バイオテクノロジー業界最大のイベントであるBIO international Convention(BIO)が今年開催されるサンディエゴのバイオ企業団体、BIOCOMのPresidentが、昨日、情報交換に訪れました。BIOCOMには550社が参加し、その内訳は製薬、医療機器、診断薬、バイオ研究支援、CRO、バイオ燃料など多岐に渡っています。また、その75%が創業間もないベンチャー企業だそうです。そしてそのサンディエゴで開催されるBIOの特徴が「個の医療とデジタルヘルス」だと言うので、少々びっくりしてしまいました。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140415/175461/

 服薬遵守や疾病管理用のデバイスやアプリ、モニタリング用のセンサーなど、患者を中心とした製品を紹介するとともに、これらの分野から多くの企業が参加、個人の生体データ収集とその保護などについて議論されるそうです。スマホのアプリなんて、日経バイオテクではあまり扱ってこなかったテーマだなと思った次第です。この分野のテクノロジーが、急激に一般個人まで降りてきたという印象ですが、それを後押ししているのが、医療費削減のかけ声の下での「予防」への注目の高まりなのでしょう。Yahooがジーンクエストと提携して遺伝子解析データを基にした生活改善サービスを開始するなど、日本でも新たなプレーヤーが出現し、その流れが加速しているようです。

 しかしながらいつも感じていたのは、適切な介入があってこそのリスクの把握、予防なのであって、介入手段がなければ単なる占いにすぎないのではないかということ。遺伝子解析ビジネスで得られた結果による介入が生活習慣の改善だけなら、マーケットはそんなに広がらないかな、ソーシャルゲームの会社が占いゲームの一種として参入するのはありかな、なんて思っていたのです。白い犬が生徒に向かって「今、自分に何が起きているのか知るのが大事だぞ」と説教でもしない限りは。ところがソフトバンクのスマホ・パソコンによる健康管理サービスの加入者はかなりの数に達しているようです。これは遺伝情報ではなく活動量と体組成をモニタリングするものですが、時代は変わりつつあるようです。

 でもこれ以上の市場の拡大を望むなら、やはり個人データと薬剤による介入との連動が主流となることは間違いないでしょう。保険診療を中心とした現在のシステムの中で、どのような枠組みでビジネスとするのか。まずはOTCとセットにしたシステムが出てきそうな気もしています。

                       日経バイオテク編集長 関本克宏

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