皆さん、お元気ですか。

 リーガエスパニョーラ第五節のラージョVSバルセロナの試合は4:0でバルセロナがスコア上では圧勝しておりますが、これはキーパーのビクトールバルテスが当たりに当たって無失点に抑えたため。そうでなければ4:3あるいは引き分けでも不思議ではない、好ゲームでした。メッシとネイマールが共にスタメン出場、あまりも早くて二人の間のパス交換が霞むほどの超絶技巧を楽しそうに決めており、そろそろこの二人の天才が噛み合い、バルサが次の次元に進みつつあることを強く感じました。このチームの創造性はまったく凄い。昨日完敗したマンチェスターユナイテッドはこの革新性についていくことは難しいのではないでしょうか。開幕戦から5試合ベンチを温めている香川選手をリスクを冒して使う勇気が新監督に求められています。

 皆さん、クリニカルバイオマーカーのセミナーは既にお申し込みいただきましたか?今回は数多あるバイオマーカーのセミナーとは一味違います。バイオマーカーに関しては、従来は残念ながら概論やテクノロジーばかりの話に終始せざるを得なかったのですが、今回のセミナーは実際の病院や診療所で治療法の選択の判断や病態の判断に役立つバイオマーカー、クリニカルバイオマーカーの実例に基づく各論で、皆さんと議論したいと考えています。今回取り上げるクリニカルバイオマーカーの成功例は、東京大学医学部辻教授が発見した神経難病のマーカー、コエンザイムQ合成酵素遺伝子変異とバイオバンクジャパンの成果である重症薬疹の副作用予測バイオマーカーです。これらのバイオマーカーが何故、成功したのか?微に入り細にわたり検証したいと考えています。加えて、こうしたクリニカルバイオマーカー誕生の背景となった、ゲノムコホート研究とシステム生物学研究の最先端の研究者を国内外から招聘、確実に新薬開発と個の医療に不可欠となったクリニカルバイオマーカー開発の最新動向を皆さんと共有したいと願っております。是非とも、本物のバイオマーカーを討議するセミナーにご参加願います。そろそろ席も埋まってまいりました。下記のサイトから詳細にアクセスの上、どうぞお早めにお申し込み願います。
http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/131002/index.html

 さてバイオです。

 米国国立衛生研究所(NIH)はアルツハイマー病撲滅に本気です。

2012年に続いて、4500万ドルの資金をアルツハイマー病の新薬の臨床試験と新しい治療標的の探索に投入することを決めました。
http://www.nih.gov/news/health/sep2013/nia-18.htm

 今回の資金投入の目玉は3つあります。

 第1は、まだシツコクシツコク、抗βアミロイド治療薬にこだわっております。しかし、対象患者はより早期の無症候性のアルツハイマーのリスクを持つ健常人に移行しています。今回、資金提供を受ける米国Washington大学(St.Louis)のグループは優性遺伝性のアルツハイマー遺伝子を持った健常人(早発性アルツハイマー病)を対象に、ガンテネルマブ(gantenerumab)とソラネズマブ(solanezumab)、それにまだ未定だが第3の抗βアミロイド薬を投与して、発症を遅らせるかどうかを検討いたします。4年間の臨床試験で、スイスRoche社、米Eli Lilly社も参加、また脳内のβアミロイド蓄積を検出するための画像診断薬を実用化した米Avid Radiopharmaceuticals社(Lilly社が完全買収)と認知機能をITで診断する技術を持つ米CogState社も参加するのも目を引きました。

 一方、米Banner Alzheimer's Instituteは、今回の3320万ドルの資金を得て、アルツハイマー病の最も信頼できる唯一のリスク因子であるApoE4ホモの健常人に対して、抗アミロイドβ薬の5年間の二重盲検臨床試験を行う予定です。脳脊髄液のバイオマーカー探索と脳のβアミロイドの画像診断を行います。βアミロイドがアルツハイマー病にどれだけ貢献するのか?確認することが主題です。2013年の投入資金の過半をNIHがこの研究に投入しました。本当にβアミロイド蓄積阻害やそのオリゴマーの形成阻害が、アルツハイマー病の治療に貢献できるか?切羽詰まった問題意識の現れです。

 第2の目玉は、昨年のインスリンに続いて、抗βアミロイド薬以外として、脳内で生合成される脳内ステロイド、アロプレグナノロン(allopregnanolone)を投与する前臨床試験とフェーズ1臨床試験にNIHが資金を投入したことです。動物実験ではアルツハイマー病のモデル動物で認知機能の改善が示されています。やや袋小路に入った抗βアミロイド療法だけでなく、認知機能そのものを改善する治療薬の開発は急務であります。今後、この研究を推進する米Southern California大学の成果に注目しなくてはなりません。NIHはこの研究を240万ドル初年度に一括支援いたします。

 第3の目玉は、もう一度基礎にかえって、アルツハイマー病の新しい治療標的を研究使用という流れです。米Harvard大学・米Rush大らのグループに対して初年度170万ドル、5年間で790万ドルの資金を提供、1000人のボランティア(Rush Memory and Aging Projectなどから)を対象に、ゲノムやマルチオミックスデータを蓄積、認知機能に拘わる分子ネットワークを解明する研究を行います。同様な研究を行う米Mount Sinai医科大学に対しても初年度160万ドル、5年間で合計820万ドル投入いたします。また、米Florida大学のグループは初年度160万ドル、5年間770万ドルを得て、アルツハイマー病に関係する自然免疫系を解明する研究を着手します。自然免疫系はわが国の研究も進んでおり、是非とも世界最速で高齢化が進むわが国でもこうした研究にもっと注目すべきであると考えます。

 今度できる日本版NIHもこれぐらい先見性とリーダシップがあると、本当に助かるのですが。。。。

 皆さん、どうぞお元気で。

             日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満

ご連絡は、https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/