こんにちは。1週おきにこのメールを担当しております、日経バイオテク記者の増田智子です。

 大型連休もあっという間に終わってしまいました。今回は、連休中に積んであったのを片づけたTimes Higher Education誌(THE誌)の話題です。THEはイギリスの高等教育関係者向けの雑誌(学術雑誌ではなく、ほぼ普通の雑誌)で、米Thomson Reuters社と協力して「世界大学ランキング」を作っていることでも有名です。

 THE誌は他にもさまざまな調査を世界中の大学に対して実施しており、2013年5月2日号は「性別の偏りインデックス(Global Gender Index)」ランキングを発表していました。対象としたのは世界大学ランキングで上位400番までに入る大学で、研究をしている職員の男女比を調査したようです。日本は、調査対象になった大学に在籍する女性研究者の割合が12.7%しかなく、性別の偏りで1番でした。2番は台湾で同21.3%。さすがに1番となると、我が国の自慢できない現状が紙幅を割いてやや詳しめにレポートされてしまいました(http://www.timeshighereducation.co.uk/features/the-global-gender-index/2003517.article)。

 安倍首相が4月に発表した成長戦略に「女性が輝く社会」というテーマがあり、「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする」ということが目標とのことです。これをTHE誌の調査に当てはめると、大学で研究をしている人全部を「指導的地位」にいると拡大解釈しても、あと6年半で倍以上に増やさなければならないわけで、かなり大変そうです。

 なお、もっとも男女比の偏りがなかったのは、英米仏独でもスカンジナビア諸国でもなくトルコでした。トルコのトップの5大学では、研究にかかわっている職員の47.5%が女性。ケマル・アタチュルクがオスマン帝国を倒し、トルコ共和国を建国した際に、女性も一緒に戦ったことから、教育においては男女平等の伝統ができた模様です。またトルコでは大学構内に住宅や保育園、初等教育施設が整っていて、既婚・子持ちの研究者でも便利に生活ができることや、大家族で暮らす習慣から、子供の世話を家族の誰かに任せられることも有利、とのことです。トルコの例を見ると、出産後も早く仕事に復帰して無理なく働き続けられる、という環境が女性の研究者のキャリアには重要なのだと思います。

ご意見、ご批判は以下のフォームよりお願いします。

https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/

                    日経バイオテク 増田智子