こんにちは。1週おきにこのメールを担当しております、日経バイオテク記者の増田智子です。

 10月1日を迎え、今年度もあと半分となりました。日本ではTVドラマも上半期のものは終わり、牛乳やゴマ油などが値上げされたそうです。そして米国では、暫定予算が成立せず、政府機関の活動が最低限必要なものを除いて止まってしまいました。

 これは他国の事件なので、主には政府機関が止まるとどうなるのか、という好奇心でニュースをチェックしていました。国立公園に入れなかったり、リンカーンの彫像が見られないのは、旅行者にとっては残念ではありますが、命に関わる問題ではありません。

 しかし、米国立衛生研究所(NIH)、米食品医薬品局(FDA)、米疾病対策センター(CDC)の業務が止まるのは、バイオ産業および市民生活にとっては影響が大きいように思います。米保健福祉省は、現状での傘下の機関の活動について発表しています(http://www.hhs.gov/budget/fy2014/fy2014contingency_staffing_plan-rev2.pdf)。NIHは1万8646人中1万3698人が休暇を取ることになり、FDAは1万4779人中6620人が、CDCは1万2825人中8754人が休みに入っています。

 この状況下で、NIHが継続するのは、現在NIHの臨床センターで治療を受けている患者のケア、飼育している動物の世話、実施中のプロトコールに対する最小限の手当、それに施設の警備。研究予算の分配業務は止まってしまうようです。また、我々が日々お世話になっているPubMedは、最小限の人数で運営を維持するとのことです。CDCは、すでに予算が計上されているプログラム、例えば大統領緊急エイズ救済計画や児童に対するワクチン接種などは継続されるものの、感染症アウトブレイクの24時間体制の監視、それに必要な実験などは大幅に制限されます。間もなくインフルエンザの季節がやってくるというのに、これは不安なニュースと言えます。FDAは、ユーザーが対価を支払っているサービス(薬事承認に必要な審査など)については活動を限定して継続、健康上問題のある製品のリコールなどの消費者保護活動、調査、致命的な公衆衛生上の問題に限定して活動を続ける、とのことでした。

 英語のことわざでは、「悪いことは3つ同時に起きる(Bad things come in threes)」そうです。1つ1つなら対処できても、3つ同時に起きれば収拾がつかなくなる、という例として、東日本大震災が脳裏に浮かびます。米国の政府機関がフル活動していない中、新興感染症のアウトブレイクが生じたり、米国から世界中に輸出されている食品に汚染が見つかったりしたら、日本も影響を受けるかもしれません。他国の政治問題なので祈ることしかできませんが、早く正常に戻って欲しいと思います。

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                         日経バイオテク 増田智子