弊社の技術情報系(コンピューター、機械、建設、医療分野)の雑誌・ONLINE、25媒体の記者200人が、「今年、社会にインパクトをもたらした技術」と「近い将来、社会に影響を及ぼすと予測できる技術」を選びました。この中から特に大きなインパクトを与えた技術を表彰すべく、選考作業が行われています。 http://itpro.nikkeibp.co.jp/technoimpacttrend/
現在、「今年、社会にインパクトをもたらした技術」が「テクノインパクトトレンド2013」としてWEB上に公開されていますが、医療・バイオ分野では「加齢黄斑変性に対するiPS細胞を用いた治療技術」「身体機能を改善するロボットスーツ」「がん検診での活用が期待される大腸カプセル内視鏡」などが大賞に向けてノミネートされています。 http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/report/t210/index.jsp
技術の革新度もさることながら、“インパクト”が重視される賞なので、まあ妥当なところでしょうか。
日経バイオテクの記者・OBが推薦しノミネートされたのは、 まず「エーザイがイソカイメン由来の化合物から開発した新規抗がん剤」 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t210/201310/533124.html これはエリブリンのことですが、「イソカイメン」が目を引いたのではないかと思われます。発売は2011年ですが、最近も様々な臨床試験の結果が発表されており、社会への影響は今年もということでしょう。
次に「体脂肪対策の特定保健用食品ヘルシアコーヒーの開発技術」 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t210/201310/533174.html 対象者が多いのでインパクトも大きいと思いますが、「体脂肪」という点がパソコン系や建設系の選考委員の共感を呼んだのでしょうか。
そして「バイオエネルギーの新機軸、藻から油を作る」 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t210/201311/533315.html さすがバイオテクOB、目の付け所が違うと言いたいところですが、仙台市南蒲生浄化センターと言えば地元ですよね?
ちなみに日経バイオテク編集部員が推薦したけれど落選したのは、「iPS細胞から作成した網膜色素上皮シート」「ニコンBioStationCT(顕微鏡付の細胞自動培養装置)」「抗うつ薬アリピプラゾール」などでした。ちょっとマニアック過ぎたようです。
もう1つの「近い将来、社会に影響を及ぼすと予測できる技術」には、 日経バイオテクから
・新規抗癌剤AF802(ALK阻害薬) ・ART-Ig:Asymmetric Re-engineering Technology-Immunoglobulin(バイスペシフィック抗体の技術) ・細胞内のヒストン修飾を可視化するmintbody技術 ・INTENDD技術(たんぱく質間相互作用を阻害する低分子化合物を人工的に設計する技術) ・ロタウイルスワクチンになるコメ(ウイルス抗体を産生する遺伝子組み換えイネ) ・ナノポアシーケンサー
を推薦していますが、これもまたマニアックな印象です。 結果はどうなるでしょうか。ノミネートはもうすぐWEB上で発表されます。
日経バイオテク編集長 関本克宏
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