皆さん、お元気ですか。

 テニスは大好きですが、心から嫌味なスポーツだと思いました。メンタルも含めて強い者が必ず勝つゲームなのです。故障や体調不全などを除いて、ラッキーな勝利はない冷たいスポーツです。サッカーのように、フロックは決して存在いたしません。テニスの全仏オープン、ローランギャロスもまったく下馬評通り、女子シングルスはセレナ・ウイリアムズ選手、そして男子はラフェエル・ナダル選手の優勝で終わりました。しかし、前者は昨年一回戦負け、後者は昨年のウィンブルドンで負傷した左膝負傷という、心身の試練を乗り越えて精進を重ねた結果です。まさに、艱難辛苦が汝を玉とした。錦織選手も苦手なレッドクレイで、ベスト16に入ることが当たり前となった今、自分の殻を破り今年の目標であるランキング、トップ10入りを目指すために、サービスの強化に努めなくてはなりません。ナダル選手に負けたことを栄養に、腹筋を癒やし、万全の構えで次の戦場である彼の大好きなターフコートに臨むことを期待しています。ここ暫くは寝不足になるのもやむを得ません。

 さて、バイオです。

 バイオでも大きな変化は、水面下での継続的な努力や動きによって現れます。

 私が今週注目しているのは、中国向けにアルゼンチンから船積みされた組み換えトウモロコシ(GMOトウモロコシ)を中国政府が輸入許可を本当に出すか?どうかです。2013年6月6日にロイターが6万tのGMOトウモロコシを積んだ貨物船が中国に向かったと報道しています。現在は太平洋を中国に向かい航行中でしょう。

 これは2012年にアルゼンチン政府と中国政府の間で締結されたGMO輸出入協定に基づいて行われた、最初のGMO食糧の中国への輸出となります。報道によればアルゼンチン政府はトウモロコシと大豆に関して、組み換え農産物の輸入許可を得ています。今後、アルゼンチンの二大輸出穀物であるトウモロコシと大豆に関して、中国は安定供給を確保したことになります。

 今まで、米国のたばこ企業の組み換えたばこ買い付け拒否事件以来、実験的な作付けは行っているものの、まだ正式にワタを除く、主要農産物に関して組み換え品種の作付けや輸入を正式には認めてこなかった中国が大きく変身しようとしているのです。今回のアルゼンチン産のGMOトウモロコシが無事、陸揚げされ、流通、消費されれば、中国政府にとってもGMO輸入が公式に解禁となるのです。人口14億人を超える中国が、GMOの輸入を解禁することになれば、世界の穀物流通とGMOの栽培地図に大きな変化が起こることは間違いないでしょう。TPP加入を目前として、我が国の農業でもGMOの作付け解禁が大きな政治問題となることは必然です。

 一番大きな影響は当然のことながら、我が国の農業の基幹作物である米に現れます。中国は組み換えイネ品種の開発で我が国と技術的に肩を並べており、既に大規模の栽培実験も完了しています。グリーンピースの報告によれば、大規模過ぎる栽培実験の産物であるGMO米は既に中国で流通していることも有るようです。民主党政権の一部の農水大臣の好き嫌いのために、一昨年から昨年にかけて、我が国の農水省はGMO作物に関する啓発活動やウェブでの情報発信を抑圧するという前世紀の遺物のような行政が行われていました。安倍政権にとって、中国がGMOカードを発動する以上、早急に我が国のGMOラグを、新薬ラグを埋めたように、政治問題化して関係者を巻き込み、早急に解消しなくてはなりません。

 ちなみに我が国は世界最大のGMO輸入国ですが、消費者はそれを知らない、愚者の天国となっています。政府だけでなく、企業もそして教育関係者も現実から目を反らし、面倒なことは先送りすることは、もう許されないのです。国民が安心して食を楽しめるための、努力を今すぐ行うべき時がきたのです。

 今週も皆さん、どうぞお元気で。

             日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満

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