STAP細胞に関する最大の関心事「本当にあったのか」は、14日の理化学研究所の記者会見で「第三者の検証を待つ」と連発され明らかにならなかったことから、一般メディアの報道は研究者個人に関することや、京大iPS細胞研究所とのライバル関係といったところに移ってきています。
 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140314/174790/
 http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140314_1/

 最初の記者発表で研究者の個性を強調したりiPS細胞と比較したりしたわけですから、自らまいた種ともいえ、致し方ないでしょう。昨日、理研が会見時に配布したiPS細胞との性能を比較した説明資料を撤回したそうです。

 一連の報道の中で衝撃を受けたのが、週刊ポストの以下の記述です。「他の研究者も捏造に詳しすぎる」という見出しの後で、研究者の話として「小保方さんの疑惑が次々に明らかになったのは、他の研究者がみんな同じようなことをしているからこそ『パターンがよくわかっていた』ためでないか」とあります。あくまで想像の話としていますが、世間一般のアカデミアに対する理解が、これからどうなってしまうのでしょうか。

 14日の記者会見は、会社で別の仕事をしながらニコニコ生放送をチラチラとのぞいていました。ご存じの通り、twitterのつぶやきが画面の上を通り過ぎて行きますが、ただ1人自分の言葉で話していた野依理事長に対する評価が高かったのに対し、他の出席者の発言には「人ごとのよう」「頭いい」などと、真っ向から対峙していない姿勢が指摘されていました。
 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140319/174875/

 そんな中、日経バイオテクの記者が発した「論文を早く出さなければならなかった理由があったのでは」という質問に「鋭い」というつぶやきがあり、この質問は夜の報道番組でも音声が伝えられました(ちょっと自慢)。そう、今回の騒動で、いろんな事情が明らかになりつつあります。理研とは何か、研究費はどこから来るのか、研究者の地位は、給料は……。
 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140313/174747/
 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140310/174650/

 せっかくだから今回の騒動で、日本の研究者を取り巻く環境について、広い議論が巻き起こればいいなと思っています。文科大臣も、すぐに支援すると言ってみたり撤回すべきと言ったり、その場その場の雰囲気ではなく、長期的な視点で日本の研究支援を考えていただきたいものです。
 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140131/173687/
 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140311/174702/

 でないと、「一番じゃなきゃダメですか?」って、世間一般から言われそうです。

                      日経バイオテク編集長 関本克宏

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