新たな年を迎えるにあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 ロシュグループは、医薬品の将来は個別化医療の具現化にかかっているという信念に基づき、2006年から個別化医療をグループ戦略の中核に据えています。医薬品部門と診断薬部門の両方を併せ持つグループの特性を最大限に生かし、Personalised HealthCare (PHC)というキーワードを共有し、適切な治療を、適切な患者さまの元に早くお届けできるように、革新的な医薬品ならびに診断薬・機器開発に基づく企業活動を推進しています。その一環として、日本では本年1月に当社よりヒト パピローマ ウイルス(HPV)スクリーニングキットが上市される運びとなっており、欧米に比べて遅れている我が国の子宮頸がんの早期発見を通じた個別化医療への更なる貢献を目指しています。

 昨年は、日本発の肺がんにおけるALK融合遺伝子同定を背景に開発されたALKキナーゼ阻害剤であるクリゾチニブとそのコンパニオン診断薬、日本発の抗CCR4抗体であるモガリツズマブとそのコンパニオン診断薬が上市され、個別化医療への注目度が高まった一年でした。国策という観点からも、医療イノベーション5か年計画および日本再生戦略において、個別化医療への取り組みが日本の成長を支える医療産業の発展における重要な課題の一つとして取り上げられており、日本発の革新的医薬品・医療機器の創出と合わせて、今年は、国をあげての個別化医療の具現化がさらに進む年となるでしょう。

 日本発の製品が日本の成長に寄与するためには、それら製品が世界市場に展開される必要があります。ロシュグループが取り扱っているIVD製品(機器・試薬)には、日立ハイテクノロジーズ社、パナソニックヘルスケア社をはじめとした数多くの日本製品が含まれており、日本製品の品質の高さは世界中のお客様から賞賛をいただいております。日本市場の約11倍の規模となるIVD世界市場における業界のリーディングカンパニーであるロシュグループのネットワークを生かすべく、ロシュ・ダイアグノスティックスでは、今後もより多くの高品質な日本製品を世界市場に上市させ、「強い日本」、「ものづくり大国日本」、「技術立国日本」を世界に知らしめ、台頭するアジア新興国とは一線を画した日本の強さをアピールしていきたいと考えています。一昨年の未曽有の大震災を乗り越え世界中から日本人の結束力の強さを証明出来た今、日本の存在感をアピールするチャンスです。

 昨年12月の政権交代によって発足した新内閣が、医療分野においても日本を強くする施策を具現化することを期待し、世界に冠たる日本の技術を梃に、世界の中で「強い日本」の存在感をアピールする元年にすべく、グローバル企業ロシュの日本拠点という視点から貢献していきたいと考えています。