こんにちは。第2、第4金曜日を担当する日経バイオテク副編集長の河野修己です。

 11月24日に大阪、12月1日に東京でバイオ株投資をテーマにした個人投資家向けセミナーを本誌の主催で開催しました。このセミナーは5月に第1回を開催、好評を得て今回は2カ所で開催した次第です。

 上場バイオベンチャーとしてアンジェスMG、キャンバス、メドレックス、UMNファーマの各社に講演していただき、バイオセクターのアナリストとして著名な池野智彦氏(エース経済研究所)、山崎清一氏(いちよし経済研究所)にもバイオ株投資の現状を解説していただきました。蛇足ながら私も、投資対象としてのバイオベンチャーの特徴などについて話す機会をいただきました。

 先日、今回のセミナーの聴講者のみなさんのアンケート結果が届いたので目を通してみたのですが、このセミナーを定期的に続けてほしいとの声が多いことにほっとする思いでした。

 元々本誌がこのセミナーを開始したのは、昨年秋からバイオ銘柄の株価が上昇する中で、個人投資家の皆さんは本当にバイオベンチャーの中味を理解し、適切な物差しをもって意志決定をしているのだろうかとの疑問があったからです。なんとなくブームになっているからというだけでの投資行動では、一時的にバイオセクターに資金が集まったとしても、いずれは資金は逃げていき状況はブーム前より悪化することになります。

 実際、2000年以降に起こった前回のバイオベンチャーブームでは、ブームの終焉と共に個人投資家がバイオ株に失望したため、新規上場時にバイオベンチャーがまともな評価を受けられないという事態となりました。そのため、上場時の株価が低下→ベンチャーキャピタルがリターンを期待できない→未上場企業が十分な資金調達ができない→多くのスタートアップが成長困難になるという負の連鎖が何年も続きました。

 今回のセミナーで個人投資家の皆さんと直接、話をする機会があったわけですが、業界関係者や機関投資家と個人投資家の間の理解度や情報量には、想像以上のギャップがあると感じました。アンケートでも、基本的な事項から説明してほしいとの要望が多かったのです。

 バイオベンチャーの場合、株価形成の主役は個人投資家です。個人投資家の理解が進むことで、成長性のある企業が株式市場でまっとうに評価してもらえる→上場前の投資がリターンを生む→上場前の資金調達が潤沢になる→多くのスタートアップに成長の機会が与えられる、という好循環を起こしたいと本誌は考えているのです。