こんにちは。1週おきにこのメールを担当しております、日経バイオテク記者の増田智子です。

 STAP細胞に関する報道が最高潮に達しています。メルマガでおなじみの宮田満・特命編集委員が12日朝のフジテレビの番組でコメントをすることになり、編集部はやや騒然とし、私は録画で見ました。コメントの内容は、既にメルマガで述べられてきたものと同じでしたが、「日経バイオテク」という雑誌名がTVには出なくて残念でした。何らかのきっかけで購読者が増えてくれればいいのに、という願望がやはりあります。

 さて、STAPのニュースは日経バイオテクオンラインで数多く掲載されているので、ここではゲノム関連の話題を取り上げます。先週、米Broad Instituteと米Appistry社のチームが来日し、次世代シーケンサーのデータ解析ソフトに関する説明会を開催しました。シーティーシー・ラボラトリーシステムズ(社名変更により4月からはCTCライフサイエンス)が日本の総代理店としてサポートなどを実施するようになったことによるものです。

 Broad Instituteは、次世代シーケンサーが作り出す大量のゲノムデータ処理用に、ゲノム解析ツールキットである「GATK」を2009年に発表し、無償で配布していました。1000ゲノムプロジェクトやがんゲノムアトラスでも使用された実績のあるソフトです。バージョンアップを繰り返し、次世代シーケンサーの機種ごとにデータの品質を補正したり、SNPや挿入・欠失変異の補正を適用した上で、変異を探索したり、プロファイリングが実施できるようにしています。

 ユーザー数の増加に加え、学術機関として研究に集中したいという希望もあり、同研究所は2012年10月にAppistry社と契約し、企業ユーザー向けの有償ライセンスとサポートは同社を通じて提供することにしました。アカデミックユーザーに対する無償提供は継続されています。

 Appistry社については、クリニカルシーケンス用のバイオインフォマティクス・システムを提供する企業として昨年から注目していました。日経バイオテクオンラインでも、

米Appistry社、米N-of-One社、医療機関向けのゲノムシーケンス
分析サービスを共同で提供
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140221/174302/

米Appistry社、NIH UDPと協力し、遺伝子分析パイプラインを開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140127/173536/

米Appistry社、NGSのがんゲノムデータ分析のための統合的なツールを発売
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130727/169844/

 などのニュースを配信済みです。3個目のニュースに出てくる「Cancer Genome Analysis Suite(CGA Suit)」は、GATKに体細胞変異を解析できる3つのツールを加えたパッケージで、がんクリニカルシーケンスを見据えて開発されたもの。これについてもCTCがサポートを開始するとのことです。今後の展開も注視していきます。

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                      日経バイオテク 増田智子