本日は私が執筆した記事についてお知らせしたいことがあります。1月8日に以下の記事を日経バイオテクオンラインに掲載しました(同じ記事は日経バイオテク1月28日号にも掲載します)。

日東電工がsiRNA医薬のINDを提出、国内企業で初の臨床試験を実施へ

 この記事の内容は見出しの通りで、日東電工がsiRNA医薬のIND(Invetigational New Drug)を2012年12月に米食品医薬品局(FDA)に提出していたとするものです。日本企業がsiRNAの臨床試験を実施した例はこれまでになく、日東電工の試験が始まれば日本企業にとって初めての事例となります。

 この記事を執筆した経緯を説明しますと、昨年秋頃からこのプロジェクトの内情に詳しいある関係者から、「INDの提出が近づいている」との情報を得ていました。その後、同じ関係者から「INDを提出したようだ」との話も聞きました。そこで、日東電工広報グループに確認したところ、「12月にINDを提出した」と認める回答を得ました。これが1月7日のことです。同時に私は、IND提出の日付を教えて欲しいということとプロジェクトの責任者への直接取材をお願いしておきました。

 日本企業初のsiRNAの臨床試験というエポックメーキングな出来事ですから、すぐに記事を執筆し翌日の8日に掲載しました。その翌々日の10日に、広報担当者から「IND提出の日付は今は公表できない。責任者への取材はもう少し待って欲しい」との回答がありました。ここまでは想定通りに推移していました。

 しかし、翌週、同じ広報担当者から再度、連絡があり、「INDはまだ提出していないことが判明したので記事を修正して欲しい」との申し入れがありました。この申し入れは非常に不可解です。私の要望に対応するため、広報担当者は7日以降、プロジ ェクトメンバーの誰かに連絡したはずです。もしINDを提出していないのであれば、この時点で判明したはずです。10日の回答が「IND提出の日付は今は公表できない」といった内容になるはずがないのです。

 一方で私は、前出のプロジェクト関係者とはまた別の人物から、「INDは提出しているが、この話が表に出たのはまずかった」との発言を聞いています。この人物は、INDしているかどうかにいての認識を間違うはずのない役職に就いています。

 こうした経緯から広報担当者にもう一度事実関係の確認を要請しましたが、やはり「INDは提出していない」との回答でした。1月18日には、記事の内容を否定するリリ ースを出しました。なお、本誌は現在も、日東電工はINDを提出したとの認識を変えていません。

日東電工株式会社、核酸医薬の臨床試験申請に関する一部報道について https://bio.nikkeibp.co.jp/article/pressrelease/20130121/165646/