)との併用療法の開発です。協和発酵キリンは7月にも英AsrtaZeneca(AZ)社と、モガムリズマブとAZ社の抗PD-L1抗体MEDI4736、抗CTLA4抗体tremelimumabとの併用療法に関して提携を結んでいます。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140930/179283/

 一方のPfizer社は8月に、PF-05082566と米Merck社の抗PD-1抗体pembrolizmab(MK-3475)との併用試験について明らかにしています。こうして見ると、Pfizer社がAZ社に触手を伸ばすのも宜なるかなという気がしますが、買収提案の理由は英国への本社移転による法人税の抑制でしたか。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20141001/179319/

 一方の小野薬品工業、米Bristol-Myers Squibb(BMS)社組も7月、両社が販売するニボルマブと、BMS社の抗CTLA-4抗体ipilimumab、抗KIR抗体lirilumab、抗CD137抗体urelumab、抗LAG3抗体BMS-986016との併用療法に関する提携を発表しています。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140804/178101/

 9月30日までマドリードで開催されていた欧州臨床腫瘍学会(ESMO2014)では、開発が先行するニボルマブの悪性黒色種に対するフェーズIIIの解析結果が発表されました。試験の主要目的は奏効率と総死亡率ですが、今回は奏効率についてのみです。その結果は、独立画像評価委員の判定では32%、試験担当医師の判定では26%という結果でした。また、RECIST基準で進行が認められた後も治療を継続した結果、8%にその後30%以上の腫瘍縮小が見られた(immuno-related response)というのも興味深いところです。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140930/179297/

 ここのところ急速に注目されるようになった癌の免疫療法ですが、効果や副作用の発症に個人差が大きく、奏効率を上げるための「複合免疫療法」に各社トライし始めています。その手法は「治療効果の増強」「期待できない状態を効果が得られるように変える」「異なるがん免疫チェックポイントの複合的な制御」だそうです。これから併用療法の開発がますます加速して行くと思われます。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140924/179130/

 そう言えば最近、小野薬品工業とBMS社が、ニボルマブの用途特許が侵害されたとしてMerck社を提訴したというニュースもありました。こちらの方も、激しさを増していくのでしょうか。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140909/178899/

                       日経バイオテク編集長 関本克宏

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