バイオテクノロジーで、次の技術革新は何か? ここ数ヶ月、DNAシーケンサーの進展を報道してきましたが、これはもはや斬新的な技術革新に変貌しました。確実に時を経れば確実にコストが下がることは間違いありません。では、もっと破壊的なイノベーションは何なのか?私が確信しているのは、ここ10年間は脳科学と臓器発生(細胞社会学)、遺伝子編集技術、そして一細胞生物学(Single Cell Biology)です。中でも、一細胞生物学は、これからの生命科学を一新する技術基盤となるものです。50個の細胞群でもう機能の違う脳組織の機能解明や、iPS細胞から由来した細胞の品質管理、発生分化の謎、受精卵から発生した個体が実は細胞レベルではキメラではあること、そしてがん細胞の基本的な特徴である細胞の不安定性・多様性を解明できる可能性があるためです。わが国でも数人ですが、一細胞生物学で世界をリードする研究が始まっています。私の耳には、科学技術振興機構が来年度の大型プロジェクトとして一細胞生物学を取り上げるという噂も入って来ました。昨日、そのパイオニアである京都大学iPS細胞研究所山中研究室の渡辺亮特定拠点助教にインタビューしてきました。そこでは、常識を覆す発見が始まっていました。心からびっくり、一細胞生物学が私たちの生命像を変えることは間違いありません。

この記事は有料会員限定です

会員の方はこちら