新年明けましておめでとうございます。

 昨年末、ヒトのがん遺伝子(Ras)およびがん抑制遺伝子(Rb)の発見者であるロバート・ワインバーグ博士(MIT教授)による講演で、正常細胞からがん細胞への分化・増殖やがん細胞が浸潤・転移する複雑な経路を実に分かり易い説明に聞き入り、私たちは特定遺伝子の存在や変異している疾患に対して、もっと探求して治療の事業に取り組むべきだと感じた次第です。その一端を成すのが個別化医療(Personalized Medicine)です。周知の如く、個別化医療とは、患者の遺伝子やタンパク質などのバイオマーカーを医薬品の投与前に調べることで、患者一人一人にあった医薬品や治療法を選択することです。

 大手製薬企業や大手診断薬企業の間で開発が進められていますが、特定遺伝子情報や治療できる病気が限られているので、あまり進行していないように思えます。そんな中、欧米企業は開発を先行していますが、国内でも「ポテリジオ」と「ポテリジオテスト」が成人T細胞白血病リンパ腫に対して昨年承認されました。今日では分子標的薬の抗がん剤が主ですが、抗ウイルス剤や抗ぜんそく薬なども開発されています。未だ検査が標準化されておらず、検査結果のバラツキをどうするかなど課題は多いものの、近い将来、病院で患者の遺伝子検査を行う時期は必ず到来するものと思われます。

 企業にとっても体外診断薬と創薬の協業が必要なので、開発費用を懸念する声もありますが、その利点は患者コンプライアンスの著しい向上のみならず、開発期間の短縮(PIII試験の省略など)、市場浸透率や薬価の面で大きなメリットがあります。このような製品開発に対して、バイオベンチャーは集結してでも取り組むべきニーズとビジネスチャンスがあるように思います。

 ナノキャリアは、日本発技術を用いて新しい医薬品を早期に患者さんへ届ける努力を惜しまず、社会貢献して参ります。