(編集部注)この記事は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によるアグリバイオ最新情報【2013年1月31日】の日本語訳を掲載したものです。

世界

近代農業のための新しい規制システムの要請

 スイスのベルン大学名誉教授Klaus Ammanは、彼のハンドブック著書の「GM作物のリスク・ベネフィット論争:科学と社会経済学」で、現在の規制システムの全容に照らして、近代的な農業のための新たな規制制度を求めている。Springer社のオンライン公開ハンドブックで著書のAmman教授は、農業技術革新、GM作物のリスク処理法の発展、過剰規制の損得、科学者と反対者の間の現在の論争、ディベートのやり方に対する戦略、GMOディベートに関する心理学的、精神論的また一般的な哲学に関する論点について述べている。

 彼はGMに関する組織的かつ専門的な対話の継続の必要性を強調し、新育種と新系統のための新しい規制「デミニミスルール」を確立するため国際機関にバイオテクノロジー促進を呼びかけた。後者の提言には、新たな系統の生物学的安全性に関する長期的な論議を開始するには既存の国際機関、とりわけ国際アグリバイオ事業団(ISAAA)、国連工業開発機関(UNIDO)、国際遺伝子工学およびバイオテクノローセンター、公的研究および規制機関などが役に立つとした。

全論文は、以下のサイトからダウンロードできる。
http://www.ask-force.org/web/Sustain-Journal-Print/Ammann-Strategy-GMO-Debate-enh-20121206-opensource.pdf

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ワタゲノム地図が完成

 米国のジョージア大学が率いる31機関からの国際コンソーシアムは、ワタの最初の 「ゴールドスタンダード」ゲノム配列を決めた。 Nature誌の12月20日版で研究チームは、最も単純なワタ(Gossypium raimondii)の高解像のドラフト配列を発表した。

 チームはまた、米国農務省によって作成された数種のワタ祖先種のゲノムとの比較も行なった。結果は、野生種から今繊維生産に使われている栽培種に至る何百万年ものワタの進化を追跡することができた。

 繊維としての利用以外に、ワタは、2ダース以上のコイルから構成されているセルロースとして次世代のバイオ燃料としても興味がもたれる。

詳しい情報は、以下のサイトにある。
http://news.uga.edu/releases/article/gold-standard-cotton-genome-sequence-122012/ and http://www.jgi.doe.gov/News/news_12_12_19.html

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FAO機構長とドイツの大臣が農業への投資を通じて飢餓の撲滅を提言

 食料・農業・消費者保護大臣Ilse Aigner氏と食糧農業機構長Jose Graziano da Silva氏は、農業大臣ベルリン・サミット2013後、飢餓を解消し、増加する世界人口を養うために農業投資増加を呼びかけた。

 二人は、厳しい飢餓と貧困がある地域での農業への投資が依然として低いことを強調した。農業者が農業を投資対象として魅力的な支援環境をもつことが肝要である。そこで各国政府は、良い統治、透明で公正なインセンティブ、良いインフラ、公共サービスや農村部での農業者のための情報へのアクセスを確実にする必要があるとした。

FAOのメディアリリースは、以下のサイトにある。
http://www.fao.org/news/story/en/item/168390/icode/

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アフリカ

アフリカの農業科学技術促進のための新戦略的パートナーシップ

 地域経済と農業に関するアフリカ連合委員会(AUC)と国際農業研究センターのコンソーシアム(CGIAR)は、アフリカにおける科学的根拠に基づく農業の変革に関する協定(覚書)に調印した。新協定は、地域経済と農業のAUCの委員長H.E. Rhoda Peace Tumusiime氏とCGIARの最高経営責任者(CEO)Dr. Frank Rijsbermanによって2012年1月15日に署名された。

 AUCの本部で開催された調印式の時に彼女は、その歓迎挨拶の中で、「CGIARとのこの覚書の調印は、特別な意義がある。それは、世界中が飢餓と貧困の歴史を作ってきた責任を負うというアフリカの決意に焦点を当てる時が来たことになるからである」と述べた。彼女はさらに、「AUCがアフリカの人々に食料を供給し、農業が重要な経済改革の役割を果たせる必要があることを認識したことである。なぜならアフリカの大半がこれまでに試されてきた技術や自前の政策で支援されるべきであるからである。」と述べた。

 覚書には、「CGIARコンソーシアムメンバー間での取組みと指導力の強化、および国レベル、地域レベル、大陸レベルでのアフリカの農業研究と開発機関がそれぞれの問題の優先順位、目的、に関してアフリカの農業生産性の増加のためのプログラムについて連携・協力を強化する」戦略的協力が書き込まれている。

詳細は、以下のサイトにある。
http://www.cgiar.org/consortium-news/african-union-commission-and-cgiar-consortium-form-new-strategic-partnership/

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南北アメリカ

バイオ技術でブラジルの平均的トウモロコシ生産者は、4年間で10万米ドルの収入が保証された

 ブラジルでの遺伝子組換え作物の導入の経済的・社会的・環境的影響の研究の第6版がAssociacao Brasileira de Sementes e Mudas (ABRASEM:ブラジル種苗協会) から出た。 Celeres and Celeres Ambientalによって行われた研究では、50haの害虫抵抗性トウモロコシを栽培した農業生産者は、2003年にブラジルで商業栽培が開始されて以来10万400ドルの収益増を得た。次の10年間に32万4100米ドルの収益増が見込まれる。

 加えて、遺伝子組換えトウモロコシ、ダイズ、ワタが承認され、商業生産されていることに加えて新技術の承認の追加で、今後10年間で1182億米ドルの総経済的利益が強化されると期待される。このうち約82%が農業生産者のものになると考えられる。

この詳細なプレスリリースは、以下のサイトにある。
http://www.prnewswire.com/news-releases/biotechnology-guaranteed-us-100-k-to-average-brazilian-corn-growers-in-four-years-according-to-abrasem-187893531.html

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アジア・太平洋

GM作物が生物多様性を高めることが分かった

 中国の科学者は、遺伝子組換えワタは、栽培地での殺虫剤の使用減少により、生物多様性を向上させていると調査研究を報告した。研究者は、中国北部の6省の36地点で1990年から2010年までの収集データによると、一般的な捕食性節足動物の3種(テントウムシ、クサカゲロウ、クモ)の存在量は顕著に増加し、一方、アブラムシの害虫が顕著に減少した。これはBtワタの広範な普及とこの作物に対する殺虫剤の使用減少によるとしている。科学者たちはまた、隣接作物(トウモロコシ、落花生、ダイズ)にBtワタ栽培地から広がった捕食者が追加的な生物防除しているという証拠を発見した。

詳しいことは、以下のサイト
http://discovermagazine.com/2013/jan-feb/24-transgenic-crops-cut-toxins-boost-ecosystem#.UOvoEuRA2gQ と
http://www.nature.com/nature/journal/v487/n7407/full/nature11153.html#/contrib-authにある。

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インドの内閣総理大臣は、GM作物への科学的なアプローチを求めた

 インドのDr. Manmohan Singh首相は、このような遺伝子組換え食品などの争点に対処するための科学的なアプローチを求めた。 2013年1月3日に第100回科学議会での講演で遺伝子組換え食品に関する議論を歓迎し、信じることと恐怖は適切な議論と分析で図るべきであると述べた。インド科学会議で「複雑な問題、例えば遺伝子組換え食品、核エネルギー、宇宙の探査は、信じること、感情、恐怖で解決できるものではなく、よく構成された議論、分析、啓発で解決すべきである」と述べた。

 科学的な考えの普及を促進することも、新しい科学、技術、イノベーション政策の目標の1つとして挙げることになるとDr. Singhは述べた。「これらの問題への科学的なアプローチと理解は、それゆえ、私たちの核となる科学的能力と同じく必要不可欠なものだ」と首相は語った。彼は、更に「社会人としてのインド人は、Jawaharlal Nehru氏が科学的考えとして述べていた事の普及を図る必要がある。現在の若い世代は、科学が提供できる恩恵を受けることと失われた時間を取り返すためにも科学的根拠に基づく価値のシステムを導入する必要があるとも述べた。

首相の第100回インド科学技術会議での講演は、以下のサイトにある。
http://pib.nic.in/newsite/erelease.aspx?relid=91317

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インドの首相が科学、技術、イノベーション政策を発表

 インドのDr. Manmohan Singh首相は、2013年1月3日の第100回インド科学議会の開会講演で国の科学、技術、科学技術イノベーション政策(STI)を発表した。Dr. Manmohan SinghはSTIポリシー2013で、2020年にインドが世界のトップ5科学大国になることを目指していると述べた。インドは、持続可能で、より包括的な成長のための国家の発展に科学、技術、イノベーションのすべての利点をもたらすことを目指している。 「農業の発展は、科学技術政策を含む私たちの公共政策の最優先の必要性がある。我々は、科学技術界での確立された指導者たちとのみならず、我々の地域における新興技術革新において力のあるところと共同する必要がある」と述べた。

 STI政策がインドの公私両方の科学界に発信するとともに科学、技術、イノベーションがより速く、持続可能で国民の包括的な開発に焦点を当てるべきである。また、R&D、技術とイノベーション活動における民間セクターの参加を奨励することにより、研究開発上の総支出を適切な大きさとすることを探っているとした。

詳細は、以下のサイトにある。
http://pib.nic.in/newsite/erelease.aspx?relid=91316

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PAWAR氏は、インドは遺伝子組換え作物の圃場試験を中断してはならないとした

 インドの農業大臣Sharad Pawar氏はインドの組換え作物の圃場試験を停止するとする議会の提案を却下した。 Pawar氏は、政府は、食糧安全保障を確保する上で、重要なそのような農業研究を禁止するべきではないと述べた。彼はまた、遺伝子組換え作物の研究は、その大規模な人口のためにインドでの継続が許可されるべきであると付け加えた。しかし、彼はまた、作物が環境、他の作物や、動物とヒトの健康に影響を与えないことを確認するために、試験期間中に実施されるべきであることを再確認した。

 現時点では、政府は、Btワタの商業栽培を許可しているが、Btナスのモラトリアムが実施されている。政府はパンジャブ州、ハリヤナ州、アンドラプラデシュ、およびグジャラート州にワタとトウモロコシの圃場試験を実施する承認を与えた。

詳細は、以下のサイトにある。
http://www.indiaenvironmentportal.org.in/news/govt-shouldnt-ban-gm-crop-field-trials-pawar

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パキスタンの指導者たちは、遺伝子組換えの必要性を述べた

 パキスタンの農業省大臣Ahmad Ali Aulakh氏は、政府がバイオテクノロジー推進のための資源を提供していると述べた。彼はラホール商工会議所(Lahore Chamber of Commerce and Industry、LCCI)主催のセミナーでバイオテクノロジーのための政府の支援を強調した。大臣は、「国の輸出の60%以上が農業に属しているので、バイオテクノロジーが最も重要である」と述べた。

 LCCI所長Farooq Iftikhar氏は、パキスタンのバイオテクノロジーには巨大な可能性がある指摘した。 「21世紀は、間違いなくバイオテクノロジーの世紀である。パキスタンでこの分野での重要なことが行われていないことは本当に残念なことである。」とも述べた。

全文は、以下の
http://www.thenews.com.pk/Todays-News-3-147941-LCCI-organises-seminar-on-biotechnology と
http://www.pabic.com.pk/Government%20wants%20to%20spend%20on%20Biotechnology.html にある。

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ヨーロッパ

世界自然保護基金(WWF)上級副理事長が集約農業と遺伝子組換え作物を支持

 集約農業と遺伝子組換え作物は、より良い生態環境を維持し、世界の食糧需要とを同時に満たすことができると、世界自然保護基金(WWF)上級副理事長Jason Clay氏がオランダのジャーナリストとのインタビューの中で語った。彼はこれまでの戦略はもはや通用せず廃棄物の排出や環境への危険を低減する必要がある中で土地の生産性が改善されなければならないことを強調した。Jason Clay氏は、現代の遺伝子技術は、特にアフリカや東南アジアで、その目標を達成できると考えている。彼はまた、ワーゲニンゲン大学と研究センター(WUR)の努力を農業の持続的な強化を進めることに世界的指導者のであることと賞賛した。

原報告は、以下のサイトにある。
http://www.hortweek.com/Edibles/article/1165041/wwf-vice-president-backs-intensification-gm/

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英国環境長官は、GMを支援

 英国環境・食糧・農村地域省国務長官Owen Paterson氏は、政府が英国の農業を近代化するために遺伝子組換え(GM)作物の利点を促進すると述べた。 1月3日にオックスフォードでの農業会議での発言によると、Paterson氏は、GMについてリスクとベネフィットのバランスのとれた理解を持って、その適切な全体的な問題を考慮する必要があると述べた。またGMが大幅な農薬の使用を減らすという素晴らしいことを提供していると付け加え、 「我々はGMの潜在的なメリットについて国民に知らしめることを恐れてはならない」と述べた。

長官の話は、以下のサイトにある。
http://www.defra.gov.uk/news/2013/01/03/paterson-speech-ofc-2013/. Details about the Conference and videos of the speeches are available at http://www.ofc.org.uk/

ロシアは、グリホサート耐性トウモロコシを解禁

 ロシアは、グリホサート耐性トウモロコシNK603の輸入の一時禁止を解除した。フランスの研究で遺伝子組換え作物と除草剤ラウンドアップがラットにがんを引き起こすとの報告された後、一時的に禁止が発表された。しかし、欧州食品安全機関(EFSA)は、製品が人間や動物の健康と環境に有害であるとの特定の科学的な証拠は存在しなかったことを示し、フランスの報告書を拒否した。消費者の権利保護と福祉のための連邦政府のサービス機関(Rospotrebnadzor)もまたロシアがNK603の安全性評価を実施し、人間の健康に有害な影響は認められなかったと報告した。現時点では、NK603は、米国、中国、ブラジル、日本、アルゼンチン、カナダなど17カ国で市販されている。

詳細は、以下のサイトにある。
http://www.fwi.co.uk/Articles/04/01/2013/137029/Russia-lifts-ban-on-Monsanto-GM-maize.htm.

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環境活動家がその反バイオテク活動を謝罪

 2013年1月3日にオックスフォードの農業会議での講演で、英国の環境活動家でその著作者である著者のMark Lynas氏は、驚くべき話をした。つまり彼がこれまで行ってきた「反科学環境主義」によって煽られた1990年代半ばの反バイオテクノロジー運動を公開謝罪した。Lynasは、過去に遺伝子組換え作物(GM)を悪魔化してきたが、現在では人類と環境に恩恵を与える重要な技術として受け止めていると述べた。

 Lynas氏自身の説明によると、彼の劇的な転向は、彼の気象変動の現象を研究したことで科学に関する彼自身の改革の結果とした。さらなる論文調査やより深い研究によって、彼はバイオテクノロジーについての彼の大切な信念は「緑の都市神話を超えるものはほとんどないと判明した」ことに気づいて、この重要な科学技術革新を信頼し、反対派が提起している問題を取り上げ、農業バイオテクノロジーを支援する彼の主張をOFCの談話で提示した。彼は、遺伝子組換え作物の使用や栽培に対するセンセーショナルなキャンペーンは、ほとんどが科学に基づいていないと結論づけた。

 「このように本当に必要な農業革新が合理的で科学的評価に基づいていない雪崩打つ規制によって窒息死しそうになっている」と彼は言った。 「今日のリスクは、GM食品によって誰かがが被害を受けるだろうというのではなく、豊かな国の人々の少数派による自分の食事は彼らが自然と考えるものにしたいという声のために、数百万人の十分な食料を持っていない人々が被害を受けることになるのである。 GM論議は終わった。もう終了したのである。我々は、GM食品が安全かどうかの議論は必要がない。15年間以上にわたって3兆食ものGM食事をとっていることになるが、1件の危害もこれまでなかった。我々が、隕石にあたる確率よりもGM食品による危害の可能性が少ないということである」

Lynasは、「The God Species: Saving the Planet in the Age of Humans」 (published by National Geographic) やその他の環境関連の著者である。OFC 講演の全文が、以下のサイトにある。
http://www.marklynas.org/2013/01/lecture-to-oxford-farming-conference-3-january-2013/.

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EFSAは遺伝子組換えトウモロコシNK603の全てデータを公開

 欧州食品安全機関(EFSA)は昨年9月に公表されたSeraliniによるFood and Chemical Toxicologyの論文でのラットでの発がんと組換え食品のデータと、モンサント社が開発した遺伝子組換え(GM)トウモロコシNK603に関する全てのデータを公開した。EFSAは、以前に彼らの発見した矛盾する研究結果は、科学的に正しくないとしてすべて棄却している。

 EFSAは、GM食品のリスク評価における透明性の向上に向けて、その取り組みの一環として、NK603の評価に関連するすべてのデータを誰にも公開するとした。「公共の利益のレベルを考えると、EFSAは、そのウェブサイトの1月14日で遺伝子組換え(GM)トウモロコシNK603の入手可能なすべてのデータを公開する。当局は、すでにいくつかの場面で具体的な要望に応じて、これらのデータを利用できるようにしていたが、これからは、誰でも完全なデータセットを調べて、活用できるようになる」とEFSAはその公式のプレスリリースで述べている。

EFSAは、いかなる要望に応じた公開情報を準備中である。またEFSAのプレスリリースと NK603データーファイルを以下のサイトからダウンロードできる。
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/130114.htm.

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ベルギーの持続可能な農業のためのGMジャガイモの可能性が、圃場試験で確かめられた

 ベルギーでの遺伝子組換え(GM)ジャガイモの2年間の圃場試験の結果の結論は、疫病として一般に知られているPhytophthora infestans感受性が低下している組換ジャガイモが複数の抵抗をもち、これがジャガイモ産業をはるかに持続可能なものとすることになった。

 Wetterenにおける科学圃場試験では、野生株から得た1ないし3個の自然耐性遺伝子をもつ26種類の遺伝子改変ジャガイモが2011年と2012年に試験された。彼らは抵抗性の基準品種Bionica、Toluca と Sarpo-Miraや感受性の基準品種Desiree、 Bintje、Nicola、Agria や Innovatoなどと比較した。遺伝子組換えジャガイモがbiocultivationで使用されている非感受性品種BionicaとTolucaより良い成績を得た。フィールド試験の結果は、国際的な科学誌に掲載される予定である。

ニュースリリースは、以下のサイトにある。
http://www.vib.be/en/news/Pages/Field-tests-confirm-the-potential-of-genetically-modified-potatoes-for-sustainable-potato-cultivation.aspx ________________________________________

ギリシャの農業生産者の61%がGMトウモロコシの採用を歓迎

 最近のJournal of Agribiotechnology Management and Economics で発表された研究によると、ギリシャ農業生産者の相当数(61%)がもしもGMトウモロコシの栽培禁止が解かれるならばGMトウモロコシを採用することを明らかにした。ギリシャ政府は、GMOの開放利用に関する欧州連合(EU)指令のセーフガード条項をたてにBtトウモロコシの栽培を禁止した。

 GMトウモロコシ技術の有用性の観点では、回答者の56%がBtトウモロコシの値段がこれまでのものと同じ値段なら採用するとしているのに対して、68%は殺虫剤の使用減による生産コスト減少から生まれる利益のためにBtトウモロコシを採用するとしている。それが従来のものと同じ価格で販売された場合、GMトウモロコシ技術の有用性の観点では、回答者の56%がBtトウモロコシを採用する。綜合的にみて、ギリシャではGM作物への反対にはコンセンサスがあるものではない。またEUとギリシャの政策立案者はこの現実を見るべきであると結論づけた。

論文は、以下のサイトにある。
http://www.agbioforum.org/v15n3/v15n3a02-skevas.htm.

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GM表示に対する英国の消費者の動向

 英国食品基準庁は、2012年6月から9月に実施したGM表示に関する消費者動向に関する調査結果を発表した。主な調査結果は以下のとおりである。

・ほとんどの消費者は、英国における現在の表示要件を認識していなかった。
・回答者のわずか2%がGM含有に関する食品の情報を見ていると述べた。したがって、消費者が食品を購入するにあたって、GM含有に関する情報を求めていない。
・ほとんどの消費者は、GM非含有よりもGM含有の表示を好む。
・GM非含有食品表示は、多くの期待をもたせることになる。例えば、GMなしというラベルの付いた製品は、全くGMを含まないことを期待させることになる。
・ほとんどの消費者は農業者がGM飼料の使用していることを認識していない。この事実を知ると、彼らは、GM飼料を給餌した食品には、GM表示をすべきと考えるようになる。

この報告の詳細は、以下のサイトにある。
http://www.food.gov.uk/news-updates/news/2013/jan/gm#.UP4qRx2E14I.

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GM作物の農業や環境への影響についてのまとめ

 英国の研究者University of ReadingのA.M. Mannion氏とUniversity of SurreyのStephen Morse氏は、15年にわたるGM作物の農業と環境への影響のまとめを発表した。彼らは、GM作物に公表された文献を分析し、GM作物の商業化は、発展途上国と先進国の両方でプラスの影響をもたらしていることがわかった。技術上のマイナスの影響は大きいスケールで観察されていない。

 農学的にみてGM作物の作付けは害虫や雑草防除のために収量の増加につながっている。また、害虫耐性作物の栽培は、フィールドでの「ハロー(背光)」効果により、従来の作物もその恩恵を受けている。環境の面で見ると、非標的、土壌中及び水中の有用生物が、殺虫剤の使用を減少させることでより助けられている。農薬使用の減少はまた、農民への健康被害を減少させた。GM作物の作付けがエネルギー投入量の減少につながり、カーボン放出減少にも繋がっている。

 この技術の継続的なメリットは、害虫抵抗性発現の速度に依存し、したがって、科学者や農業生産者は、新GMの手法と害虫との継続的な管理戦略を採用する必要がある。

要旨は、以下のサイトにある。
http://ppg.sagepub.com/content/36/6/747.

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研究

在来トウモロコシと積重ね形質トウモロコシの穀粒と飼料の組成分は同等

 Denise Lundry氏とモンサント社の共同研究者は、8種の害虫抵抗性タンパク質及び除草剤耐性発現する積重ね形質トウモロコシ(MON 89034 × TC1507 × MON 88017 × DAS-59122-7)の組成分析を行った。研究の目的は、在来トウモロコシと比較して積重ねら形質トウモロコシの穀粒や飼料の組成で、栄養素、抗栄養素、および二次代謝産物のレベルを評価することであった。

 積重ね形質トウモロコシや飼料での8つの成分および穀粒での56の成分について、在来トウモロコシとの間で有意差は見つからなかった。積重ね形質トウモロコシ穀粒の6つの他の成分は、従来と異なることが判明したが、その違いは自然変動によるものであった。この調査結果に基づいて、積重ねトウモロコシの形質は、在来トウモロコシの組成と同等と結論した。

研究の詳細は、以下のサイトにある。
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jf304005n.

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文献備忘録

これからの遺伝子組換え作物に関するFAOの要約文書

 11月5日から12月2日に開催されたFAOのemail会議の要約が出た。開催された国連食糧農業(FAO)は、「これからの遺伝子組換え作物:発展途上国の林業、畜産、養殖、農業の産業分野の今後5年間をみる」に関する電子メール会議の概要文献が今出来上がり、以下のサイトから入手可能できる。

http://www.fao.org/docrep/017/ap998e/ap998e.pdf