こんにちは。隔週でこのメルマガを担当している日経バイオテク副編集長の河野修己です。

 5月12日号の特集では、創薬ベンチャーの導出契約を取り上げました。この特集は1年に1回、当編集部で行っている調査結果を基にしたもので、日本の創薬ベンチャーがどのような導出契約を保有しているかを、網羅的に調べたものです。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140514/176191/

 この特集にも書いていますが、今回の調査で確認できた契約件数は全部で64件。昨年の調査より1件、減少しました。7件の新規契約が締結されていますが、契約解除になってしまったものが8件判明したからです。

 毎年、この調査を担当していますが、最近は2つの懸念を感じています。この調査を開始した05年頃、日本の創薬ベンチャーが保有する導出契約は10件程度しかありませんでした。その後、保有件数はどんどん増加したわけですが、ここ数年は横ばいの状態が続いています。これが1つ目の懸念。

 もう1つは、導出契約締結に成功する新顔の創薬ベンチャーがほとんど出てきていないことです。今回の調査では、iPS細胞由来再生医療のヘリオスが新顔として登場しましたが、これは例外中の例外です。新顔が出てこないのは、導出契約を締結できるほど成長してきた新規創薬ベンチャーが存在していないことを意味しています。

 これは2000年代中盤からずっと続いていた、バイオ氷河期の影響ではないでしょうか。この時期、バイオベンチャーの評価額が極めて低くなり、バイオベンチャーが新規案件に投資できませんでした。そのため、新たなベンチャーがほとんど設立されず、設立にこぎ着けたとしても開発に十分な資金を投じることができませんでした。その結果が、今になって顕在化してきているのでしょう。