【日経バイオテク/機能性食品メール  2012.12.7 Vol.73】

 先週金曜日(2012年12月7日)に続いてお目にかかります。「日経バイオテク/機能性食品メール」をお届けします日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長の河田孝雄です。

 昨日は金沢市で開かれた金沢大学政策課題解決型研究の第3回脳・肝インターフェースメディシン研究センターシンポジウム「『食』による生活習慣病予防医学の展開」を取材しました。金沢大学、東京大学、神戸大学、国立国際医療研究センター、星薬科大学などアカデミアの研究者の方々が最先端の成果を発表なさるとともに、カゴメ、不二製油、サントリーウエルネス、花王、大正製薬の方々の発表もおもしろかったです。記事に反映してまいります。

 そのうち「機能性脂質とその代謝酵素による血管恒常性維持メカニズム」と題して講演した金沢大学医薬保健研究域医学系の吉岡和晃さんの発表では、自らNature Medicine誌に今年発表した論文の内容も紹介なさいました。PubMedで検索したところ、以下の論文でした。

Nat Med. 2012 Oct;18(10):1560-9. doi: 10.1038/nm.2928. Epub 2012 Sep 16.
Endothelial PI3K-C2α, a class II PI3K, has an essential role in angiogenesis
and vascular barrier function.

Yoshioka K, Yoshida K, Cui H, Wakayama T, Takuwa N, Okamoto Y, Du W, Qi X,
Asanuma K, Sugihara K, Aki S, Miyazawa H, Biswas K, Nagakura C, Ueno M,
Iseki S, Schwartz RJ, Okamoto H, Sasaki T, Matsui O, Asano M, Adams RH,
Takakura N, Takuwa Y.

Department of Physiology, Kanazawa University School of Medicine, Kanazawa,
Japan.

 クラスIIα型PI3キナーゼの1つ、C2αのコンディショナルノックアウトマウスを用いた実験から、C2αが血管内皮細胞において細胞内小胞輸送の制御を介し、VE-カドヘリンをはじめとする物質輸送およびエンドソームにおけるシグナル伝達に必須であり、これらの作用により血管の形成と血管の健全性の維持に重要な役割を担っていることを見いだしたという成果です。

http://first.lifesciencedb.jp/archives/5829

 血管内皮機能は、食品の機能性研究でとても重要ですから、このような最先端の成果が今後、機能性研究にも反映すると思われます。

 昨日の金沢における花王の発表「ポリフェノールの生理機能と機能性食品への応用」では、発表の範囲ではありませんでしたが、花王がコスタリカの国際コーヒー科学会議で発表したコーヒーポリフェノールの成果でも、血管内皮機能はキーワードです。

血管内皮機能と体脂肪に役立つクロロゲン酸類、
花王が国際コーヒー科学会議で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121207/164963/?ST=ffood

 花王は2013年春に体脂肪対策のトクホ「ヘルシアコーヒー」を発売します。

花王の体脂肪対策トクホ「ヘルシアコーヒー」、2013年春に発売
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121108/164299/?ST=ffood

 一方、金沢のシンポでサントリーは「ケルセチン配糖体の抗肥満作用とその作用メカニズム」と題した発表を行いまして、ケルセチン配糖体の代謝物についても、活性を詳しく調べていることを知りました。サントリーのケルセチン配糖体配合飲料は近く、トクホとして表示が許可になるのではと思います。

消費者庁、
サントリーのケルセチン配糖体配合飲料などトクホ申請9件を消費者委員会に諮問
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121029/164019/?ST=ffood

 シンポジウム全体を通して、脂質代謝や糖代謝で分かっていないことが随分あるのだと改めて感じました。

 その金沢で、2012年7月25日初版の中公新書2174「植物はすごい 生き残りをかけたしくみと工夫」(田中修・甲南大学理工学部教授・農学博士)をようやく入手しました(1軒目は売り切れだった)。帯にバナナの写真があります。

 購入した本は10月15日5版でしたが、中央公論新社の編集部にうかがったところ、年内に8版を出す予定で合計5万部を超えるとのことです。

 日頃、食品の機能性研究の記事をまとめることが多いのですが、果物や野菜についていかに知らないことが多いか、改めて知りまして、たいへん勉強になります。

 冒頭の「自分のからだは、自分で守る」「少しぐらいなら、食べられてもいい」「植物たちの成長力は“すごい”」では、キャベツの種子は4カ月で24万倍の重さに成長するという記載があります。水分量を除いても1万2000倍。同じく約4カ月で、レタスは2万5000倍、ダイコンは5000倍とのこと(いずれも水分除いた量)。

 化学工学出身ということもあり、物質収支やエネルギー収支は記事とりまとめのときにも気になるのですが、植物の成長力はすごいと改めて感じました。この地上の植物よりさらに単位面積当たりの光合成能力が優れた藻類が、燃料源として注目されるのも、なるほどです。ただいま日経バイオテクの特集記事とりまとめ中です。

IHI横浜事業所で藻類バイオ燃料の実験設備見学会、
「エネルギー収支はコストよりさらにハードル高い」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121112/164339/?ST=ffood

 安全性評価の考え方のヒントになる記載も多くあります。食品の安全性に興味がある一般の方々はもとより、安全性評価の審議などに参加している毒性評価の専門家の方々にも参考になるのでは、とも思えるほど充実した内容と思います。

 この1週間で日経バイオテクONLINEで報道された機能性食品関連の主な記事のリストは、メール末尾に掲載します。松岡さんが取材したラクトフェリンの記事もぜひ、ご覧ください。

ラクトフェリンに新機能続々、
歯や骨の強化、早産抑制や更年期障害改善、ドライアイ対策
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121205/164912/?ST=ffood

 最後に、日経バイオテクONLINE機能性食品版の有料情報サービスについて説明させていだきます。

 月1000円(クレジット決済)で、月間100本まで記事をご覧いただけるというサービスです。報道記事数は月間100本未満のことが多いのですが、アーカイブに格納している10年以上前からの2000本以上の報道記事も、キーワード検索などで、ご覧いただけます。

 まずは、日経バイオテクONLINE機能性食品版のサイトにアクセスしてください。
→ https://bio.nikkeibp.co.jp/ffood/

 詳しくは、次のリンク先をご覧ください。
日経バイオテクONLINE機能性食品版について
→ http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/food/
日経バイオテクONLINE機能性食品版のご利用ガイド
→ https://bio.nikkeibp.co.jp/ffood/help/use.html

 このサイトでは、各記事の第1パラグラフまではどなたにでもご覧になれますが、第2パラグラフ以降も含む記事全文を読むには、有料会員になっていただく必要があります。日経バイオテクONLINE機能性食品版では、会費月額1000円(クレジットカード決済のみ)の会員になると月100ポイント分まで記事全文を読めます。記事はポイント1の記事と、ポイント0の記事がありますので、月間のご覧いただける本数は100本以上です。アーカイブの記事もご覧いただけます。

※支払に関する詳しいご案内はこちらをご参照ください。
→ http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/food/info.html

 なお、この日経バイオテクONLINE機能性食品版では、機能性食品と関連しない記事については記事全文をご覧になれません。日経バイオテクONLINEの記事全てをお読みいただくには、日経バイオテクONLINEの会員への申し込みが必要になります。

           日経BP社バイオ部
           日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長 河田孝雄

◆日経バイオテクONLINEより◆◆◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
機能性食品分野のバイオテクノロジー関連記事(直近1週間分)

※2012年11月30日から12月7日の機能性食品関連の記事リスト(掲載の新しい順)
 リンク先は、日経バイオテクONLINE機能性食品版です。

血管内皮機能と体脂肪に役立つクロロゲン酸類、
花王が国際コーヒー科学会議で発表
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121207/164963/?ST=ffood

JSTの復興マッチング促進第2回、三陸の養殖業復興へ北里大の技術でフジツボ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121206/164944/?ST=ffood

理研横浜研、2013年4月に環境資源科学研究センター発足へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121205/164920/?ST=ffood

東京歯科大と慶大医が連携協定を締結、口腔ケアと全身の健康で連携強化
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121205/164884/?ST=ffood

ラクトフェリンに新機能続々、
歯や骨の強化、早産抑制や更年期障害改善、ドライアイ対策
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121205/164912/?ST=ffood

森下仁丹がカプセル事業関連リリースを4件同日発表、
製造拠点とレアメタル、ウシ、健食
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121204/164878/?ST=ffood

ユーグレナが上場前説明会、「食品で稼いでエネルギーに投資する」
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121202/164756/?ST=ffood

私立大学基盤形成支援最終年度の東洋大植物機能研究センター、
シンポジウム「トータル・ベジケア:食の未来に向けて」を12月8日開催
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121201/164752/?ST=ffood

1年800万円のJSTのA-STEPシーズ顕在化の第2回採択は競争率6倍、
オンコリスと協和発酵キリン、片山化学など2件
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121201/164750/?ST=ffood

核酸クロマト型チップ、生物粒子モニター、生体内ATP計測
【日経バイオテクONLINE Vol.1816】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121130/164749/?ST=ffood

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