(編集部注)この記事は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によるアグリバイオ最新情報【2013年5月31日】の日本語訳を掲載したものです。

世界

遺伝子組換えイネの世界的な価値

 アフリカイネセンター(AfricaRice)のMatty Demont 氏と共同研究者が、遺伝子組換えイネの及ぼす世界的な価値、農業者及び消費者への期待されるメリットについて議論した総説を発表した。彼らの研究に基づいて、遺伝子組換えイネは、その他の既に商業栽培されている遺伝子組換え作物と同じく農業者への利点があるばかりでなく、イネは多くの国の主食作物であるため、期待される消費者へのメリットの方がはるかに大きいと結論した。彼らは、遺伝子組換えイネは、年間640億米ドルに上ると推定している。これは一つの指標値であり、遺伝子組換えイネ品種は、将来的により多くなると予想される。従って、ここでの数字は、組換え作物への資金調達に当たって政策立案者の参考に供するものであり、世界での組換え作物の可能性を消費者によりよく知ってもらうためのものでもある。

詳細は、以下のサイトにある。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1871678413000563

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米国、オーストラリア、インドは、非生物的ストレス耐性穀類で協力

 米国国際開発庁(USAID)は、オーストラリアの植物ゲノム機能センター(ACPFG)及びVibha Agrotech Limitedと共同で、遺伝子組換で旱魃耐性や耐塩性のコムギとイネを開発することになった。ACPFGの遺伝子改良システム・技術とVibha社の評価・イネ品種改良能力は、遺伝子組換え製品の開発の促進を互いに補完するものである。

 Julie Howard博士(USAIDの食料安全保障局の主任研究員であり、農業研究と拡大教育の管理者への上級顧問である。)は、「我々は、少ない土地と少ない水でより多くの食糧を生産するために利用可能なすべての方策を使用する必要がある。USAIDは、重要な穀物生産作物を改良する新しい専門知識、資源と技術を活用して、これらの作物を栽培する小規模農家の役に立ち、気候変動に対応可能なこの共同研究を開始することに興奮を覚える」と意見を述べた。

詳細なニュースは、以下のサイトにある。
http://www.acpfg.com.au/uploads/documents/news/FINAL%20ACPFG_US_AUST_INDIA_PARTNERSHIPfinal.pdf

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Bill Gates氏:貧困と闘うために必須な農業に投資

 マイクロソフトの創設者で博愛主義者のBill Gates氏は、ワシントンDCでの国際農業と食料安全保障に関する会合で、農業への投資の成功が、世界の貧困への対抗策に必須であり、農業の効率化に勝る経済改善はないと付け加えた。この会合には、議員とそのスタッフ及び農業政策に重要な影響力をもつ人々が出席していた。

 この会合はまた、彼の財団、the Bill and Melinda Gates Foundation (BMGF)について、そしてイネ、トウモロコシ、そしてコムギのような世界の主要作物の研究を含む農業における財団の仕事について、Gates氏本人から話を聞く千載一遇のチャンスでもあった。 BMGFによって開始された農業プログラムは、主にアフリカのような発展途上地域の飢餓と貧困を緩和するための戦略に焦点を当てた、世界で最大かつ最も急速に成長している農業関連の最先端の取り組みの一つとなっている。

詳しい情報は、以下のサイトにある。
http://www.agweb.com/article/bill_gates_agricultural_productivity_is_key_to_reducing_world_poverty/

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アフリカ

ナイジェリア、ベニン、マリ、とガーナは、旱魃耐性トウモロコシを広める計画を立てた

 ナイジェリア、ベニン、マリとガーナの、アフリカにおける旱魃耐性トウモロコシプロジェクト(DTMA)参加の研究者、政策立案者、他の関係者は、2013年4月22日にIbadanにある国際熱帯農業研究所(IITA)に集まって年次レビューと次の計画に関する会議を行った。

 DTMAプロジェクトのコーディネーターであるDr. Tsedeke Abateが参加者に、このプロジェクトは、研究者がアフリカの供給者と政策立案者に研究の利点を示す機会を提供するものであることを関係者に再確認するように講演した。さらに彼は、「これは我々が政策立案者に正しい方向に向かっており、これまでとは全く違ったものである」と追加した。彼によると、アフリカで旱魃耐性トウモロコシの栽培を増やすことは必要な変革をもたらすものであり、この大陸で必須のトウモロコシ増産をもたらすものである。また更に、旱魃耐性トウモロコシの導入を促進することは、トウモロコシ生産に女性の参加とまた新しいパートナーを生み出すことにもなると指摘した。

 2007年に立ち上げたDTMAプロジェクトは、少ない降雨下でまともな収穫を提供することができない農業リスクに対する、保険ともいえる安全策を講ずるものである。

 より効果的に農家に利用できる品種を作るために、地域の種子会社の努力を補完する地域での種子生産の強化を提案した。 CIMMYT、IITA、サブサハラアフリカの13のアフリカ諸国の共同事業であるDTMAプロジェクトの第3段階は、2016年に終了する。

報告全文は、以下のサイトにある。
http://www.tribune.com.ng/news2013/index.php/en/component/k2/item/10136-nigeria-benin-mali-ghana-develop-plans-for-dissemination-of-drought-tolerant-maize

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エジプトで遺伝子組換えについて公開ディベート

 エジプトバイオテクノロジー情報センター(EBIC)主催の公開ワークショップが、「商業化されている遺伝子組換え作物の世界情勢:挑戦とチャンス」と題して、カイロ大学の農学部で2013年3月24日に行われた。これには様々な研究機関と大学の研究者、報道関係者、農業省と環境省からの政策立案者が参加した。

 農学部長Ahmed Sharaf博士がワークショップを主催した。彼の講演で農業生産性を高め、食糧安全保障を改善する現代のバイオテクノロジーの役割を強調した。彼は、また、エジプトは農業バイオテクノロジーに大きな関心を寄せており遺伝子工学研究センターの設立に反映されているとも述べた。

 参加者は、エジプトとアラブ諸国の研究機間、研究センター、大学間の協力や統合を促進し、支援する必要性を強調した。また、バイオテクノロジー分野に関心をもっている人々の情報ネットワークを構築することの重要性を指摘した。また、メディアと教育を通じて遺伝子組換え作物に関する国民の意識を強化する必要性も表明された。

詳細を知るには、EBICのDr. Naglaa Abdalla (naglaa_a@hotmail.com)にメールして下さい。

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南北アメリカ

農業生産者は、遺伝子組換え作物で競争力が増すと言っている

 South Twin Falls, Idaho で1970年来農業をやっているTom Billington氏は、農業生産者が生き残るには現代の農業技術を導入しなければならないと述べた。遺伝子組換え種子を使うことで競争力の厳しい業界で彼の農場を維持でき、かつ伸びることができたと述べた。

 Billington氏は、southern Idaho で遺伝子組換え作物を入れている多くの農業生産者の1人である。遺伝子組換え種子は高価であるが、収支がよい。そこでより多くの遺伝子組換え作物を栽培し、1シーズンでアルファルファ、トウモロコシを栽培している。しかも通常は5回の薬剤散布を1回または2回で済ませていると言っている。

 より詳しい情報は、以下のサイトにある。
http://magicvalley.com/news/local/farmers-say-gmos-give-them-competitive-edge/article_9a861630-d1fa-59c5-93c1-abb43be05517.html

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Mark Lynas氏が反遺伝子組換え生物陰謀説を排除する時がきたと呼びかけた

 環境保護及び反遺伝子組換え生物運動グループの元メンバーのMark Lynas氏がコーネル大学で、「反遺伝子組換え生物陰謀説を排除する時がきた」と題する講演を行った。セミナーは、農業と生命科学学部と持続可能な未来のためのAtkinsonセンターが共催する国際プログラムの後援で開催された。Mark Lynas氏は、以前熱心な環境保護と経験と今年1月に行った反遺伝子組換え生物運動を立ち上げた彼の役割についての公開謝罪に関して説明した。

 彼は陰のヒーローとしての科学者を賞賛し、バイオテクノロジー分野における科学的進歩が食糧自給と食料安全保障だけでなく、気候変動の影響の緩和に対する貢献を取り上げた。

この講演内容は、以下のサイトにある。
http://www.marklynas.org/2013/04/time-to-call-out-the-anti-gmo-conspiracy-theory/

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GMジャガイモの規制緩和をJ.R. SIMPLOT社が請願

 J.R. Simplot社は、Innateとして知られている遺伝子組換えジャガイモの規制を緩和するように米当局に請願書を提出した。このジャガイモ品種は、潜在的な発癌物質アクリルアミドの生産を減少させ、黒点を減らす用に遺伝的に育種されたものである。請願では、ジャガイモ害虫リスクをもたらすことがないので動物及び植物衛生検査サービス(APHIS)の規制下での規制の対象にならないと主張している。 APHISは、その発行日(2013年5月3日)から60日以内にパブリックコメントを求めることになっているので連邦官報に請願書を発表した。

請願書は、以下のサイトにある。
http://www.aphis.usda.gov/newsroom/2013/04/pdf/fr_ge_potato.pdf

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USDAはPINK パイナップルの試験を承認

 Del Monte Fresh Produce Co. Inc.がコスタリカで開発した遺伝子組換えパイナップルの試験を、米国農務省が承認した。新しいパイナップルの品種は、その果肉の色からローズと呼ばれている。開発者は、パイナップルとミカンからの遺伝子を過剰発現する一方、他の遺伝子を止めることでより均一な成長と品質を得るために開花も変更した。Del Monte Fresh Produce Co. Inc.は、製品の商業化に先立って食品医薬品局(FDA)に試験と食品安全性協議を完了する必要がある。

詳細は、以下のサイトにある。
http://www.fruitnet.com/americafruit/article/158143/del-monte-gets-gm-pineapple-green-light
http://www.thepacker.com/fruit-vegetable-news/Del-Monte-testing-genetically-modified-pineapple-204909111.html

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遺伝子工学技術でアメリカ栗の再生が可能になる

 カビCryphonectria parasiticaが原因の疫病に苦しんで数年になるが、アメリカ栗が遺伝子工学技術で再生する事が可能になってきた。ニューヨーク州立大学のWilliam Powell博士とジョージア大学のScott Merkle博士は1990年にアメリカ栗の遺伝的な保護のための研究を開始した。Powell博士は、疫病の症状のほとんどがC. parasiticaが感染生育するにつれて生成するシュウ酸によって引き起こされることを解明した。彼はまた、コムギがシュウ酸を解毒するシュウ酸オキシダーゼと呼ばれる酵素を持っていることを解明した。そこでこのチームは、コムギのシュウ酸オキシダーゼをアメリカ栗に移したところ、予想通り疫病に耐性になった。

 今月、米国農務省は、Forest Health Initiative (FHI)が行うプロジェクトで3つの実験的な地域で管理下に試験を行うこととした。もしもこの試験が成功すると、FHIは、このこの遺伝子組換え改良アメリカ栗を野生の森林に植える許可を申請する予定である。このチームは、これをモデルとして、このような運命にあるニレの木、灰の木、及び東部ツガとして知られるモミの木のような絶滅危機種の再生に使用したいと考えている。

詳細は、以下のサイトにある。
http://www.economist.com/news/science-and-technology/21577033-gm-species-may-soon-be-liberated-deliberately-wildwood?fsrc=scn/tw_ec/into_the_wildwood

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科学者たちはエイズと闘う遺伝子組換えダイズを開発

 ブラジルEmpresa Brasileira de Pesquisa Agropecuária (Embrapa)の科学者は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と戦うために使用することができる抗ウイルスタンパク質を作り出す遺伝子組換えダイズを開発している。遺伝子組換えダイズは、特定の糖に結合することによって、ウイルスサイクルを阻害する抗ウイルスタンパク質であるcyanovirin-Nを生成する。タンパク質の能力は、米国内の他の科学者によって検討されているが、タンパク質に関する研究は、大規模にタンパク質を経済的生産することができなかったため止まっていた。

 EMBRAPAは、ブラジルの国立がん研究所と米国国立衛生研究所と提携して遺伝子組換え大豆の開発を行っている。

原報告は、ポルトガル語で以下のサイトにある。
http://fundacion-antama.org/cientificos-brasilenos-investigan-soja-transgenica-para-combatir-el-sida/

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アジア・太平洋

PHILARMがバイオテクノロジーの社会的、経済的責務を啓発

 The Philippine Association of Research Managers, Inc.(PHILARM)は、研究機関や国立大学やカレッジの長、プロジェクトや研究リーダー、及び研究者で構成されている協会で、その第23回全国大会でバイオテクノロジーが果たすべき地域の研究開発における先進的社会的・経済的責任に関する役割を説明した。全国大会は、Villa Caceres Hotel, Naga Cityで2013年4月16日に開催された。

 農務省のバイオテクノロジー•プログラム・オフィス(DA-BPO)のコーディネーター のAntonio Alfonso博士は、バイオテクノロジー研究プロジェクトは、DA-BPOとそのR&Dロードマップで支援されていると紹介した。CropLife Asiaのバイオテクノロジー総務部長Ms. Sonny Tababaは、世界の食糧安全保障と民間部門のR&D活動における遺伝子組換え作物の主要な役割について発表した。農業の大学院研究と研究のための東南アジア地域センターのネットワーク管理者で特別プロジェクトコーディネーター - バイオテクノロジー情報センター(SEARCAのBIC)が遺伝子組換え作物の世界的なメリットを提示し、さまざまな利害関係者へのバイオテクノロジーを伝えることの重要性を強調した。彼女はまた、研究管理者が利害関係者の利益のために、特にバイオテクノロジーの研究成果を公開する試みを奨励した。バイオテクノロジー部会では、有機農業と遺伝子組換え作物の共存など、フィリピンのバイオテクノロジーに関する懸念を払拭するように、PHILARMメンバーが参加している状況を説明できる人々に伝えるように務めた。

フィリピンにおける遺伝子組換えに関する情報の公開に関する働きについては、以下の SEARCA BICサイトにある。
http://www.bic.searca.org
または、以下にメールして下さい。bic@agri.searca

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マレーシアの遺伝子組換えへの投資

 BIOシカゴ2013は、 bioeconomy革新の課題の下で発表された合計4個の共同事業をもって、Bioeconomy革新プログラム(BTP)を世界展開するための場面となった。プロジェクトでは、マレーシアがバイオテクノロジー産業にほぼ1億3千万米ドル(4億マレーシアリンギット:RM)の投資をもたらすことを期待している。 BTPと共同事業の世界展開に関する発表は、バイオテクノロジー産業機構(BIO)コンベンション&エキシビションでのマレーシアのパビリオンの公式開会式典の中で行われた。バイオテクノロジーのための世界展開は、マレーシアへの投資の強力な流れのあるパイプラインを提供することと認識されている。

 「パートナーシップや共同事業は、マレーシアが提供する世界的起業と外国企業とのパートナーシップを推進する上で、その価値を拡大できる魅力的なものであると発表した。これらのコラボレーションは、バイオ産業の世界的なエコシステム展開する上でマレーシアの重要性の高まりを明確に示すものである」とマレーシアバイオテクノロジー&コーポレーションBiotechCorp)の最高経営責任者(CEO)、Mohd Nazlee Kamal博士が述べた。 BTPの世界展開は事務次長(科学技術)、またBIO大会でのマレーシアパビリオンの開場を科学技術とイノベーション(MOSTI)省、科学技術担当事務次官が行った。

コラボレーションについての詳細は、以下のサイトにメールで問い合わせてください。
haslina.hamidan@biotechcorp.com.my.

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農業レベルアップためのアジアエグゼクティブフォーラムのハイライトにおけるバイオテクノロジーの役割

 東南アジア諸国の公的部門と民間部門の幹部による農業フォーラムが2013年5月9-10日、フィリピン・ラグナにあるロスバニョス大学院、研究のための東南アジア地域センター(SEARCA)の主催で行われた。エグゼクティブフォーラムでは、東南アジア諸国連合(ASEAN)の農業をレベルアップするためのバイオテクノロジーの役割の重要性を位置づけた。

 シンガポール・ナンヤン工科大学教授・国際アグリ事業団の副理事長のPaul S. Teng博士が、ASEAN農業の新牽引者と題する講演を行った。国際アグリ事業団シニアプログラムオフィサーRhodora R. Aldemita博士とCropLife Asia社(CLA)のタンシアンクロップライフ・アジア(CLA)のTan Siang Hee博士は、それぞれ、公共部門と民間部門からの視点で「21世紀の農業と食料安全保障のためのバイオテクノロジー」について講演した。Asia BioBusiness社のAndrew Powell博士は、「農業研究イノベーションの商業化について」講演した。

 ハイレベルの議論が、国際稲研究(IRRI)、SEARCA、CLA、アジア開発銀行国連食糧農業機関(FAO)のASEAN幹部の間で「地域が直面している問題へのチャレンジ」について行われた。

詳しい情報は、以下のサイトにある。
http://searca.org/index.php/news/1202-searca-holds-executive-forum-on-the-new-asean-agriculture-landscape

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インドネシアは、最初の遺伝子組換えサトウキビを承認

 インドネシアの国立遺伝子組換え製品バイオセーフティ委員会(KKHPRG)は、まもなく商業栽培可能な世界初の遺伝子組換えサトウキビを承認するとした。委員会のメンバーであるBambang Purwantara博士は、遺伝子組換え作物の承認を義務付けられているすべての機関に旱魃耐性サトウキビの承認を与えると述べた。

 PT Perkebunan Nusantara社、インドネシアサトウキビ栽培研究センター(P3GI)、東ジャワ州Jember州立大学の科学者によって開発されたサトウキビは、委員会が評価した14作物の一つであり、来年植えられると期待されている。 詳しい情報は、以下のサイトにニュースとして記載されている。
http://www.thejakartapost.com/news/2013/05/20/development-underway-first-transgenic-sugarcane-plantation.html

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遺伝子組換え作物の安全性分析 - 再考の時がきた

 Journal of Agricultural and Food Chemistryに掲載された論文は、組成の同等性で規制することは20年間のこの課題に関する文献調査からしてもはや正当化することはできないとしている。Dow AgroSciencesのRod A. Herman氏と米国FDAを退任したWilliam D. Price氏の共同著作論文では、米国で承認された148種の遺伝子組換え作物及び日本での189種に関して調べた結果、従来の同等の品種と実質的同等性があることがわかった。この論文では、80以上の審査付き論文に発表された広範囲の形質の改変遺伝子組換え作物;ダイズ、キャノーラ、ワタ、トマト、ジャガイモとラズベリーに関するものを検討した。

 本論文は、遺伝子組換え育種の方が従来の育種と比べて作物の組成に対してより少ない変化であったことを強調している。著者は、以下のように結論している。「一般的に安全性を知らせるために遺伝子組換え作物に課している組成分析を継続するメリットは、過去20年間の研究結果によるとほとんど不要であった。そこで、このような研究は、もはや必要ないとの合意が得られるならば、此の技術の利用は、もっと広い範囲の科学者が利用できるものとなる」

ニュースは、以下のサイトにある。
http://www.abca.com.au/news/ and original research article at http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jf400135r

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ヨーロッパ

遺伝子組換え作物に関するヨーロッパの農業政策のまとめ

 スペインのLleida 大学-AgrotecnioセンターのGemma Masip氏および共同研究者は、EUにおける遺伝子組換え(GE)の製品に関する現在の農業政策の矛盾を指摘した。 Masip氏によると、これらの規制に大きな矛盾があるとしている。Trends in Plant Scienceの彼らの論文では、EUの農業政策が欧州経済だけでなく世界経済にも影響を与えていることをケーススタディを通して発表した。従って、Masip氏は、遺伝子組換え作物規制の枠組みをボトムアップの形で改訂することを勧めている。

この論文は、以下のサイトにある。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1360138513000575.

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EFSA:遺伝子組換えナタネMS8、RF3、MS8 x RF3と GT73には環境へのリスクについて科学的な証拠はないと結論

 欧州食品安全機関(EFSA)は、遺伝子組換え油糧ナタネMs8, Rf3, Ms8 x Rf3, and GT73の市場販売禁止の延長について意見を出した。EC委員会の要請に従って欧州食品安全機関の遺伝子組換え生物パネル(EFSA GMO Panel)は、オーストリアが提出した先に述べた遺伝子組換え品種の輸入、加工、飼料利用の上市を禁止するセーフガード条項延長申請書を評価した。

 オーストリアからの申請書及び最近の科学文献を検討して、EFSA GMOパネルは、2001/18/EC指令第23条
(http://www.biosafety.be/GB/Dir.Eur.GB/Del.Rel./2001_18/2001_18_23.html)
の下でセーフガード条項にある環境へのリスクの観点には具体的な科学的な証拠はない、またそれ以前の遺伝子組換え品種のリスク評価は、無効であると結論した。

EFSAのプレスリリースは以下の二つのサイトにある。
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3201.htm
及びhttp://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/3202.htm

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研究

遺伝子組換えトウモロコシは、改良された栄養価と塩抵抗性を示す

 中国農業大学のMeizhen Wang氏が率いる中国の科学者のグループは、遺伝子工学を通してトウモロコシの栄養価と耐塩性を強化するための研究を行った。研究チームは、ジャガイモからリジン高含有タンパク質遺伝子(SBgLR)とトマトから転写因子遺伝子(TSRF1)を取り出し、マーカーフリー遺伝子組換えトウモロコシを生成するために粒子銃法形質転換を行った。

 分析結果によると、得られた系統は、異なるレベルでの両遺伝子発現を示した。非遺伝子組換えトウモロコシと比較して、形質転換系統におけるタンパク質やリジン含有量は、それぞれ7.7から24.4%と8.7から30.4%増加していた。形質転換系統は、また、耐塩性も示した。さらに研究者らは、10のストレス関連遺伝子の特性を明らかにした。

研究の詳細は、以下のサイトにある。
http://scholar.google.com/scholar_url?hl=en&q=http://www.mdpi.com/1422-0067/14/5/9459/pdf&sa=X&scisig=AAGBfm3z2X1xZzc93pCLz2QifBl9ygq0lw&oi=scholaralrt

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つくばでブルーガムの環境へのバイオ安全性評価を行った

 つくば大学のXiang Yuと共同研究者は、木本植物のブルーガム(Eucalyptus globules)の三種の遺伝子組換え系統の環境へのバイオ安全性評価を行った。ブルーガムは、choline oxidasecoda) 遺伝子を持っており、これが異なる塩耐性を示している。評価には、遺伝子組換え系統が近くの他の植物への有益なまたは有害な影響、また同様にこれまで遺伝子組換え植物で知られているような根圏における土壌微生物への影響調査も含まれている。

 アセスメントの結果によると、周囲の植生や土壌微生物生態系への影響は、組換え植物と非組換え植物間で有意な差はなかった。これらの結果で、つくばにおけるレベル1での圃場試験の承認を得た。

研究報告は、以下のサイトにある。
http://www.wdc-jp.biz/pdf_store/jspcmb/pdf/pb30_1/30_73.pdf

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作物バイテク以外の話題

BIOは、FDA に遺伝子組換えサケの承認を促した

 バイオテクノロジー産業機構(BIO)は、遺伝子組換えサケの商業化の承認を食品医薬品局(FDA)に促している。BIOの動物バイオテクノロジー部門長のDavid Edwards博士によると、必要なすべての手続きが完了している。またと意図した動物に関するDNAの構成と安全性及び有効性を評価するためにFDA要件も満たしている。更に実施した評価がバイオテクノロジー製品の商業化に関する決定をするための詳細な情報の提供も終わっていると強調した。

原報告は、以下のサイトにある。
http://www.biofuelsdigest.com/biobased/2013/04/30/bio-urges-fda-approval-of-gmo-salmon/