こんにちは。毎月第1金曜日と第3金曜日、第5金曜日の日経バイオテクONLINEメールの編集部原稿を担当しております日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長の河田孝雄です。

 昨日と一昨日は仙台市に滞在し、東北大学川内キャンパスで開かれた日本油化学会第52回年会も取材しました。実行委員長は、東北大学大学院農学研究科の宮澤陽夫教授がおつとめになり、550人ぐらいが集まったようです。いましがた1つ記事まとめました。

[2013-9-6]
東北大の宮澤教授らと青葉化成、
ゼラチンとトランスグルタミナーゼで徐放性粉末魚油
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130906/170736/

 宮澤教授は、今春の日本農芸化学会2013年度大会の実行委員長も務めました。上の記事でも少し触れましたが、宮澤教授は2013年4月からは東北大学の未来科学技術共同研究センター(NICHe)を兼任して「戦略的食品バイオ未来技術の構築」という新たな研究プロジェクトを開始しました。

 同センターの定年の70歳まで6年余り。宮澤教授は、研究などを通じてお世話になった企業が200社ほどあることを、今回の実行委員長講演の質疑応答でお話しでした。200社というのはすごい実績ですよね。このほど立ち上がった産学連携プロジェクトの取り組みも楽しみです。

[2013-4-23]
日経バイオテク4月22日号「特集」、来年90周年の日本農芸化学会
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130423/167582/

 今週の火曜日には、北海道大学で「フード&メディカルイノベーション国際拠点」のインターナショナル「食と健康」シンポジウム「フード&メディカルイノベーション創出に向けて」が開かれ、世界で最も付加価値が高い農業・食品産業を実現しているオランダのフードバレーの取り組みなどの発表がありました。

 北大のフード&メディカルイノベーション国際拠点は2013年3月に、文部科学省の「地域資源等を活用した産学連携による国際科学イノベーション拠点整備事業」に採択されました。

○文科省HP
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/03/1331514.htm

 科学技術振興機構(JST)が8月12日に応募を締め切ったセンターオブイノベーション(COI)プログラムの拠点に採択されれば、年間最大10億円、最長9年度の支援を得ることができるようです。

 オールジャパン体制で取り組みますので、東北大の宮澤教授も北大の拠点に協力することになりそうです。宮澤教授は小樽市のご出身です。

○JSTのHP
http://www.jst.go.jp/coi/

 COIは、センターオブイノベーションの頭文字です。利益相反を意味するCOI(Conflict of Interest)と同じ略記ですね。

 宮澤教授の研究成果としては、国際特許も有する過酸化生体脂質の分析技術が中心にあります。今回の油化学会でもこの分析技術を用いた共同研究の成果などが多数発表されました。2010年の安藤百福賞の優秀賞の受賞理由などを以下に転記します。

[2010-1-12]
第14回安藤百福賞、2年ぶり5回目の大賞はオレキシンの桜井武・金沢大教授
に1000万円、優秀賞は宮澤陽夫・東北大教授らに200万円
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/oc/2006/7927/

安藤百福賞 「優秀賞」
○宮澤陽夫 東北大学大学院 農学研究科 教授
【業績】生体脂質の過酸化と抗酸化に関する研究
 血液などに含まれる生体内脂質の酸化は、血管障害、糖尿病、認知症などの疾病との関連性がある。受賞者は、生体内の脂質過酸化を定量的に評価する方法論と装置を世界で初めて開発した。さらに、同手法を活用して、ビタミンやカテキン等食品成分の生体内脂質に対する抗酸化効果を明らかにした。受賞者の業績により、抗酸化食品あるいは食品抗酸化物質のヒト体内での効能を定量的に評価することが可能となり、世界的な技術開発への波及効果が期待される。

 なお、日本油化学会年会は昨年は、長崎県の佐世保市で国際会議として大規模で開かれました。バスで移動中に、ジャパネットたかたのビルが見えました。昨年の年会については、以下のメールをご覧いただければと思います。

[2012-10-5]
オレオサイエンスとグリーン、ライフ革新【日経バイオテクONLINE Vol.1793】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121005/163640/

 東北大では、ベンチャーの東北バイオアレイが事業を開始することも、最近記事で紹介しました。核酸クロマトは、カネカも事業化を進めています。日本が強みを発揮できる注目技術といえそうです。

[2013-8-28]
東北大発ベンチャーの東北バイオアレイが9月事業開始、
日本ガイシの特許技術で核酸クロマトストリップ生産
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130828/170580/

[2012-11-26]
カネカ、多項目同時検出の核酸クロマト型チップを事業化、
検査診断事業全体で10年後150億円へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121126/164660/

           日経BP社 医療局 先進技術情報部
           日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長 河田孝雄

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