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週刊新潮のSTAP細胞特集が秀逸です【日経バイオテクONLINE Vol.2017】

(2014.02.28 18:00)
河野修己

 こんにちは。隔週で金曜日を担当する日経バイオテク副編集長の河野修己です。

 1月30日のNature誌への論文掲載以来、大フィーバーを起こしたSTAP細胞。本誌でも集中的に記事を掲載しました。

Wmの憂鬱、Nature誌にも責任があるSTAP細胞騒動、
解決には第三者の追試不可欠【日経バイオテクONLINE Vol.2012】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140220/174296/

Wmの憂鬱、STAPとiPS細胞に生じた不幸な3つの誤解
【日経バイオテクONLINE Vol.2010】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140217/174224/

Wmの憂鬱、また、日本の若者が初期化技術で技術突破
【日経バイオテクONLINE Vol.2004】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140206/173910/

下村・文科大臣、STAP細胞を
「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」で支援へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140131/173687/

Wmの憂鬱、STAP細胞とMuse細胞の違いは何か?
【日経バイオテクONLINE Vol.2000】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140130/173630/

理研CDBと米Harvard大が胎盤にも分化する
STAP細胞の成果をNature誌で発表、酸性溶液で体細胞を初期化
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20140129/173599/

 専門誌であるからには他誌に見劣りするわけにはいかないとのつもりだったのですが、敵は意外なところにいました。昨日発売された週間新潮3月6日号の特集、「『小保方博士』が着せられた『灰色割烹着』」。これを読み、唸るしかありませんでした。
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/

 小保方博士の論文に掲載された写真の一部に不正疑惑が指摘されていること、外部の研究者はまだ誰もSTAP細胞を再現できていないことは、読者の皆さんもよくご存じのことと思います。

 この特集では、不正疑惑とは具体的には何かを解説していますが、素人にも分かるようにしかも専門情報のレベルを落とさず書かれています。これは簡単なようで、結構難しいテクニックです。

 記事中で、共著者である山梨大学の若山照彦教授は「論文のまとめに忙殺された彼女が取り違えてしまっただけです」と擁護していますが、「こんな重大な論文で採用する決定的な写真を取り違えるなど、通常なら起こり得ない事態です」(東京大学医科学研究所の上昌広特任教授)、「意図でないにせよ、お粗末だったと言わざるを得ません」(医学博士の丸山篤史氏)とのコメントには説得力があります。

 一般の読者の方でも、「若い女性が頑張ったんだから、細かいことに目くじらたてるなよ」と言える状況では無いことが理解できたでしょう。本来であれば本誌が掲載しなければならない記事を、一般週刊誌にやられてしまいました。

 記事の冒頭のリードには次のように書いてあります。「割烹着姿の異色キャラも相俟って、“リケジョの星”と持て囃された小保方晴子さん(30)に疑惑の目が向けられている。果たして『灰色割烹着』は白、黒どちらに染まるのか」。うまいなあ。今回のメルマガは反省の弁でした。