先週金曜日(2012年10月12日)に引き続き今週も「日経バイオテク/機能性食品メール」をお届けします。日経バイオテクONLINEアカデミック版編集長の河田孝雄です。

 先週は、京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞することが発表され、iPSの注目度がさらに高まりました。今週の機能性食品メールではまず、活性の高いヒト褐色脂肪細胞を、ヒトiPS細胞から高効率で分化誘導できる技術を、国立国際医療研究センター(NCGM)などの研究グループが開発したことを紹介します。

NCGMなど、ヒトES/iPS細胞の90%以上を機能性褐色脂肪細胞に分化誘導、遺伝子導入は不要
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121018/163831/

 先週後半に京都で開催された第33回日本肥満学会のシンポジウムなどで、Cell誌の姉妹誌であるCell Metabolism誌の2012年9月5日号で論文発表した技術が発表され、フロアから多くの質問がありました。

 脂肪を燃焼する褐色脂肪組織の研究が、この技術によって飛躍的に進みます。茶カテキンを配合した「ヘルシア」を事業化している花王や、辛くないトウガラシ成分カプシエイトを事業化している味の素をはじめ、多くの企業が今後、褐色脂肪に注目した食品の機能性研究を進めています。

 この製法で作製した褐色脂肪が、従来から知られているBAT(クラシカルBAT)の特徴を発揮することも確認済みです。この製法で取得したヒト褐色脂肪をマウスに移殖したところ、交感神経刺激に応じた熱産生が確認されました。この他の多くの実験結果から、NCGMが開発した製法によるヒト褐色脂肪は、優れた代謝改善効果を発揮する高品質な褐色脂肪といえそうです。メタボリックシンドロームに対するソリューションの開発に役立つ強力な材料といえます。

 今週の火曜日(10月16日)と水曜日(17日)は、ヤクルトホールで開催された日本食品免疫学会第8回学術大会を取材しました。カルピスが大会長をつとめ、300人が参加する盛会になりました。来年は明治が大会長をつとめます。

続報、日本食品免疫学会第8回学術大会に130人超、ポスター発表50件のうち企業関連が3分の1強
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121016/163805/?ST=ffood

食品免疫学会、綾部時芳・北大教授と北澤春樹・東北大准教授が学会賞受賞講演、ポスター賞5題は北大、東大・日大、徳島大、韓国FRI、医科歯科大
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121017/163812/?ST=ffood

続報、カルピスが大会長の第8回食品免疫学会学術大会に300人、2013年の大会長は明治
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20121018/163830/?ST=ffood