1カ月ぶりにGreenInnovationメールでお目にかかります、日経バイオテクONLINE アカデミック版編集長の河田孝雄です。

 今日3月26日から、日本農芸化学会2014年度大会が東京地区(新宿と明治大学生田キャンパス)で、日本化学会第94春季年会が名古屋大学で始まり、春の学会シーズンが本格化しました。

 春の学会に関する日本化学会の記者会見は3月12日、日本農芸化学会は3月17日に開催され、環境・エネルギー分野の成果も多く紹介されました。

 化学会の春季年会では8題の発表がハイライトに選ばれ、そのうち3題が太陽電池で、1題がアンモニアを用いたエネルギーキャリアでした。

 太陽電池の3題のうちの1題は、東京大学先端科学技術研究センター教授の瀬川浩司さんと特任助教の木下卓巳さんらの成果。瀬川さんは、内閣府の最先端研究開発支援プログラム(FIRSTプログラム)に選ばれた研究者30人の1人で、「低炭素社会に資する有機系太陽電池の開発」に取り組んでいます。FIRSTはこの3月末で終了します。

 太陽光を約2倍に集光すると16.2%の光エネルギー変換効率を示すという成果です。この光エネルギー変換効率のトップ数値は、数カ月ごとに世界で更新されていて、競争が激しいとのことですが、16.2%は有機系タンデム太陽電池の数値としては世界最高とのことです。
https://www.jsps.go.jp/j-first/sentaku.html
https://first-pg.jp/about-us/segawa-hiroshi.html

 瀬川さんは2月28日と3月1日に新宿で開催されたFIRSTエキスポでも発表なさり、ラジオ番組でも紹介されました。

YouTube[2014.3.3]<バカリズムのオールナイトニッポンGOLD>
バカリズムがファーストエキスポ2014の模様を振り返りながら科学を語る場面
http://www.youtube.com/watch?v=3a7KjpNh_jI

※日経バイオテクONLINEの関連記事(記事の第2段落以降をお読みいただくには、有料会員登録が必要です。メールは全文お読みいただけます)
[2014-3-7]
ゲノム編集の革新技術CRISPR、FIRST成果発表会で言及相次ぐ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140228/174452/

[2014-3-1]
東大の児玉龍彦教授、がん治療プレターゲティング法をFIRSTで開発、
2月18日に特許出願
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140301/174460/

[2014-2-28](全文お読みいただけます)
【機能性食品 Vol.131】総額1500億円FIRSTの公開発表会、
助成額ランキングを作成してみました
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140228/174456/

[2014-2-28]
「FIRST EXPO 2014」が新宿で開幕、山本大臣のあいさつ取りやめで
オープンセレモニー中止
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140228/174452/

 太陽電池の出力を向上する成果は、日本農芸化学会大会の一般講演トピックスの27題にも選ばれました。

[2014-3-26]
味の素とNAIST、人工たんぱく質で太陽電池の光電変換効率を2割向上
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140326/175000/

 この味の素と奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)の共同研究では、カーボンナノチューブ(CNT)が用いられていますが、このCNTは、植物の光合成活性の向上にも役立ちます。

[2014-3-21]
Massachusetts工科大学、植物にカーボンナノチューブを埋め込んで光合成活性を向上
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140320/174916/

 新材料とバイオテクノロジーが、日本の最大の国家リスクであるエネルギー問題の解決に寄与することを願って止みません。

 メールの後半には、これまでまとめた農芸化学会や化学会の日経バイオテクONLINE記事リストを掲載します。ご参考にしていただければと思います。

■日本農芸化学会2014年度大会(3月27~30日、東京・新宿と川崎市)
[2014-3-26]
キリンと東大院薬、混ぜるだけで導入できる蛍光性温度センサーで
細胞内の温度分布を計測
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140326/175009/

[2014-3-26]
味の素とNAIST、人工たんぱく質で太陽電池の光電変換効率を2割向上
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140326/175000/

[2014-3-25]
東大院新領域と基生研ほか、DNAメチル化系の認識配列変換でエピゲノム多様化、
PacBioでピロリ菌の全メチローム解読
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140325/174958/

[2014-3-20]
農芸化学会、清水誠会長は東大から東京農大へ、事務局長に味の素出身の佐野千明氏
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140320/174910/

[2014-3-17]
農芸化学会が大会記者会見を開催、トピックス27題に企業は
不二製油、森永乳業、味の素、キリン
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140317/174830/

[2014-3-14](全文お読みいただけます)
【機能性食品 Vol.132】STAP細胞論文「責任著者」の責任、
サイエンスの情報公開と国益
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140314/174791/

[2014-3-14]
学士院賞10人とエジンバラ公賞1人のうちバイオ関連は7人、
最若年は59歳の山本雅之氏、農芸化学会会員3人
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140314/174756/

[2014-3-14]
フジッコと大阪府立大、カスピ海ヨーグルト粘り成分がアトピー改善、
農芸化学会で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140314/174752/

[2014-3-12]
農芸化学会2014年度技術賞はカルピス、協和発酵、東洋紡・立命館大、明治
の4件、3月27日に受賞講演
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140312/174725/

■日本化学会第94春季年会(3月27~30日、名古屋市)
[2014-3-13]
理研やJSPSの創設に関わった櫻井錠二氏の資料、化学遺産に認定
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140313/174737/

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