水曜日を担当する日経バイオテク編集長の橋本宗明です。

 例年、10月に入ると当編集部はバイオ年鑑の編集作業でてんてこ舞いになるのですが、今年は山中教授のノーベル賞受賞を受けて、「iPS細胞のすべてがわかる」という電子書籍を緊急出版したので、輪をかけてバタバタした感じになっています。それでもこれまでバイオ分野に関心があまりなかった人たちがバイオに興味を持ち、バイオ産業の盛り上がりにつながっていければそれに勝る喜びはありません。

緊急出版した電子書籍の詳細については下記をご覧ください。
http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/entry/ipscell/

日経バイオ年鑑2013の詳細については下記をご覧ください。
http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/book/05.html

 バイオ分野はいろいろとスピーディーに動いています。iPS細胞の実用化を後押しするために、公明党の坂口力元厚生労働大臣を中心に「再生医療推進法案」の検討が進められています。バイオシミラーでは、今日、協和発酵キリンと富士フイルムが合弁で設立した協和キリン富士フイルムバイオロジクスが、抗リウマチ抗体医薬の「ヒュミラ」に続いて抗腫瘍抗体医薬の「アバスチン」のバイオシミラーの開発を決めたと発表しました。先日のBioJapan2012の取材で確信しましたが、製薬企業によるオープンイノベーションの取り組みは大きく加速しているのと同時に、製薬企業で働いている人たちの中に、バイオベンチャーの起業への関心が高まっているようです。2013年度に向けては、政府の医療イノベーション施策のエンジンもかかりつつあり、これまでバイオ産業を覆っていた暗雲が薄らいで来ていることを強く感じます。バイオベンチャーの株式上場承認といったグッドニュースも飛び込んできそうです。バイオ産業が明るさを取り戻しつつあるのは間違いありません。

 ところで、先日、札幌で開催された遺伝子組み換え作物に関する「GM国際シンポジウム」を取材してきました。北海道バイオ産業振興協会(HOBIA)が主催したもので、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)のSouth East Asia CenterのRhodora Aldemitaシニアプログラムオフィサーが参加し、フィリピンでのGMO導入の経緯などを紹介いただいた他、北海道大学の山田敏彦教授によるGMススキの開発に関する講演、ノーステック財団の北野邦尋チーフコーディネーターによるGM作物を用いた閉鎖系での有用物質生産などの講演を聞くことができました。

 興味深かったのはHOBIAと日本バイオテクノロジー情報センター(NBIC)が企画したGMOのイラストコンテストです。代々木アニメーション学院の協力を得て、全国10校の生徒さんからGMOに関するイラストを募集したもので、約60作品の応募があり、シンポジウムの中でグランプリ1件、準グランプリ2件、優秀賞3件、佳作6件が表彰されました。実施に当たっては、生徒さんたちにGMOについてのレクチャーを行ったということで、その中で、GMOに対する理解を促していく狙いもあるようです。こうした活動を通じて、GMOアレルギーの強い日本で、少しでも受容度が高まっていくことを期待します。ちなみに、このイラストコンテストは、元々ISAAAがマレーシアとフィリピンで行ってきたもので、来年以降は全世界に広げていきたいということでした。いずれにしても、農業バイオ分野も国民の理解を得ることによってそろそろ突破口を開かなければならないと痛感した次第です。

 何度か紹介していますが、11月に2つの日経バイオテクプロフェッショナルセミナーを開催します。

 1つは、「個別化医療におけるゲノムデータベースの活用-ゲノムデータベースは創薬と医療に役立つか」と題するものです。ゲノムデータベースの構築や解析などに関わっている研究者の他、ゲノムデータを医薬品の研究開発に活用している製薬企業の研究者、ゲノムバイオマーカーを用いて開発された医薬品を審査する側のPMDAの審査官、さらに臨床で遺伝子情報に基づく個別化医療に実際に関わっておられる医師を交えて、実際的な観点から、インフラとしてのゲノムデータベース/バイオバンクなどのあり方を議論します。11月12日(月)12:50から17:40まで、秋葉原コンベンションホールにて開催します。

セミナーの詳細はこちらをご覧ください。
http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/121112/

 もう1つは、「バイオバンク/ゲノムコホートの連携を目指して-国際的な標準化を踏まえて-」です。欧米ではバイオバンクの標準化が進む中、日本では、バイオバンク/ゲノムコホート研究の連携や情報共有を行うしくみづくりが遅れています。政府関係者も加えて、熱い議論を展開します。11月26日(月)12:30から17:30まで、コクヨホール(東京・品川駅港南口)にて開催します。

セミナーの詳細はこちらをご覧ください。
http://nbt.nikkeibp.co.jp/bio/seminar/121126/

 本日はこのあたりで失礼します。

 なお、何度か紹介していますが、日経バイオテクONLINEに掲載した記事のうち、機能性食品に関する話題のみを提供するサービス、環境・農業に関する話題のみを提供するサービスを開始しました。食品関係者、環境バイオ、農業バイオの関係者は、こちらのご利用をぜひともご検討ください。

日経バイオテクONLINE機能性食品版はこちらをご覧ください
https://bio.nikkeibp.co.jp/ffood/

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 また、日経バイオテクONLINEでは、皆様からの「人材募集」「セミナー・学会」「技術シーズ」などの告知の掲載コーナーも設けています。「人材募集」は大学、公的研究機関の研究者個人による募集告知のみ無料としていますが、「セミナー・学会」「技術シーズ」の告知については、大学などの事務局の方による告知等も受け付けています。ただし、企業による告知はいずれも有料とさせていただいています。

 特に人材募集のコーナーは利用者も多く、投稿いただいた方からご好評をいただいています。一度登録すれば何度でもご利用いただけるので、どしどしご利用ください。

投稿について、詳細は下記をご覧ください
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                    日経バイオテク編集長 橋本宗明