今朝は雪かきの音で目が覚めました。時ならぬ大雪で東京は昨日麻痺状態でした。 一転して好天に恵まれた今朝は町内総出で道路の雪かきです。都心は老齢化が進み、雪かきをしないとご老人の事故が心配されます。が、高齢化は同時に人手も足りなくなることを意味しており、結構しんどいウィークデイの始まりとなりました。過疎化がもっと進んでいる地方では豪雪は深刻な社会問題であることを実感しました。皆さんも いかがでしたでしょうか?東大医科研の教授は車を放置して昨夜帰らざるを得なかったと、メールで泣きを入れて来ました。

 現在、大阪に向かう新幹線の中におりますが、さすがJR東海のドル箱路線だけあり、まったく遅れがありません。今朝の最大の問題は四ツ谷まで自宅から歩く道に雪が残って滑ることでした。老舗の商店は道の前を完全に除雪していましたが、全国チェーンの コンビニやコーヒーショップなどは店の前の雪を放置したまま、まったく近所迷惑です。商業道徳にも劣るこんなファストフードが存在しえる我が国の花形サービス産業 実態はまったくお粗末、客も厳しく店を選別し責任を果たさなくてはなりません。

 さて、先週の金曜日に開催した第11期バイオファイナンスギルドは久々に明るい話題 に満ちました。今回はいちよし経済研究所の山崎主席研究員がベンチャーの見通しを講演した他、米国より今年上場予定のAcucela社の窪田社長、それに厚労省のバイオ・先進医療担当者をお招きして、新春を飾るべくバイオに関して今年の展望を議論いたしました。そして、そこで明確となったことは、日米の両株式市場(新興市場)の株価 が、昨年1年間年初より日経平均やスタンダード&プアなど大企業の株価を大幅に上回る株高を実現したことです。「こんなことは21世紀初めのバイオ・バブル以来」(山崎 主席研究員)と指摘するとおりですが、今回のバイオ株高の実態は決してバブルではありません。

 米国はバイオテクノロジーがシェールガスと肩を並べる先端産業として注目を集めて おり、我が国では営業黒字を続々とバイオベンチャーが記録したり、海外のビッグファーマと国際的な大型提携契約を結ぶなど、我が国のバイオベンチャーが企業としてきちっと成熟してきたことが原因です。製造業が壊滅的な状態では、いくら少し円安に なったとはいえ「むしろ、バイオ株に投資しないリスクが顕在化した」と山崎氏は指摘しております。しかも、嬉しいことに今まで我が国のバイオベンチャー株をハイリスクと見なして、一顧だにしなかった機関投資家が、2012年は我が国のバイオベンチャー投資に戻ってきたことです。我が国のバイオベンチャー株式市場にもやっとメジャープレイヤーが戻ってきました。今までのようにデイトレーダーが蹂躙するような市場はなく、機関投資家が投資する着実な成長と堅実な資金調達が可能な市場に誕生しつつあるのです。我が国の新興市場も成熟したといえるでしょう。米国でも80年代初期のバイオベンチャーブームは年金基金などがバイオなどハイリスク投資を行うことができる規制緩和に乗って、個人投資家などが創り上げたものです、90年代半ばから米国のバイオベンチャー企業の中に株価総評価額が10億ドルを突破する企業が出現、それ以降は機関投資家の投資が集中し、2009年に米国のバイオ産業は産業として黒字化するまでに成長しました。我が国でもやっとそうした産業化離陸のステージに突入したのです。

 今年も、実力はバイオベンチャー企業の上場が4-6社も予定されており、いよいよ日本も産業として入国の際のどんな分野の企業にお勤めですか?という質問にバイオテクノロジーと答えても大丈夫な時代がやってきました。 米国の入国の際に「Biotechnology」といっても問題なく通過できたのが、90年でしたから、まだ日米には23年の遅れが残っていますが、何とかここまで来ました。「バイオベンチャーなんか、企業として成立しない」という無知故の偏見を、多数のバイオベンチャーの皆さんの努力でやっと晴らすことができました。昨年同様、今年もバイオベンチャー企業に投資しないリスクは存在しますので、今まで無関心だった投資家やバイオバブルで羹に懲りて膾を吹いていた投資家達も、再びバイオに投資することを真剣に考えなくてはならないと考えます。取材の折々に、何故か最近、信越化学がバイオに投資している事案に遭遇することが増えています。第二の異業種参入の予感もしています。

 今年1月1日に大阪証券取引所と東京証券証券取引所が合併、日本取引所グループが誕生したことも、バイオベンチャーへの資金調達の追い風となると考えています。株式など現物市場は今年の7月に東京証券取引所に統合され、市場1部、2部、新興市場のマザーズ、JASDAQ、そしてプロの投資市場であるTOKYO PRO MARKETに整理されます。まだ私自身、マザーズとJASDAQの区別を理解しておりませんが、7月までにはすっきりと整理され、まずPRO MARKETに上場、その後、新興市場に株式を上場、成長に伴って2部、そして1部へ上場するというきめ細かいバイオベンチャーの出世すごろくが用意されることになります。是非とも、市場間のスムースな受け渡しと、国際的な証券市場との競争に勝ち、潤沢な投資資金を引き寄せる努力を期待したいと考えています。円の特殊性をアッピールできれば、投資のセイフティーハーバーとしての日本、さらに成長をそこで期待できるバイオベンチャーへの投資というシナリオも、アナリストの誰かが書けそうです。 http://www.tse.or.jp/news/30/b7gje6000002wumn-att/b7gje6000002xhdr.pdf http://www.tse.or.jp/news/30/b7gje60000030sqi-att/b7gje60000030str.pdf

 うかれてはいけません。まだまだ第三世代の有望なバイオベンチャーを育成するためのバイオベンチャー資金は不足しています。但し、ここ10年の苦節を考えると、今年はしみじみと明るい年となりそうな予感がします。少しははしゃいでも許されるのではないでしょうか?

皆さん、どうぞお元気で。

             日経バイオテクONLINE Webmaster 宮田 満