こんにちは。第2、第4金曜日を担当する日経バイオテク副編集長の河野修己です。首都圏はまたまた降雪になっているようですが、私は現在、沖縄県名護市で開催されている「日経アジア感染症会議」でスタッフとしての小間使いにいそしんでおります。沖縄は晴天であります。

 さて、日経バイオテク編集部が、久しぶりに単行本をプロデュースしました。「薬づくりの未来~危機を打破するR&Dモデル~」です。この本の原書は、Tamas BartfaiとGraham V Leesの共著である「The Future of Drug Discovery who decides which diseases to treat?」。同じ著者による「薬づくりの真実~臨床から投資まで~」の続編でもあります。

 「薬づくりの未来」は簡単に言えば、製薬業界における研究開発が危機に陥っているとの前提に立ち、あるべき研究開発戦略、危機への対応方針、課題の解決策について書いてあります。

 その書きっぷりは、なかなか刺激的でもあります。

「製薬会社に蔓延している病める現状をもたらしているのは、社会のニーズにあった薬を提供するという伝統的な姿勢を転換してしまったことだ。製薬会社は財務と株式市場の完全な支配下にある」(第0章)

「問題の根源は成功体験から抜けきれない『甘やかされた』株主たちの期待に、どう応えたらよいのか、経営者たちが右往左往していることにある。これらの株主たちは、過去40年間、2桁の成長と安定的に上昇する株価の恩恵になれていた。だが2008年以降、そうした成長も株価の上昇も起きなくなってしまった」(第1章)

「今日では多くの会社が同じ作用機序の5番目、6番目の薬を開発しようとしている。そこで目標となるのが、例えば2型糖尿病のように患者数が億単位で、これから数十年も増大が予想される疾患領域である。患者数がもっと少ない領域でファーストインクラスの薬を開発しようとするのではなく、利益が見込めるという観点からゾロ品を製造するという安易な道に走っている」(第4章)

「製薬会社は発展と成長を目指すために、薬の開発プロジェクトのモデルそのものを変えるのではなく、合併や買収そしてコストカットというビジネスモデルを選択している」(第6章)

 「薬づくりの未来」の発行は、3月中旬を予定しています。
日経BP書店
http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/book/future_mail.html
では既に予約受付を開始しています。
多くの業界関係者の方に読んでいただきたい1冊です。