(編集部注)この記事は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によるアグリバイオ最新情報【2013年8月31日】の日本語訳を掲載したものです。

世界

610の科学論文で遺伝子組み換え作物由来食品と飼料の安全性が確認された

 ChileBioは、遺伝子組み換え作物由来の食品の安全性を評価した科学論文のリストを発表した。この記事の執筆時点で査読誌に発表された610論文があった。遺伝子組み換え作物を規制する国で必要とされる試験結果と発表された論文の解析によると、世界の科学界が遺伝子組み換え作物由来の食品は、ヒトおよび動物が消費しても安全であるとの証拠として使えることを示している。

http://chilebio.cl/documentos/Publicaciones.pdf
にあるリストは、科学論文データーベースであるPubMed に収載されているものである。

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植物が旱魃、洪水や他のストレスに耐えるのを助けるタンパク質が発見された

 ダートマス大学、アバディーン大学、ローザンヌ大学の共同研究チームは、作物の質やバイオ燃料生産に重要な役割を果たす、水と栄養分を根から吸収する際に大きな役割を果たすタンパク質を発見した。

 研究の結果、ESB1というタンパク質を同定した。このタンパク質はカスパリンストリップ初期分化期のリグニン斑点の沈着、およびこの斑点群が融合してカスパリンストリップが成熟するにつれてリグニンの連続帯ができあがるのに関与するものである。カスパリンストリップは細胞の障壁で、植物が塩害、旱魃、洪水のような障害に耐性を持たせるように働いている。

 植物は、多様な細胞型にリグニン沈着を利用して様々な環境ストレスに応答している。リグニン沈着をより深く理解することでリグニンの量を調節する事ができるようになり、作物及びバイオ燃料生産を向上できるようになると期待される。

 この研究チームの結果は今週のPNASに収載されていて、以下のサイトで見ることができる。
http://www.pnas.org/content/early/2013/08/09/1308412110
(DOI:10.1073/pnas.1308412110)

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ISAAAはトウモロコシ耐乾性特集を発行

 ISAAAは、「トウモロコシの干魃耐性に関する進展――最新版」を発行した。これは、今後このような品種なしではどうにもならないとの世界的な重要性に焦点を当てた特集号である。著者のDr. Greg O. Edmeades博士は、もともとISAAA概要44号にトウモロコシの旱魃耐性に関する従来法及び組み換え法の両者、また民間及び公共分野での状況に焦点を当てて、近未来、中長期展望について収載しているが、これを世界的展望として書き換えたものが、本書である。

 水が不足することで、水の根本的な作物生産における役割が果たせなくなる事を考えると、干魃耐性や効率的な水利用に将来の作物を開発する上で最も高い優先順位を割り当てる必要性を強調したことが特に重要である。トウモロコシの旱魃耐性を遺伝子組み換えで作出することは、遺伝子組み換え作物の商業栽培の第2次10年度の最重要形質と見なされる。その理由は、これが世界の作物増産における最重要な1つのものであるからである。

 「旱魃耐性トウモロコシは、サハラ以南のアフリカで特に重要なものと見なしている。その理由は、トウモロコシの収量アップが人道的見地から急務である。その理由は、ここでは300万人以上が主食としており、これらの人々がかなりの割合で、飢餓と栄養失調に苦しんでいるからである。」と、ISAAAの理事長のDr. Clive James博士が指摘している。

 特に、特集記事は、旱魃がトウモロコシの生産と生産収量を不安定にしており、特にサハラ以南のアフリカでは、灌漑も人的コストのため現実的でないことを取り上げている。この特集記事は、ISAAA Brief 44.:遺伝子組み換え作物の栽培動向2012から予測されることと全く一致し、その記事からも支持されるものである。

 詳細は、knowledge.center@isaaa.orgから、さらに以下のサイトから無料でダウンロードできる。
http://www.isaaa.org/resources/publications/briefs/44/specialfeature/Progress%20in%20Achieving%20and%20Delivering%20Drought%20Tolerance%20in%20Maize.pdf

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アフリカ

ビタミンA強化キャッサバをナイジェリアで開始

 ビタミンA強化キャッサバ生産は、正式に連邦政府の農業変革アジェンダの下で7月31日にナイジェリアで開始された。農業大臣Akin Adesina博士と保健省からの代表者の主導のもとに2000人以上の農家やその他の農業、栄養と開発関係者が参加で行われた。3種のキャッサバ品種が、国際熱帯農業研究所(IITA)とナイジェリア国立根作物研究所(NRCRI)との共同でHarvestPlusプログラムの下で行われた研究の成果だった。

 HarvestPlusナイジェリアカントリーマネージャーPaul Ilona氏が打ち上げたもので、彼は、また以下のように述べた。「国家的打ち上げは、バイオで強化した主食作物、例えばビタミンA強化キャッサバは、これからのナイジェリアでの栄養課題と公衆衛生改善を行う重要戦略を構成することになる」

 今後5年間は、HarvestPlusは、政府、農家や民間部門とともにナイジェリアでのビタミンA強化キャッサバの普及を拡大することになる。目標は2018年までに1000万人のナイジェリア国民がこのビタミンA強化キャッサバを生育し、消費するようにする事である。

 詳細は、HarvestPlusニュースリリースが以下のサイトにあるのでご覧ください。
http://www.harvestplus.org/content/vitamin-cassava-dissemination-officially-launched-nigeria

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南北アメリカ

アルゼンチンの科学者がウイルス耐性遺伝子組み換えポテトを開発

 アルゼンチンの科学者たちは、20〜80%収穫量を減少させるジャガイモウイルスY(PVY)耐性ジャガイモを開発した。このチームは、遺伝子工学と分子生物学研究所(INGEBI、CONICET-UBA)のアルゼンチン国立研究評議会(CONICET)のFernando Bravo Almonacid氏が主導している。

 6年間、研究者は、コルドバ、メンドーサ、ブエノスアイレス州から選んだ2つの異なる系統から得た2000品種を試験した。感染率は、非遺伝子組み換えが60%から80%であったが、一方、遺伝子組み換え体は、全く感染していなかったことが示された。

 この研究はアルゼンチンの農業・畜産・水産省の下で行われた。

 詳細は、ニュースリリースがスペイン語で以下の Agro-Bioのサイトにある。
http://www.agrobio.org/fend/index.php?op=YXA9I2NIVmliR2xqWVdOcGIyND0maW09I05UQT0maT0jTmpNMw

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よりおいしい且つ耐病性トマトにつながる新研究

 Purdue Universityで行われた研究は、トマトの味などの特性を決定する化合物の生産量を制御できるように遺伝子工学で改変できることを示した。研究者は、モノテルペンを大量に生産することを目標に果実の味と花の香りに関与する揮発性化合物であるテルペン類を研究していた。モノテルペンは、果実の味と花の香りを決定するとともに受粉を行う虫類の誘引と害虫を撃退するか害虫から身を守る役割を果たしている。

 Purdue University生化学のNatalia Dudareva教授は、「この研究が最終的に様々の用途、たとえば市場での新鮮なトマト風味、害虫や病気に対する抵抗性の改善、特定の風味や、香り、医薬品の生産にも繋がる」と述べた。

 詳しい研究内容やニュースリリースは、以下のサイトにある。
http://www.purdue.edu/newsroom/releases/2013/Q3/research-could-lead-to-better-tasting-tomatoes,-other-benefits.html

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米国農務省:遺伝子組み換え作物がケニアの飢饉を軽減できると述べた

 米国農務省の科学者Zhulieta Willbrand氏は、ケニアにおける遺伝子組み換え食品についてその消費に関する安全性を述べ、その後押しを改めて進めた。彼女は、それらを正しく処理すれば全く害を及ぼさないが、その加工段階での管理が不適切なら、害がでると述べた。

 Willbrand氏は、「これらの製品は、すでにかなりの期間及び量が消費されてきたが、これらの改変製品を消費することで人及び動物に害を及ぼしたものはない」と述べた。更に、規制でその技術が適切に使用されていることを確認することが必要とされていることを追加し、十分な研究を行うために、そのような能力をケニア農業研究所などの機関に構築することが必要であると追加した。

 詳細は、以下のサイトにある。
http://www.capitalfm.co.ke/business/2013/08/gmos-can-help-kenya-alleviate-hunger-expert/

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米国動植物検疫局(The US Animal and Plant Health Inspection Service 、APHIS)は、 FG72ダイズ品種について規制が必要ないと決定

 米国の動植物検疫局(APHIS)は最近BCSFG72ダイズ品種の病虫害リスク評価の実施と見直しを行った。Bayer CropScience社の遺伝子組み換えダイズFG72ダイズ品種(Glycine max cultivar Jack)は、二つの除草剤耐性を付与するタンパク質、即ちトウモロコシ(Zea mays)からの2mEPSPSとPseudomonas fluorescens (strain A32)からの4 - ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を発現している。2mEPSPS and HPPDタンパク質は、ダイズで発現し、それぞれ、除草剤グリホサートとイソキサフルトール(IFT)に対する耐性を付与する。

 APHISによると、BCSFG72ダイズ品種は、作物への病虫害リスクをもたらすことは考えられない。これは、次の特性が存在しないためである。即ち、挿入遺伝物質からの作物病虫害リスク、BCSFG72ダイズ品種の雑草性、圃場内での非定型病虫害応答、農業生態系での非ターゲットや有益な生物への有害な影響、水平遺伝子伝達の特性がない。

 原報告は、以下のサイトにある。
http://www.aphis.usda.gov/brs/aphisdocs/09_32801p_fpra.pdf

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アジア・太平洋

バイオテクノロジー国際競争力に関するアジア食糧と農業関連産業会議

 アジア食糧と農業関連産業会議が台北市で2013年7月15-18日、に開催された。「バイオテクノロジーと国際競争力」のテーマの下、アジア・太平洋の国々から、政府関係者、大学教授、科学者、民間企業など約100人の主要な関係者を集めて行われ、インド、インドネシア、イラン、マレーシア、モンゴル、ネパール、フィリピン、スリランカ、台湾、タイ、ベトナムからの参加があった。会議では、バイオテクノロジーの世界動向、持続可能な事業のための農業バイオテクノロジーに根ざす中小企業のリスク管理、農業バイオテクノロジーへの投資、農業バイオテクノロジー、国際競争力などのトピックスに取り組んだ。

 ISAAA副理事長のPaul S. Teng博士は、農業の競争力を高め、食糧安全保障を確保するためのバイオテクノロジーの重要性を論じ、ISAAA SEAsiaセンター長・グローバル•コーディネータRandy A. Hautea博士は、遺伝子組み換え作物の世界の動向、バイオテクノロジーとグリーン食品生産の分析を提示し、SEARCAバイオテクノロジー情報センターのネットワーク管理者・特別プロジェクトコーディネーターJenny A. Panopio氏は、SEARCAのBICでのリスク管理におけるコミュニケーションの役割について論じた。

 会議は、アジア生産性機構(APO)、農業評議会、中国生産性本部、アジア太平洋地域食品および肥料技術センターが主催し、アジア太平洋農業研究機関協会、クロップライフ•アジア、農民のための研修機構とISAAAの協力で行われた。

 会議の詳細については、SEARCA-BIC のMs. Jenny Panopio (jap@agri.searca.org. )と連絡を取って下さい。

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食料安全保障のための新しいパラダイム

 食料安全保障について堅牢性の高いレベルを達成することは、現在及び将来の人々へのより安定した、しかも持続可能な食料供給を保証することになる。各国政府は、食料安全保障システムの堅牢性を目指すべきである。 そのために必要なものとして、シンガポールのNanyang Technological UniversityのPaul Teng博士と Maria Morales博士は、以下の3つの政策提言をまとめた。

・より良い政策介入のための関係者間での対話と協議
・農業のR&D、基本的なインフラ整備と介入のための官民パートナーシップ促進
・食糧安全保障の堅牢性の達成に包括的なアプローチと焦点を絞った調整を組み込むため既存の政策を改善

 詳細は、NTS Policy Briefに収載の「食料保証のための新パラダイム:堅牢性を目指して」を読んで下さい。
また、PDFで以下のサイトからダウンロードできる。
http://www.isaaa.org/kc/cropbiotechupdate/files/documents/RSIS Policy Brief Food Security Robustness.pdf

http://www.isaaa.org/kc/cropbiotechupdate/files/documents/RSIS Policy Brief AEC Food Security.pdf

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サウジアラビアとオーストラリアが耐塩性作物を共同開発する

 The King Abdullah University of Science and Technology(KAUST)とオーストラリアのthe University of Adelaideの植物ゲノム機能研究センター(ACPFG)は、サウジアラビア王国とオーストラリアの小麦と大麦の生産者のために、これらの耐塩性品種を共同開発するための覚書(MOU)に署名した。

 パートナーシップによって、塩水条件で成長することができる作物の開発を容易にし、2つの組織の間での物質、技術、資源の移転を可能にするものである。プロジェクトはまた、学生交流や共同博士課程のプロジェクトを提供する。共同事業の一部にはACPFGとKAUSTは、耐塩性に重要な役割をする遺伝子の同定するために実験室およびフィールド試験を相互に再試験するようにした。KAUSTバイオサイエンス担当のMark Tester教授は、「KAUSTとACPFGは、どちらも耐塩性向上に関する豊富な資源があり、その理解と関心を持っている。この国際的な合意は、サウジアラビア王国とオーストラリアの両方で農業の利益のために貴重な機会を提供することになる」と述べた。

 詳しい情報は、以下のサイトにある KAUSTのニュースリリースをご覧下さい。
http://www.kaust.edu.sa/media/pressreleases/mou2013.html

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スタック(異なる形質を積み重ねた)遺伝子組み換えトウモロコシ品種を日本が輸入承認

 技術の所有者であるSyngenta社のニュースリリースによると、日本政府は、スタック遺伝子組み換えトウモロコシ品種:Agrisure Duracade 5122 と 5222のハイブリッドトウモロコシの日本国内での食品・飼料用利用のための米国からの輸入を承認した。2種の遺伝子組み換えトウモロコシ品種には、根切り虫を制御する次世代トウモロコシ制御形質Agrisure Duracadeが含まれている。

 AGRISURE Duracade品種は、食品医薬品局(FDA)の協議プロセスを完了し、環境保護庁(EPA)からの登録を受け、完全に米国農務省によって規制解除されたものである。 AGRISURE Duracade品種は、オーストラリア、日本、ニュージーランド、台湾で輸入承認を受け、カナダでは栽培承認を受けている。

 この記事に関する内容は、以下のサイトにある。
http://www.syngenta-us.com/news_releases/news.aspx?id=176792

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インドでNorman Borlaug 博士像を除幕

 インドの連合大臣Sharad Pawar氏が、ニューデリーにある国立農業科学センターコンプレックスに建立したNorman E. Borlaug博士像の除幕を行った。これは、インド共同農業研究評議会(ICAR)、CIMMYTとBorlaugグローバルさび病機構が共同主催したインドへNorman E. Borlaug博士による高収量小麦品種導入50周年を記念した行事であった。

 Norman Borlaug 博士像除幕集会に集まった人々に、Pawar氏は、インドにおける小麦生産へのNorman Borlaug 博士の貢献を顕彰講演した。また、どのようにしてNorman Borlaug 博士が世界の食糧需要を満たすためにチャレンジと複雑な課題に対処したかを説明し、如何にその生涯を農業に捧げたかを話した。また、彼は、貧困層のニーズを満たすためにNorman Borlaug 博士によって開始された仕事を完遂する事の必要性を強調した。

 BGRI の理事長でNorman Borlaug 博士の娘であるJeanie Laube-Borlaug氏、TAAS 理事長のR.S. Paroda博士、NAAS会長のR.B Singh 博士、Borlaug博士と最も関係の深い共同研究者のSanjay Rajaram博士がこの機会に貴重な講演を行った。

 大臣の挨拶、Norman Borlaug 博士像除幕式プレスリリースは以下のサイトにある。
http://www.icar.org.in/en/node/6506

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試験圃場での破壊活動にかかわらずゴールデンライスの研究を継続

 国際稲研究所(IRRI)とフィリピン稲研究所(PhilRice)の重要人物がCamarines Surにあるゴールデンライス試験圃場での破壊活動現場を訪れ、そこに植えられた稲が根こそぎされていることを検証し、現地の主要職員の意見を聞いた。彼らはまた、農業(DA)の部門の地元関係者からの説明会に出席した。そこで、彼ら研究チーム全員が、ゴールデンライスプロジェクトを完了することを楽しみにしていたことを確かめた。破壊活動が行われた朝には、DA長官Proceso Alcala氏が、研究が完了するまで継続すべきであることを全国ネットのテレビで述べた。

 IRRIの所長代理で広報及び共同研究担当のBruce Tolentino氏は、ゴールデンライスの研究は、研究所の人道的活動の一環で、ビタミンA不足が、主に女性と子どもに影響を及ぼし、病気、失明、さらには死を引き起こすことを減少するためのものであると述べた。フィリピンでは、ビタミンA欠乏症は、約170万人の6カ月から5歳の子供の15.2%に影響を与えている。また、慢性ビタミン欠乏症に妊婦の10人に1人が罹っている。

 ゴールデンライス圃場試験をPhilRiceとIRRIがフィリピンで行っている。圃場試験は、ヒトの健康や環境への重大なリスクをもたらさないことを確立した後、DA-BPI、作物バイオテクノロジーの研究・開発のためのフィリピン規制当局によって許可されている。

 IRRIのニュースリリースは、以下のサイトにある。
http://www.irri.org/index.php?option=com_k2&view=item&id=12638:malnutrition-fight-not-over-golden-rice-research-continues&lang=en

 これに関連して Wayne Parrot博士がフィリピンにおける無意味で無責任なゴールデンライスの圃場試験の破壊活動を非難する嘆願書を書き上げた。その内容を読み、以下のサイトに署名をお願いしたい。
http://chn.ge/143PyHo

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元反遺伝子組み換え活動家が遺伝子組み換え作物を推進; 遺伝子組み換え作物の科学的信頼性にハイライト

 元反遺伝子組み換え活動家で有名な英国の作家・環境運動家のMark Lynas氏は、2013年8月23日フィリピン、マカティ市のDusit Hotelで開催されたメディア会議で食料安全保障の課題に対処する上での遺伝子組み換え作物の重要性を強調した。Lynas氏による遺伝子組み換え作物の研究・開発の重要性を擁護して、フィリピン科学技術アカデミー(NAST)の前会長Emil Javier博士は、同様に遺伝子組み換え作物の研究・開発は、世界的な競争力の面でフィリピンに大きな価値があると強調した。

 Lynas氏によれば、人口の増加による食糧需要に対処し、生活環境を保護するためにも、同じ面積の土地のからより多くの食物を生産する必要があるとした。彼は、遺伝子組み換え作物についてみると、その査読された論文や科学誌が、単なる主張記載よりも高い評価をすべきで、これが科学的な信頼性を示す重要なことであると強調した。Lynas氏は、このような遺伝子組み換え作物に関する見解の変化は、彼の気候変動研究の一環として、バイオテクノロジーを勉強したときに得られたことであると述べた。彼は2013年1月にオックスフォード農業会議での講演中にもこの考え方の変化の経緯を述べている。

 「私は、数年間にわたり遺伝子組み換え作物を引き裂くように痛打したことをお詫びする。また、1990年代半ばに反遺伝子組み換え作物運動の開始を支援したことにもお詫びします。また、環境保全にも役に立つ重要な技術を悪魔化したことにもお詫びします」とも彼は言った。

 Lynas氏は、英国出身、気候変動やバイオテクノロジーなど、地球規模の問題に取り組んだベストセラーを執筆している。彼の本、「シックスディグリーズ:熱い地球上での私たちの未来」は、ナショナルジオグラフィックチャンネルで紹介されている。

 メディア会議の詳細は、SEARCA-BIC (jap@agri.searca.org)のJenny Panopio氏に問い合わせください。

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ヨーロッパ

調査によると遺伝子組み換え農業に向けてドイツの世論に変化

 市場調査機関DIMAPの調査によると、ドイツの若い世代は、一般集団よりも遺伝子組み換え農業に対してより偏見がなかった。調査では、18〜29歳の人々は他の年齢層よりも遺伝子組み換え農業に対してよりリベラルであることが示された。

 農業におけるバイオテクノロジーの面では一般集団に比べて若い人からより多くの前向きなフィードバックがあった。若者の間で、33%が農業で遺伝子工学を用いることに賛成であることに対して、65%が反対していた。しかし、世界的な農作物の面積の10%ですでに遺伝子組み換え作物が植えられていることを学んでからは、農民が遺伝子組み換え作物を栽培するかどうかの自由選択権を持つことの是非を問うと、若者の54%が農民に選択権があるとした。約46%の若者は反対だったが、一般の集団は、反対が62%だった。

 詳しい情報は、以下のサイトにあるUSDA FAS GAIN Report をご覧ください。
http://gain.fas.usda.gov/Recent%20GAIN%20Publications/Survey%20indicates%20change%20in%20public%20opinion%20_Berlin_Germany_8-1-2013.pdf

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スペインの遺伝子組み換えトウモロコシの栽培面積は20%増加

 スペインでは、138543.05ヘクタールに遺伝子組み換えトウモロコシが植えられた。特にモンサントのMon 810が栽培され、2012年からほぼ20%増となった。スペインの総トウモロコシ面積のほぼ3分の1が害虫抵抗性品種だった。

 スペインでは遺伝子組み換え作物の作付けの増加があるが、モンサント社は、EUの否定的な遺伝子組み換え作物に対する姿勢のため、新しい遺伝子組み換え作物の栽培承認の申請はしないこととしたとのべた。会社説明では、「EUは、現在従来の種子市場が効果的に動いているので、我々はヨーロッパでは遺伝子組み換え作物栽培を徐々に減少させる」と述べている。

 この報告は、以下のサイトにある。
http://www.fwi.co.uk/articles/16/08/2013/140574/spanish-gm-maize-area-increases-by-20.htm

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文献備忘録

遺伝子組み換えクイズ箱(子供だけのものではない)

 ISAAAは、遺伝子組み換えクイズ箱(子供だけのものではない):バイオテクノロジーの小冊子の新版を発刊した。出版物は漫画で些細なことやパズルを通して遺伝子組み換えを表して、一般大衆によく知ってもらうように企画したものである。それはまた、より多くの遺伝子組み換えの情報をオンラインで知ってもらえるようにURLとQRコードがつけられている。

 本書は、以下のサイトからダウンロードできる。
http://www.isaaa.org/resources/publications/biotech_squizbox/2013/download/default.asp

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遺伝子組み換え作物年次報告最新版

 ISAAAは、バイオテクノロジー作物の年次報告最新版を発行した。シリーズは5種の遺伝子組み換え作物、即ちダイズ、トウモロコシ、ワタ、ナタネとアルファルファについて短くまとめたものである。このシリーズに含まれる情報は、遺伝子組み換え作物の導入に関するデータ、導入国、品種、および各遺伝子組み換え作物の利点についてのものである。内容はすべてClive James 博士執筆のISAAA brief44:遺伝子組み換え作物商業化に関する世界動向2012に基づいている。

 本書は、以下のサイトから無料でダウンロードできる。
http://www.isaaa.org/resources/publications/biotech_crop_annual_update/default.asp