原則として毎週金曜日に「日経バイオテク/機能性食品メール」をお届けしてお
ります日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長の河田孝雄です。

 まずはただいままとめた記事の意味づけからお伝えします。遺伝子の塩基配列を
人為的に操作しているけれども、セルフクローニングやナチュラルオカレンスに相
当する食品・食品添加物が、実用化されています。実用化の際に必要な手続きを、
簡素化する方向で議論が進んでいます。

 現在のところ、対象となる生物は、微生物だけですが、ゲノム編集技術などの
飛躍的な進歩により、農作物や魚、家畜などでも、セルフクローニングやナチュラ
ルオカレンスに相当する育種が可能になってきています。

 当たり前のことですが改めて考えてみると、すべての食品の原料は生き物です。
つまり、どの食品も、ゲノム編集技術が関わってきます。ゲノムの塩基配列を解読
するなどの検査をしても、自然突然変異や、従来から普及している変異育種などと
区別がつかない、という特徴があります。

 今年夏にCRISPR/Casシステムによるイネの育種の成果を中国の研究者が発表しま
して衝撃が走りました。日本の農林水産省系の研究機関が追試的な研究を進めてま
す。「拙速な議論を避けるためにも、先ずは、現状及び将来的な見通しについて十
分な情報収集をした上で、検討を始めるべき」と、厚生労働省の調査会は意見をま
とめましたが、実際は差し迫った課題では、と思います。

 なお、この厚労省の調査会の正式名称は、薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科
会 新開発食品調査部会 遺伝子組み換え食品等調査会 です。上から順に、審議
会、分科会、部会、調査会という名称です。長くて分かりにくいと感じるのは私だ
けでしょうか。

[2013-11-29]
組み換え食品等のセルフクローニングとナチュラルオカレンスの厚労省審査手続き
改正、食安委が12月2日の議題に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20131129/172616/?ST=ffood

[2013-11-22]
食安委、厚労省の組み換え食品安全性審査手続きの改正について
11月25日に審議開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20131122/172409/?ST=ffood

[2013-11-22]
【機能性食品 Vol.119】精密なゲノム編集でバイオ産業に新大陸、
食品安全委員会が11月25日に審議開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20131122/172411/?ST=ffood

 さて、今日は都内のホテルニューオータニで明日(11月30日)まで開催の第63回
日本アレルギー学会秋季学術大会を取材しておりまして、途中で午後3時(15時)
からは、東京メトロ茗荷谷が最寄駅である筑波大学で、筑波大学と日本バナナ輸入
組合が実施した「ハナナを食べると花粉症が改善される-バナナ摂食によるスギ花
粉症の予防効果に関する臨床試験を実施-」と題する研究成果発表会・記者説明会
を取材しました。

 第63回大会は、日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器科学分野教授の大久
保公裕さんが会長をおつとめです。参加者数はおよそ2800人と、事務局にうかがい
ました。明日(11月30日)16時半からは、舌下免疫療法講習会が大会会場で行われ
ます。農林水産省が研究を進めている「花粉症治療コメ」と関係が深い領域です。

○日本アレルギー学会ウェブサイト
http://www.jsaweb.jp/modules/news_topics/index.php?page=article&storyid=176

 一方、バナナの発表会は、筑波大学医学医療系教授(筑波大学附属病院日立社会
連携教育研究センター)の谷中昭典さんが、成果を説明しました。メディア関係者
45人が参加しました。谷中さんはこの成果を12月7日と8日に都内で開催される第11
回日本機能性食品医用学会総会で発表します。

 大会会長の大久保さんは本日14時から「アレルギー性鼻炎の臨床研究-Pathophy
siology and Immunology-」と題した会長講演を1時間行いました。

 大久保さんの会長講演も、谷中さんの発表も、最初に「COI開示」を説明しまし
た。「2年ほど前から開示している。今年からは厳しくなり、小さな発表会でも必
ず開示している」と谷中さんはお話しでした。

※今年秋以降のCOI関連の記事およびメール

[2013-10-16]
日本肥満学会、新理事長に春日雅人氏、倫理・COI委員会を新設
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20131016/171481/?ST=ffood

[2013-10-4]
【機能性食品 Vol.112】抗肥満ポリフェノール新素材が出そろう、日本肥満学会で
COI報告書の提出が必要に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20131004/171288/?ST=ffood

[2013-9-6]
仙台市で日本油化学会年会、東北バイオアレイが事業開始、2つのCOI
【日経バイオテクONLINE Vol.1928】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130906/170756/?ST=ffood

 今回の谷中さんの研究は、日本バナナ輸入組合からの受託研究として行ったもの
です。茨城県内の3カ所の医療機関に勤務する職員52人の協力を得て、2012年12月
から2013年4月にかけてバナナ摂食の臨床介入試験を実施しました。日本バナナ輸
入組合からの受託研究・共同研究で、およそ500万円かかったとのことです。

 今回の試験では、小ぶりの1本100gほどのバナナを1日2本食べてもらいました。
バナナは5本100円ほどで購入できますし、価格としても優等生と思います。日本が
輸入しているバナナは年およそ100万t。1kg100円で換算すると、年1000億円に相当
します。安定して供給される良質・安価な食材を、生活の質向上に役立るための研
究が推進されることを、強く望みます。ただいま記事とりまとめ中です。

 最後に、日経バイオテクONLINE機能性食品版の記事全文をお読みいただける有料
情報サービスについて説明させていだきます。

 月1000円(クレジット決済)で、月間100本まで記事をご覧いただけるというサー
ビスです。報道記事数は月間100本未満のことが多いのですが、アーカイブに格納し
ている10年以上前からの2000本以上の報道記事も、キーワード検索などで、ご覧い
ただけます。

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           日経BP社 医療局 先進技術情報部
           日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長 河田孝雄

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