先日、リポソームを用いた動物用の粘膜ワクチンの研究について取材しました。

 詳しくは以下の記事をご覧いただきたいのですが、動物ではさまざまな投与経路のワクチンが考えられるということでした。

大阪府立大の渡来氏、「改変リポソームを使った動物用粘膜ワクチンは抗体だけでなくCTLも誘導できる」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140904/178809/

 鳥類では、腸の免疫器官であるパイエル板が少ないそうで、むしろ目の周りにあるハーダー腺というリンパ組織を刺激するのがよいそうです。ハーダー腺を刺激すると腸でIgAが分泌されるようになり、サルモネラ菌の生着を抑えることが出来るそうです。既にニワトリ用の点眼ワクチンは商品化されていますが、リポソームを使うことでより効果の高いワクチンに出来るのではないかということでした。

 イヌでは、点眼でワクチンを接種すると唾液中に大量のIgAが分泌されるようになるそうです。近年、イヌでも高齢化に伴い、歯周病が問題となっているそうなので、いくつかの原因菌由来の抗原をリポソームに封入して点眼すれば、歯周病に対する治療効果が得られるだろう、というお話しでした。

 また、経皮ワクチンも動物では期待できるそうです。何より抗原が浸透していく絶好の穴である毛穴がたくさんあるからだそうです。少しアルコールを加えて脂質分を緩めることで十分に抗原刺激が期待できるということでした。

 その昔は、学校でもずらりと一列に並んで接種されました。その後、さまざまな経緯があって、今は医療機関に注射を受けに行くようになっています。

 経済動物では、注射型のワクチンも依然としてありますが、新しい投与方法のワクチンが実用化され、またさらにより効果が高く、より投与しやすい剤型のワクチンの研究が進められています。

 昔は同じような道を歩んでいたのに、あるときから異なる道を歩むようになったんだと感じた次第です。

                          日経バイオテク 加藤勇治