皆様こんにちは。水曜日のコラムを担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。

 田中真紀子文部科学大臣が、秋田公立美術大(秋田市)、札幌保健医療大(札幌市)、岡崎女子大(愛知県岡崎市)の3つの大学の新設を不認可とした問題が大きな波紋を広げています。あまりに反発が強かったためか、大臣は当初の「不認可」から、新しい審査基準を作ってそれに基づいて審査すると、少し発言を修正していますが、ここへ来てルール変更があるとしたら、来年4月の開学を目指して準備を進めてきた大学側にとってはたまったものではありません。こんな規制側の横暴がまかり通るようであっては、むしろ大学許認可権の規制緩和こそが必要なのではないかと思えてきます。

 大臣が不認可を言い出したのは、人口減少下でも大学が増え続けていて、それに伴って教育の質が低下し、経営に問題が生じるところも出ているという問題意識からと伝えられています。そうであればやるべきは、質が低下したり、経営に問題のある大学が淘汰される仕組みを作ることであって、大学の新設に待ったをかけることではありません。新設のハードルを上げるだけでは逆に競争が緩和され、質の低下した大学の生き残りを許すだけではないでしょうか。平等にするなら、新設の基準を厳しくする以上、既存の大学についても同じ基準で審査をすべきでしょう。ただ、そうやって規制を強化するよりも、情報開示を徹底して教育内容や経営に問題のあるところが淘汰される仕組みを作るのが適切だと思います。その上で文科省が本当にやるべきなのは、淘汰された大学に在学している学生を救済する仕組みを作ることでしょう。

 大学の入試もそうだったりしますが、日本の国はいろいろなところで新しい人や会社が入ってくるのが難しく、いったん入った後のチェックは緩いようにできているとつくづく感じます。新陳代謝の仕組みづくりが下手なんですね。ベンチャー企業の新規株式上場(IPO)でも、そのことを感じます。そういう厳しい規制をかいくぐって、今年2社目のバイオベンチャー上場が決まりました。アステラス製薬と提携して、インフルエンザワクチンなどの開発を進めているUMNファーマです。

UMNファーマも東証マザーズに上場、上場日は12月11日
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121106/164227/

 UMNは秋田市に本社を置くベンチャーで、6、7年前から長く取材してきた会社なので、感慨深いものがあります。今年1社目のIPOとなるジーンテクノサイエンスもそうですが、単純な創薬ベンチャーとは少し違ったビジネスモデルに、これまでの苦労の跡が見て取れます。

ジーンテクノサイエンス、11月30日に東証マザーズに上場、バイオ医薬の研究開発ベンチャー
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121025/163952/

 今年最後の日経バイオテクプロフェッショナルセミナーとして、独創的な日本のバイオベンチャーを紹介するセミナーを企画しました。12月20日に東京・品川にて開催しますので、ぜひご参加ください。

12月20日(木)開催 日本発・創薬革命セミナー
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/information/20121030/164028/

 本日はこのあたりで失礼します。

 なお、何度か紹介していますが、日経バイオテクONLINEに掲載した記事のうち、機能性食品に関する話題のみを提供するサービス、環境・農業に関する話題のみを提供するサービスを開始しました。食品関係者、環境バイオ、農業バイオの関係者は、こちらのご利用をぜひともご検討ください。

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                    日経バイオテク編集長 橋本宗明