皆さん、お元気ですか。

 連休明けの東京は爽やかな気候となりました。私は筋肉痛ですが、皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか? 目に青葉 山ホトトギス 初鰹。この時期はしみじみと日本に暮らしていて良かったと思います。GWに時ならぬ降雪に見舞われた北海道には申し訳ありませんが、都内と湘南で輝ける初夏を堪能いたしました。リーガエスパニョーラも後1勝でバルセロナが優勝するところまで漕ぎつけました。メッシのコンディションも戻りつつあります。これで21試合連続ゴール。このまま全試合連続ゴールの究極の新記録も樹立しかねない勢いです。子どもの頃からアンチ巨人でしたが、長島と松井選手の国民栄誉賞は喜ばしい。しかし、審判役の安倍首相の背番号96だけはいただけない。スポーツに政治を見えやすくは持ち込まない政治感覚を欠くことを露呈してしまいました。

 さて、バイオです。本日は6月19火午後12時25分から東京、品川のコクヨホールで開催いたします、日経バイオテクプロフェッショナルセミナーに皆さんを勧誘したいと思っております。先週から募集を開始いたしましたが、お陰様で滑り出し好調です。どうぞ下記よりお早めにお申し込み願います。

http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/130619/

 連休中にどの新聞だか忘れましたが「iPS細胞で50疾患に新薬開発」という報道がありました。これを受けたスポーツ新聞が駅売りのポップの見出しに使ったため、皆さんも驚いたかも知れません。よくよく読むと、別に新しい訳ではなく、2013年3月13日に個の医療メールで報道した文部科学省と厚労省の共同研究プロジェクト、「疾患特異的iPS細胞を活用した難病研究」です。2012年度から8億円の予算を投入して、5年間のプロジェクトが始まりました。13年度の予算も文部科学省から8億円が要求されています。総額40億円で、今まで厚労科学研究費で支援されてきた我が国の難病研究班のネットワークと治験を生かし、難病患者の協力を得て、難病特異的なiPS細胞を樹立、それを標的に製薬企業と共同で新薬をスクリーニングしようという野心的な研究です。難病研究は我が国が世界をリードしている地道な疫学と臨床研究です。治療費の補助もあるため、患者と医師のネットワークは極めて緊密で網羅性を持っています。難病の多くは遺伝的な背景があり、患者のiPS細胞を樹立し、病態が再現できるなら、その原因となる遺伝変異も突き止められる可能性が極めて高いのです。つまり創薬標的が明確となる可能性があるのです。また、難病には臨床的な特徴があり、細胞レベルでその病態を再現できる期待も膨らみます。こうした疾患モデル細胞を開発できれば、疾患標的が不明でも、細胞レベルでの新薬のスクリーニングは可能となります。つまり、日本の伝統的な難病研究と日本のイノベーションであるiPS細胞の融合によって、革新的な新薬が誕生する確率は極めて高いと考えているのです。

https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130313/166806/

 しかも、まだこれがどれだけ普遍的かは尚証明に時間が必要ですが、難病や希少疾患の原因遺伝子が、生活習慣病などより一般的な疾患の背景要因になっている可能性も濃厚なのです。患者数が少ないからといって、製薬企業はけっして無関心では居られないのです。まずは遺伝的背景の単純な難病や希少疾患から入り、最終的には患者数の多い、複数の遺伝的な変異と生活習慣が原因となる一般的な疾患の創薬研究にアプローチする、この戦略が感染症など外因性の疾患を除いた、疾患の治療薬開発で最も妥当であろうと考えます。難病のiPS細胞研究はこうした次世代の創薬戦略のまさに、突破口を形成すると期待しているのです。

 今回のセミナーでは、この疾患特異的なiPS細胞研究を全面的に取り上げ、加えて既に製薬各社で実用化が進んでいるヒトiPS細胞由来の心筋や神経細胞などを使った前臨床研究の最先端を紹介したいと考えています。本当にどこまで新薬の製造・販売申請にデータとして使えるのか?また、そのためにはどんな条件が必要なのか?恒例のパネルディスカッションで明らかにしたいと思っています。

 今年度中には、確かに我が国で世界に先駆けてiPS細胞由来の網膜色素上皮細胞の臨床研究がはじまるでしょう。しかし、何事にも物事には順番があります。TVや新聞では明日にでもこうしたiPS細胞を使用した再生医療が実現するように喧伝しますが、そんなことはありません。今回は安全性の確認が主で、効果効能の確認、そして移植後の長期間の安全性の確認のためには10年や20年の歳月が必要なのです。今回は臨床研究であり、iPS細胞による再生医療の薬事承認や保険適用を目指した臨床治験着手には尚、年月が必要です。今回のセミナーではこうした世間の熱狂に敢えて背を向けて、iPS細胞細胞の実用化の現実をリアルに取り上げ、皆さんと議論いたします。iPS細胞という世紀のイノベーションを着実に実用化していくためには、冷めやすい熱狂だけでは不十分なのです。着実な実用化のロードマップに従って、粛々と粘り強く20年以上、知恵と人材と資本を集めて投入する必要があるのです。まずはiPS細胞による疾患モデルと安全性研究のための規格化されたiPS細胞由来のヒト細胞こそが、実用化のロードマップの入り口なのです。

 製薬企業、診断薬企業だけでなく、化粧品・化学品など安全性に関する企業、バイオ研究支援企業などの皆さんのご参加を期待しています。皆でiPS細胞の産業化を実現いたしましょう。どうぞ下記よりお申し込みをお急ぎ願います。

http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/130619/

 今週もどうぞお元気で。

             日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満

ご連絡は、https://bio.nikkeibp.co.jp/inquiry/