こんにちは。第2、第4金曜日を担当する日経バイオテク副編集長の河野修己です。

 日経バイオテク1月28日号の特集ではオーランドラッグを取り上げました。
日経バイオテク1月28日号「特集」、見直されるオーファンドラッグ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130129/165782/

 「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の設置、優先審査や再審査
期間の延長、医薬基盤研究所による開発資金の支援、公知申請の積極活用などオーフ
ァンドラッグの国内への導入促進策は以前と比較すれば充実しつつあります。

 実際、オーファンドラッグの開発を行っている企業に聞くと、開発効率の改善とい
う面では国や行政当局の対応は評価できるという声が大勢を占めています。

日本新薬の齋藤執行役員に聞く、「肺高血圧症治療薬で3剤体制狙う」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130122/165656/
ノーベルファーマの菅谷執行役員、田中ディレクターに聞く、「最初から世界を見据
えてやればオーファンドラッグはばかにならない」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130121/165638/
オーファンパシフィックの市川社長に聞く、「海外製薬企業からの受託にも進出した
い」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130121/165637/
基盤研の難病研究資源プロジェクト、収集試料数が1000を突破、今後の課題は資金の
確保
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130129/165780/

 シーズ探索という面でも、アカデミアが持つシーズの開発促進を目指す新たな仕組
みが始動します。この創薬支援ネットワークは、患者数の少ない希少疾病領域を重視
することになるはずです。
基盤研、創薬支援ネットワーク創設に伴う人員募集を開始
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130207/166052/

 一方で、企業側が最も改善が必要と考えている点は、薬価の決め方です。薬価は最
終的には、中央社会保険医療協議会の了承を得て決定されます。中医協には支払い側
(健康保険組合の関係者)が参加しているので、どうしても薬価を抑制する方向に議
論が進みがちです。また、薬価算定の前提としている営業利益率は約20%ですが、こ
れは主に患者数の多い製品を基に算出した数字ですから、オーファンドラッグにこの
数字を適用するのは実情を反映しているとは言い難い面があります。オーファンドラ
ッグには最大20%の加算が付きますが、企業が想定している薬価と厚生労働省が提案
してくる薬価には2倍以上の開きがあることが珍しくありません。

 もちろん企業が持ち出してくる薬価がいつも正当であるとは言えませんが、現在の
状況はあまりにも乖離が大きいように見えます。特に国内患者数が数人から数十人し
かいないウルトラオーファンの場合、開発が成功して製品発売にこぎ着けても利益が
出るかどうかという事例もあります。政府の「医療イノベーション5か年戦略」では
、希少疾病への対応強化を謳っています。それを実現するには、薬価の面でも現在以
上の支援が必要でしょう。