(編集部注)この記事は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によるアグリバイオ最新情報【2014年2月28日】の日本語訳を掲載したものです。

世界

作物生物学的育種の産業化サミット2014が北京で開催 

 科学・学術界、政府機関、民間企業やメディアからの約300名の参加者をもって、2014年2月14日に作物生物学的育種の産業化サミット2014が北京の中国農業科学アカデミー(CAAS)で開催された。サミットでは、ISAAAの創設者・名誉理事長Clive James 博士のセミナー及びISAAA Brief46:遺伝子組換え作物の世界における商業栽培概況2013の初公開が行われた。ISAAA Brief46のメディアへ向けての初公開は、その前日に行われた。このメディアリリースには40社の中国メディア及び記者が集まった。

 中国科学技術協会(CAST)の副会長Chen Zhangliang博士がサミットの議長を務めた。彼は、国の食糧安全保障を確保するためのバイオ育種の革新を奨励し、その歓迎の挨拶で新品種育種に向けての遺伝子組換え技術の貢献を強調した。ISAAAの理事長Paul Teng博士は食糧安全保障:アジアにおける課題を、DBNグループ株式会社のバイオテックセンター長Lv Yuping博士は種子産業の革新的先導発展を、Wuhan University教授Yang Daichang氏はヒト血清アルブミンの遺伝子組換えイネによる生産をテーマに講演を行った。

 サミットは、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)と中国の5主要学術団体:中国バイオテクノロジー協会、中国植物生理学及び分子生物学協会、中国農業バイオテクノロジー学会、中国作物科学協会、中国植物防疫協会の共催で行われた。

中国のバイオテクノロジーの発展については、以下のサイトをご覧になるか
http://www.biotechchina.org/
以下にメールして下さい。
zhanghx@mail.las.ac.cn

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国際イネ研究所(IRRI)は、アフリカとアジアに44の新しいイネ品種を提供

 国際イネ研究所(IRRI)とそのパートナーは、2013年にイネの新改良品種44種を提供した。これらには、サハラ以南のアフリカに向けての6改良品種、フィリピンへの9耐塩性品種、及び南アジアへの3冠水耐性品種が含まれている。

 「我々は、これらの品種、特にナイジェリアに提供したものに期待している。これらは、長年の共同研究の成果である」とIRRIの上級育種家Glenn Gregorio氏が述べた。更に「IRRIは、国の育種プログラムと密接に協力して懸命に研究している。これがサハラ以南のアフリカのコメ需要の増加に対応するためのより多くの共同研究に繋がると考えている」と付け加えた。ストレス耐性強化品種に加えて、東及び南アジア(EAS)では香り品種の需要がある。「このような香りイネ品種を含む上記の品種の提供が、この地域の需要に叶う一歩である」とIRRIの科学者RK Singh氏が述べた。

詳細は、以下のサイトにある。
http://irri.org/news/media-releases/44-new-rice-varieties-in-asia-and-africa

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アフリカ

エジプトの大臣が農業の新技術革新を奨励

 エジプトでのISAAA Brief46:遺伝子組換え作物の世界における商業栽培概況2013についてのシンポジウムでは:科学研究担当大臣Raamzy Stino教授が旱魃と食糧不足への対応のため農業分野での科学研究とその技術革新を支援する科学研究省の努力について語った。技術革新には、ISAAA Briefに含まれるバイオテクノロジーなどの近代的な農業技術の使用が含まれているとエジプトバイオテクノロジー情報センター代表Naglaa Abdallah教授が議論し、強調した。

 2014年2月23日にエジプト国立研究センターで開催された行事には、エジプトの学界、ジャーナリスト、関連関係者の500人以上が参加し、3テレビ局が放映した。この行事は、科学研究省、環境省及びカイロ大学が共同開催した。ここでの著名な講演者のカイロ大学副学長Ezz Abustate教授は、遺伝子組換え作物に関する正しい情報を広めているエジプトバイオテクノロジーセンター(EBIC)に謝意を表明した。また、著名なカイロ大学の研究者が遺伝子組換えコムギ、ワタ、トウモロコシの実地試験の成果及び環境安全性の現状を議論した。

シンポジウムの詳細は、EBIC代表のNaglaa Abdallah博士に以下のサイトで問い合わせ下さい。
naglaa_a@hotmail.com

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タンザニアの研究者は、遺伝子組換え作物の圃場試験結果に確信を得た

 タンザニアの遺伝子組換え研究者は、研究者自身及び共同研究企業が年内に遺伝子組換えに関するどんな負の影響をもぬぐいされるとの自信を表明した。2004年の国家環境管理法による直接規制による負の条項が遺伝子組換え作物の圃場試験の実施を妨げてきている。国家バイオセーフティ諮問委員会のメンバーのNicholar Nyange博士と科学技術委員会事務局長代行のNicholar Nyange博士によると、2004年の国家環境管理法(2004 NEMAct)の改正法案が今年議会に諮られ、遺伝子組換えトウモロコシの完全な圃場試験を行えるようになるだろうとのことである。

 「基本法に直接由来するこの負の条項による規制の変更には少し時間がかかる。」とAbdallah博士が述べた。一方、Abdallah博士は、Jakaya Kikwete大統領は昨年Mikocheni農業研究所(MARI)に近代バイオテクノロジー研究室を開設した際に、この法的規制改正に取り組むことを約束したとも述べた。Abdallah博士は、またこの条項が、遺伝子組換え作物を地域で開発するにあたり、地域の科学者と民間企業が働くことを阻害しており、これがなくなることでそれらに対してすべての法的訴訟の道を開けるようになる。さらに、隣国のケニア、ウガンダ、すでに試験を実施し、遺伝子組換えトウモロコシを商業栽培することになるのだから、タンザニアも圃場試験を実施できるようにならねばならないと強調した。

詳細は、以下の二つのサイトにある。
http://b4fa.org/b4fa-week-review-11-february-2014/
及び
http://www.dailynews.co.tz/index.php/local-news/27930-local-researchers-confident-on-gmo-field-trials.

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南北アメリカ

農場廃棄物からの「バイオガソリン」の新製造プロセス

 University of California, Davisの化学者が、農業や林業の廃棄物からのセルロース系原料からガソリンのような燃料を作る新プロセスを発明した。調査の主執筆者Mark Mascal氏によると、新しいプロセスの原料は、わら、トウモロコシの茎、あるいは都市植物廃棄物などの材料の化学的処理により製造することができるレブリン酸である。これは、高収率で、バイオマス原料から製造することができる安価で実用的な原料である。

 植物系の油からの精製バイオディーゼルは、改良ディーゼルエンジンで使用可能なものとして既に市販されている。植物ベースのガソリンは、再生可能燃料としてはるかに大きな市場を開くと考えられる。

University of California, Davisは、新プロセスの特許を申請した。研究論文は、Angewandte Chemie.の2014年1月29日に公表された。

詳細は、以下のサイトにある。
http://news.ucdavis.edu/search/news_detail.lasso?id=10823

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新連合体が、FDAに遺伝子組換え表示を監視するように要望

 遺伝子組換え食品成分を含む製品の表示について、連邦レベルでの解決策を推進するための連合体が設立された。安全で手ごろな価格の食品のための連合が全国的標準表示法を求めている。食料品工業会の最高経営責任者(CEO)で、新連合体のメンバーでもあるPam Baileyk氏は、このような規格は食品医薬品局(FDA)によって監督されるべきであると述べている。「我々は、 FDAはすべての食品、特に遺伝子組換え食品の表示義務を決定する唯一のものであるべきだ。」とメディア会見で語った。

 トウモロコシ生産協会の会長で、新連合体のメンバーのMartin Barbre氏もこの意見を是としている。「ここ米国にあるFDAおよび他の食品安全機関の両方および世界全体にある同様の機関が、遺伝子改変された成分の使用を評価し、それらが米国民の健康へのリスクをもたらさないと明らかにしている」とBarbre氏は言った。「実際には、遺伝子組換え技術によるものが非遺伝子組換えの栽培したものと物質的に異なると言う科学的報告は1つもない」とも述べた。

 連合体はまた、連邦政府の遺伝子組換え表示法が混乱の根絶、食品安全性の推進、消費者に一貫性ある情報を提供することになるべきだ、と述べた。

元報告書は、以下のサイトにある。
http://brownfieldagnews.com/2014/02/06/coalition-gmo-labeling-overseen-fda/

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アジア・太平洋

中国の小規模農家による遺伝子組換え技術の導入と取り込みの経過:Btワタの生産からの検証

 Btワタの生産からの検証に関わる研究の全報告が中国科学アカデミー中国農業政策センターから公表された。この研究は、アジアの小規模農家による遺伝子組換え技術の導入と取り込みの経過:中国、インド及びフィリピンの比較に関するアジアの共同研究プロジェクトの一環をなすもので、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)とJohn Templeton基金で開始されたものである。

 報告書は、中国の農業生産者のBtワタの導入によるインパクトについてまとめられている。中国の農村にどのように遺伝子組換え作物が拡がって行ったかの経路も検証されている。

全報告は、以下のサイトからダウンロードできる。
http://www.isaaa.org/programs/specialprojects/templeton/adoption/china/China-Adoption%20and%20Uptake%20Pathways.pdf
また、ハイライトは、以下のサイトにある。
http://www.isaaa.org/programs/specialprojects/templeton/adoption/china/China-Highlights-Adoption%20and%20Uptake%20Pathways.pdf

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パキスタンは、バイテク方針案を策定

 国家食糧安全保障と研究担当大臣Sikandar Hayat Khan Bosan氏は、農業生産性と保護を強化するためにさまざまな指針や規制措置と共に国のバイオテクノロジー政策を現在策定中であると発表した。バイオテクノロジーやバイオセーフティに関するワークショップでの彼の講演の中でこのことを述べた。

 Bosan氏は、農業バイオテクノロジーの使用は、少なくとも6%、パキスタンの食糧生産を向上させる可能性を秘めていることを強調した。そこで彼は、国家バイオテクノロジー研究機関の能力をアップグレードし、改善するよう奨励した。また、彼は、害虫、病気、および環境ストレスに対する耐性が向上した第二世代のバイオテクノロジー作物の開発をすることで、遺伝子組換え作物を導入している他の国に追いつくことを呼びかけた。

詳しい報告は、以下のサイトにある。
http://www.geneticliteracyproject.org/2014/01/28/pakistan-draws-biotech-policy-map/#.UvEbGmKSySo

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アジア・太平洋諸国は、地域イネ戦略を最終決定

 アジア太平洋地域の17カ国から約40名の参加者が2014年1月28日、アジア太平洋イネ戦略に関する協議会のためにタイのPattayaに集まった。会議の目的は、将来の世代のためにコメの安全保障の改善を見通したイネの地域戦略の確定であった。

 2012年にFAOの加盟国は、アジア太平洋地域の主食作物であるコメの輸入国・輸出国両方に役に立つ地域戦略の立案を支援する組織化をもとめた。「このような戦略を当該地域にもつことで、国家のコメ戦略、政策と新興課題に対応し、新たな機会から利益を得る投資計画の策定を極めて容易にできる」とFAOのアシスタント局長で、アジア太平洋地域の代表である小沼博之氏が語った。「このように、アジア太平洋地域のコメ戦略の策定は、加盟国の呼び掛けに応じた直接の対応である」

 地域のコメ戦略は、3月のウランバートル(モンゴル)での第32回アジア太平洋地域会議で検討するために提示される。

ニュースリリースは、以下のサイトにある。
http://www.fao.org/archive/from-the-field/detail/en/c/213436/

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フィリピンにおけるBTナス潜在的社会経済的インパクトに関する新著

 Btナスの社会経済へのインパクト:フィリピンにおける事業事前ケーススタディは、フイリピンにおける害虫抵抗性のBtナスに関する市場展望と潜在的な経済的、健康、及び環境への調査結果による事業事前ケーススタディを著したものである。この本には、国のナス生産トップの地域(州)の従来のナスでの農薬使用、コスト、生産の収益、ナスマーケティングサプライチェーンに関する研究が盛られている。調査の結果、Btナス生産者は、従来のものよりも高い収益が得られることが期待される。その理由は、マーケットに出せる製品の増加、農薬の使用減、労務費の減があげられる。Btナスの導入は、健康及び環境に大きな利益をもたらす。その理由は、農薬の削減、環境負荷減少により、重要な健康および環境上の利点を提供することができる。Randy A. Hautea博士、ISAAAグローバルコーディネーター・SEAsiaセンター長は、本はその潜在的な影響や福祉向上の面でBtナス研究の焦点を見定めるのに役立つと言った。

 この本の出版は、2014年2月6日に行われるMakati CityのDusit Thani Hoteで行われる「遺伝子組換え作物導入の社会的・経済的インパクト:出版とメディアコンファレンス」の際に、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)、農業科調査研究のための東南アジア地域センター(SEARCA) 、農業バイオテクノロジー支援プロジェクトII(ABSPII)によって行われた。

 また、「フィリピンの小規模農家による遺伝子組換え技術の導入と取り込みの経過及び変革の王者」「中国、インド及びフィリピンの遺伝子組換え農業生産者の変革」の2冊のモノグラフが出版された。これらの著書は、どのように遺伝子組換え作物がこの3カ国で小規模農業生産者の生活をよい方向に変革したか、また「アジアの小規模農家による遺伝子組換え技術の導入と取り込みの経過:中国、インド及びフィリピンの比較」に関するアジアの共同研究プロジェクトの結果をまとめている。これは、John Templeton基金の資金支援を受けてRandy Hautea博士とMariechel Navarro博士(ISAAAの作物バイオテクノロジーに関するグローバルナレッジセンターのディレクター)が研究を率いて行われた。

出版物またはフィリピンのバイオテクノロジーについては以下のSEARCA Biotechnology Information Centerのサイトを見てください。
www.bic.searca.org
または、以下にメールして下さい。
bic@agri.searca.org.

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遺伝子組換え作物農業生産者が、この技術導入にあたり他の農業生産者に影響を与えることが研究の結果明らかになった

 最初に遺伝子組換え作物を導入した農業生産者が他の農業生産者が遺伝子組換え作物を栽培する上で大きな影響を与えることが、中国、インド及びフィリピンにおける遺伝子組換え作物の導入と取り込みの経過に関する3カ国研究から明らかとなった。この研究は、中国科学院中国の農業政策センター、ワタ改善のためのインド協会、フィリピン大学ロスバニョス校の開発コミュニケーション学部が実施した。プロジェクトは、 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によって実施され、John Templeton基金から資金提供された。

 最初の導入農業生産者は、ほとんどが農業生産者のリーダーや村の長または、幹部のようなエリートであった。しかも実地試験に参加した人々だった。最初にこの技術の利点を目の当たりにした第一団は、その経験をその親戚、隣人、友人にそのことを共用するようになった。このような最初の導入者に加えて、民間業者、民間業者から供給を受けている種子販売業者もまた遺伝子組換え作物の導入に大きな影響を与えた。経済、政治、文化、および農業関連要因も農業生産地域における技術の普及を促進した。

 3カ国では、遺伝子組換え作物に関する知識の欠如や間違った情報が遺伝子組換え作物の導入の遅れを起こした。このため、研究者は、農業生産者がその仲間の農業生産者から知識と経験を学ぶという農業生産者相互の強い教育関係を構築することが推奨される。研究のハイライトは、著書、変革の王者:中国、インド及びフィリピンの遺伝子組換え農業生産者の変革にまとめられている。この著書は、2014年2月6日に行われるMakati City のDusit Thani Hotelで公開された。

報告は、以下のサイトからダウンロードできる。
http://www.isaaa.org/programs/specialprojects/templeton/adoption/monograph/Cadres%20of%20Change.pdf
またビデオは、以下のサイトにある。
http://www.isaaa.org/resources/videos/cadresofchange/default.asp

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MONTAGU 教授曰く:遺伝子組換え作物栽培が持続可能な農業を開く

 2013年世界食糧賞受賞者、Marc Van Montagu教授(植物バイオテクノロジーアウトリーチ(IPBO)研究所の創設者兼会長、ベルギー)は、2月10-12日にインドのBangaloreで行われたIndia Bioでの基調講演で、持続可能な農業のための進むべき道として、 遺伝子組換え作物の普及栽培を強調した。「持続可能な農業と遺伝子組換え(GM)作物の栽培だけが農地を救うことができる」とVan Montagu教授が述べた。また「これが農業生産者にとって役に立つだけではなく、人口問題に役に立つのである。つまり飢餓、貧困、また栄養不良をコントロールできる。より良い、より安全な農業を確実にするために科学技術を使用する必要がある」と付け加えた。トピック「植物バイオテクノロジーの社会的・経済的重要性」と言う演題でVan Montagu教授は、「アグリバイオ研究室で最高の科学が遺伝子組換え作物で解決策を生み出しているのだから、これを実地に移転するのは必須のことである」と述べた。

 Van Montagu教授は、多国籍企業の製造する化学薬品を使用せずに地元産の豆を栽培するブラジルの農業生産者の例を挙げて、オーファン作物や地元品種への遺伝子組換え技術を導入する必要性を強調した。「このようなことこそが遺伝子組換え作物の栽培が唯一自然を保存し、肥料の使用を避け、収穫量を3倍に貢献耕地の質を向上させるため方策となる」とVan Montagu教授が述べた。「我々は、自然が肥沃な土壌を維持するために農地を回復する必要がある。遺伝子組換え作物と遺伝子工学は、自然の成り行きである。自然は、遺伝学研究室で、遺伝子プールが永続的に進化の基盤である」と更に付け加えた。

詳しい内容は、以下の サイトにある。
http://www.bangaloreindiabio.in/Index_New.php

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ミャンマーの農業大臣は、Btワタが小規模農業生産者に利益をもたらしたと述べた

 上級政策立案者や農業関係行官に対して、農業灌漑連邦大臣U Myint Hlaing氏は、ワタ生産を倍増し、ミャンマーの小規模農業生産者の収入を増加させたBtワタの大きな貢献に謝意を表した。2006-07以来初めて、連邦農業大臣がミャンマーのBtワタ品種の普及栽培を認めた。ミャンマーの小規模農業生産者へのBtワタのさまざまな利点を賞賛し、農業大臣は、「Btワタの使用は、このような高い作物収量増加、入力コストを削減し、利益、および農薬対する危険な暴露減少など農業生産者にとって大きなメリットをもたらした」と強調した。

 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)創設者兼名誉会長のClive James博士は、開会講演を行い、遺伝子組換え作物面積の進展について前例のない170倍の増加にハイライトを当て、1996年の175万ヘクタールから2013年に27カ国で1億7500万ヘクタール増加したことを強調した。主要作物としてミャンマー工業作物開発企業が開発したNgwe Chi-6長繊維ワタ、そして農業灌漑省の国立種子委員会によって承認されたものが現在85%の普及率に相当し、43万5000の小規模農家によって30万5000ヘクタールに植えられている。この8年間で、短い繊維ワタのヘクタール当たり450キロの収量と比較して、Btワタがヘクタール当たり2100キロに長い繊維綿収量を増加させ、4倍の差が生じている。「Btワタが2006年から2012年までに2.22億米ドル、ミャンマーの農業所得を高め、2012年単年で4870万米ドルの利益を上げたと推定されている」とJames氏が述べた。

 バイオテクノロジー研究センターのPa Pa Aung博士は、ミャンマーのバイオテクノロジーの研究開発の現状を概説し、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)のRandy Hautea博士とBhagirath Choudhary氏は、フィリピンでの遺伝子組換えトウモロコシとインドにおけるBtワタについての導入のインパクトの分析を共有した。Tin Htut Oo博士(ミャンマーの国家社会経済諮問委員会の議長)が、結びの講演を行った。

 農業セミナー「遺伝子組換え作物の世界的商業栽培概況2013 」は、国立社会経済諮問委員会(NSEAC)と国際アグリバイオ事業団(ISAAA)との共同で農業灌漑省(MOAI)によって組織され、2014年2月24日にミャンマーの新首都Nay Pyi Tawで開催された。セミナーには上級政策立案者、政府関係者、農業科学者や大学関係者が出席した。

セミナーの詳細は、インドBICの代表 Bhagirath Choudhary 氏に以下のアドレスで問い合わせて下さい。
b.choudhary@cgiar.org
ミャンマーのBtワタについての詳細は、以下のサイトにあります。
www.isaaa.org

ヨーロッパ

遺伝子組換えジャガイモが疫病を克服

 3年間の遺伝子組換え研究試験の結果、Sainsbury Laboratory(TSL)の科学者が殺菌剤を使用せずにジャガイモの疫病抵抗性を上げることに成功した。ジャガイモ疫病菌Phytophthora infestansに起因する疫病は、今日でも最も深刻な病気として残っている。

 2012年に行われた最新の実地試験では、ジャガイモは疫病に対して理想的な条件を示した。科学者たちは、植物に全く接種せず、そのままにしておいた。8月初めには、非組換え体は100パーセント感染していたが、すべての遺伝子組換体は実験終了までに完全に耐性のままであった。GMの塊茎は、非GMの塊茎よりも多く得られた。導入された遺伝子は、南米野生のジャガイモ由来であり、病原体を認識することで、植物の自然な防御機構を開始させることがその防御機構である。

 「野生種からの育種は、面倒で遅く、遺伝子が正常に栽培種に導入されたころには、疫病の病原体はすでに発症していることになる」とTSL のJonathan Jones教授は述べている。彼は、遺伝子組換え技術と一緒に病原体とそのホストの両方への洞察によって、ジャガイモに好適で疫病に対する抵抗性を表す進化のバランスをとることができた。

研究の詳細と疫病抵抗性に対する実地試験のJones 教授に対するQ&A は、以下のサイトにあります。
http://www.tsl.ac.uk/gmspuds.html

研究

インドのGMO規制

 Plant Biotechnology Journalは、インドでの遺伝子組換え作物の規制の科学を調査する研究論文を収載した。研究は、21世紀の遺伝子革命技術と、インドの緑の革命の驚異的な成功をもたらした、科学、規制と政策環境上の当然の結果を描画する。論文は、インドのBtワタとBtナスなどのGM作物の規制当局の承認のプロセスを徹底的に見て、費用対効果の中で機能するためにインドの規制制度において修正される必要があり、現在のバイオセーフティ規制の枠組みの規制上の重要な制約を特定する。レビュー論文は、立法の修正を提供しており、現在の規制システムが再機能するために、または小規模農家へ遺伝子強化された作物へのアクセスを提供することができる、新たな規制の枠組みを組み込むことを示している。

詳しくは、以下のサイトにある。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/pbi.12155/abstract

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BT作物は益虫に害を及ぼさないことが分かった

 オオメカメムシの一種(Geocoris punctipes)とうまく隠れているヒメハナカメムシ(Orius insidiosus)は、ワタやトウモロコシなどの重要作物に存在する捕食者であり、そこではさまざまな害虫及びその卵や小さな幼虫などを餌にする有益な役割を果たしている。

 これらの捕食者の生活史におけるBt作物に使用されている3種のCryタンパク質の影響を調べるために、コーネル大学のJun-Ce Tian氏とその同僚が研究を行った。Btの影響を受けやすい餌となる虫の餌としての質と当該タンパク質の効果が混同しないように、Cry1Ac/Cry2Abに耐性のキャベツのシャクトリムシ(Trichoplusia ni)とCry1 F耐性ヨトウガ(Spodoptera frugiperda)を三種交合研究に用いた。

 結果は、餌となる虫がCry1Ac/Cry2AbワタやCRY1Fトウモロコシにいる幼虫を摂食したときと、同質遺伝子またはほぼ同質遺伝子の在来種にいる幼虫を補職したときと比べて、生存、発達、成虫の量、繁殖力、そして出生率が類似していたことを示した。非BT-またはBT作物に生育した第二世代についても最初のグループと同じであった。さらなる分析によると捕食者がBtCryタンパク質に曝されても、それが食物連鎖の上方に移動するにつれて、そのタンパク質はますます希釈されることも示された。この研究結果でこれらの2つの重要な捕食種に対して、共通かつ広範に使われている3種のタンパク質は、全く悪影響を及ぼさないことが明確に示された。

研究の詳細は、以下のサイトにある。
http://www.ingentaconnect.com/content/esa/envent/2014/00000043/00000001/art00026

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南アフリカのBTトウモロコシと非BTトウモロコシでの節足動物比較多様性

 Environmental Entomologyに発表された研究報告に、Btと非Btトウモロコシでの節足動物やその他の重要特性について、その多様性や存在量に関する南アフリカのトウモロコシ栽培地でのチェックリストがまとめられている。節足動物のサンプルが2地域でのBtトウモロコシと非Btトウモロコシの2生育期の間に収集された。収集された節足動物は、形態種レベルで分類及びその特性:腐敗食性、草食性、補食性、および寄生性に分類した。

 288形態種レベルと20種の属を含む総計8771個体を収集した。結果は、トウモロコシの節足動物の特性の豊富さと多様性にBtトウモロコシが有意な影響を受けていないこと示した。これらの知見は、遺伝子組換えイネ、ワタ、トウモロコシについて中国、スペイン、米国で実施された研究の結果と同様であった。

研究の要旨は、以下のサイトにある。
http://www.ingentaconnect.com/content/esa/envent/2014/00000043/00000001/art00023?token=0057166d462a3a7e442f20672123763b2544234a2f5f736a687627504541676249266d656c6f1f1feba5d9b