こんにちは。第2、第4金曜日を担当する日経バイオテク副編集長の河野修己です。

 2013年に入ってから株式市場においてバイオセクターが活況を呈しています。2012年1年間で日経BP・バイオINDEXは約7割上昇しましたが、2013年1月はさらにその2倍まで上げる場面がありました。現在はバイオINDEXは300前後で推移しています。ほんの1年前までは100を切るのではないかという水準でした。ずいぶんと復調したものです。

日経BP・バイオINDEXの2012年終値は前年末比71%増の190.32に
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121231/165376/

日経バイオテク1月28日号「In The Market」、バイオ株が歴史的上げ相場、タカラバイオが1000億円超え
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130130/165847/

 12月にユーグレナ、1月にメドレックスが上場しましたが、いずれも公開価格は仮条件の上限で決まり、上場初日は買い注文ばかりで値が付きませんでした。メドレックスの松村社長は上場後の記者会見で「公開価格をもっと高く設定しておけばよかったのでは」と質問され、「株式市場がこういう状況になる前に決めたので」と回答しましたが、その表情には「残念だ」との思いがありありと浮かんでいました。

ユーグレナが東証マザーズに上場、公開価格の2.3倍でも値が付かず
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121221/165203/

メドレックスが東証マザーズに上場、公開価格の2.3倍でも値が付かず
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130214/166202/

 バイオINDEXがこれほど上昇した理由は3つあると見ています。1つ目は株式市場全体が好調であること。2つ目は京都大学の山中伸弥教授のノーベル賞受賞でバイオに注目があつまったこと。最後にこれが最も重要だと思うのですが、企業として成熟し利益も生み出す段階に達したところが増えてきたことです。

 これまで個人投資家にとってバイオベンチャーは、何をやっているかよく分からず業績も大赤字のところばかりでとても手を出せないという存在だったはずです。しかし、ノーベル賞をきっかけによくよく見てみると、利益を出しておりしかも高い成長性を期待できる企業がいくつもあることが分かってきたのではないでしょうか。

 私が好ましく思っているのは、バイオINDEXの動きが日経平均やマザーズ指数と乖離するようになってきていることです。バイオINDEXが低迷していた時は、その動きはほぼ連動していました。バイオベンチャーの価値は本来、株式市場全体のトレンドとはあまり相関しないはずです。最近のINDEXの動きは、投資家がバイオベンチャーの中身を理解し始めた証左ではないかと考えています。